「ヤァッテ ナバホ」

アメリカ先住民と赤い大地にくらす日本人フォトグラファーの21年

河野謙児著 VIENT/現代書館




本書 あとがき より抜粋引用


2001年7月、暗号部隊の「オリジナル29」に金の名誉勲章、11月には残りの

老兵たちに銀の名誉勲章が贈られた。じつに戦後56年目のことだ。2002年6月

にはナバホ暗号部隊を扱った映画「ウィンドウトーカーズ」がニコラス・ケイジ主

演で封切られた。この映画は多くのアメリカ人にナバホ暗号部隊を知らせてくれ

た。2003年3月、赤い大地が真っ白におおわれたナバホの地で私はこのあとが

きを書いている。私とルースが再びリザベーションにもどると多くのナバホたちに

「ウェルカム・ホーム」と歓迎された。そう言われるたびにナバホの大地が私の

故郷なんだと思わざるえなかった。そして、ナバホ暗号部隊の写真を改めて撮り

はじめている。425人の部隊員はすでに4分の3が他界している。老兵たちは

少なくなりファインダー越しに彼らは老いていく。「ケンジ俺たち暗号部隊が勲章

をもらえたのはおまえの本のおかげだよ」。一人の老兵のこの思いがけない一

言が私の心に大きく響いた。私が最も好きな写真で感謝された。これからもナバ

ホを撮りつづけるぞという勇気を与えてくれる一言だった。



河野謙児(かわの けんじ)


1949年福岡県生まれ。1973年、写真修行目的でロサンゼルスへ

渡米。1974年、アリゾナ州のナバホ保留地を訪れ、以後ナバホを

カメラでドキュメントしている。現在、ナバホ保留地のフォート・ディファ

エンス在住。著作に、1990年「Warriors Navajo Code Talkers」 、

2001年「In the Fifth World」がある。いずれも、アメリカで出版。個展、

「勇士たち:ナバホ暗号部隊」(新宿コニカプラザ、1993年)(札幌

コニカギャラリー、1993年)(福岡コニカギャラリー、1994年)

「Warriors Navajo Code Talkers」は1992年よりアリゾナ州立美術

協会移動展示プログラムでアメリカ国内にて展示。12年目の巡回中。

「In theFifth World」アリゾナ州立美術協会移動展示プログラムは、

2002年からアメリカ西部を巡回中。


 


目次

第一章 ナバホ・リザベーションに来た(1974年3月)

第二章 思いで多きガナード

第三章 再びナバホ・リザベーションにもどる

第四章 「ナバホ暗号部隊」の出版

第五章 しましハゴーネ ナバホ

あとがき








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