「神の道化師 イタリアの民話より」

トミー・デ・パオラ作 湯浅フミエ訳 ほるぷ出版








少年ジョバンニは、なんでもお手玉のように空中に投げ飛ばす特技を認められ、

旅芸人に加わる。その評判はイタリア中に広まるが、月日が流れ年老いてくる

と喜んでみてくれる人は少なくなり、ジョバンニは村を追われる。よその家の軒

下に眠り、パンをめぐんでもらいながらジョバンニは故郷ソレントへ帰るが、ある

教会にもぐりこみ寝入る。その日はクリスマス・イヴで多くの人が聖母に抱かれ

た御子イエスの像に、ささげものを持って長い行列を作っていた。そして時が過

ぎ、一人教会に残されたジョバンニは像の前に近づき悲しそうなイエスを見る。

教会に残されたジョバンニは像の前に近づき悲しそうなイエスを見る。ジョバンニ

は古い衣装をひっぱりだし、道化の化粧をすませると、あの昔多くの人が喜んで

見た芸を始める。それはこれまでにないほどの出来栄えで、いろいろな色の玉が

高く高く回り続ける。「あなたに、神の御子イエスさま、あなたにささげます」と

声をふりしぼって言い、年老いたジョバンニは息絶えてしまう。しかし、にっこり

ほほ笑んでいるイエスの手にはしっかりと金色の玉が抱かれていた。・・・・

(K.K)


トミー・デ・パオラはこの作品の他に、「ヘルガの持参金」「まほうつかいの

ノナばあさん」などがあり、その独特な絵のタッチは印象深いものがある。





トミー・デ・パオラ (本書より引用)


天性の資質と芸術家としてのうらづけ、そして自らの宗教的体験(デ・パオラは

聖フランシスコ教会に属していたことがある)、こうしたものをふまえて、トミー・

デ・パオラ(Tomie de Paola)は自ら翻案してまとめ上げた、この「神の道化師」

のために絵を描くにあたり、いろいろな細部にまで注意深く、かつ忍耐づよく、

国の内外を問わず、調査研究しました。デ・パオラは、この物語をルネサンス

初期の頃のものと設定しました。というのは、この民話ができたのは、その頃

だと考えられているからです。そして、その時代の風景、衣服、習慣を、念入り

に再現しました。ただ、マドンナとその子イエス像だけは、もっと古く、より素朴な

シエナ派の特徴を生かして描いています。それは、デ・パオラが、このような像

は、きっとルネサンス初期の頃よりもっと古く、もっと人びとのあつい信仰をえて

いた時代の彫刻であろうと考えたからです。しかし、この作品をあやまりのない

ものにしようとする、こうした熱のこもった努力をぬきにしても、作者がこの作品

に尽くした完璧な美と創意は、一目でかならずや印象にのこることでしょう。絵本

の仕事で、世界中に知られているデ・パオラ氏はアメリカのニューハンプシャー

州ウィルモットに住んでいます。








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