
「ゴースト・ダンス」
アメリカ・インディアンの宗教運動と叛乱
ジェイムズ・ムーニー著 荒井芳廣訳 紀伊国屋書店 1989年発行




19世紀のアメリカ合衆国。白人たちの「フロンティア」は西へ進行し、先住民たるインディアン
のほとんどはいまや支配下におかれていた。旧来の生活様式を失い、不公正な行政に苦しむ
彼らのあいだに、このとき一つの宗教が生まれる。やがてメシアが到来して、死んだ祖先たち
を甦らせこの世を楽園として再生してくれる、その実現のためには、儀式をおこない全員で踊
りつづけなければならない −−− このような千年王国的な信念に支えられた宗教運動が、
「ゴースト・ダンス」である。この運動がどのように展開したか、白人とのあいだにどんな軋轢を
うんだかを、著者ムーニーは細心の観察と綿密な取材調査にもとづいていきいきと描き出し
ていく。約一世紀前に書かれたものでありながら、その叙述は今日でいうエスノヒストリーの
先駆であり、民族誌としての<古典>と評価されている。さらに本書は、運動展開の過程で
生じた出来事として、インディアン史上きわめて重要なエピソードである「スー族の叛乱」や
「ウンデッドニーの虐殺」にも詳細にふれ、インディアンに加えられた迫害をなまなましく伝え
る。その意味では、現在のアメリカ文化というものがいかなるエスノサイド(民族破壊)の上
に成り立ったかの、同時代における貴重な証言でもある。(本書より引用)
目次
序
第一章 失われた楽園
第二章 救世主ウォヴォカ
第三章 ゴースト・ダンスの教義
(付記 メシアについてのポーキュパインの説明 クワピに対するセルウィンのインタビュー)
第四章 ロッキー山脈西部のゴースト・ダンス
第五章 ロッキー山脈東部のゴースト・ダンス・・・・スー族のゴースト・ダンス
第六章 スー族の叛乱・・・・シッティング・ブルとウンデッドニー
第七章 叛乱の終結・・・・南部におけるゴースト・ダンス
第八章 ゴースト・ダンスの儀式
訳者解説
引用文献
