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石川賢治写真集 新月光浴 集英社 |
月の光に照らし出された詩的とも言える、大自然の
夜の顔の壮観さがこころを沈黙へと誘う写真集。
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北山耕平訳 小学館 |
この本は祈りです。わたしは絵と言葉で、この祈りを、あなたの心に届けたいと
思っています。地球のことを考えて、地球のことを愛し、生きもののことを考えて、
生きもののことを愛し、人間のことを考えて、人間のことを愛し、自分のことを考え
て、自分のことを愛する人。今こそ、そういう人たちが強く求められているのです。
シム・シメール 同著「私の祈り」より
宇宙の空間を生きている喜びに震えながら泳ぐクジラやイルカ達、
そして動物達も同じくこの世界への賛歌を歌う。ただ環境破壊へ
の警鐘にとどまらず、この絵は生命の賛歌という祈りが満ち、著
者の一枚一枚の絵の下に書かれた短い言葉が、現代に失われた
感覚を呼び起こす。この画集に更に多くの作品を入れたCD-ROM
版が imagineer から出ており、その表現力には心が洗われる。
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ノーベル書房 |
太古の昔、男も女も身に何もまとわなかった時代。しかしお互いはその体を見て
生命の畏敬と感謝を感じていたかもしれない。女性のNUDEを通して、杉山吉良
のこの写真集は「生命の賛歌」を高らかに歌い、人間と自然がともに生の喜びを
分かち合っていた時代に立ち戻らせる。傑出した写真集。・・・・・・・・・・
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原作 ダンテ 挿画 ギュスターブ・ドレ 訳・構成 谷口江里也 JICC |
文学史上に輝く古典「神曲」に、ドレの独特な才能をすべて投入した傑作。
ドレは「ドン・キホーテ」「失楽園」にも挿画を書いているが、この「神曲」
は、彼が最初に書いたものである。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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新正 卓 著 講談社 |
著者が合衆国全土を5年間に渡って撮影した286点の肖像写真集。
その顔には誇り高きもの、そして多くの写真家が彼らを「見世物」と
して撮ってきたことへの警戒感とが交差している。その表情すべて
なかに、私はなんと表現していいのかわからないある勇気が湧き出
てくるものを感じた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先住民族につけられたインディアンの名称は、1492年、コロンブスのアメリカ発見時の
誤解から生まれた。そして、西へ西へと追い立てられ、居留地に囲い込まれた。ハリウッド
映画に見られるように、それぞれの時代で、インディアンは、アメリカ人が望むイメージに
合わせて描かれてきた。それらに迎合する人々も少なくはなかった。しかし、ここには、彼
らの愛する大地や空や水の輝き、輝く松葉、砂浜、奥深い森の霧、すべての切り透かし、
ハミングする虫たち、そして愛する人々、すなわち、インディアンのふつうの姿がある。
(本書・帯文より)
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現代世界の美術 11 集英社 |
一見武骨に見えるが、その中に秘められたルオーの強靭であり冷徹な視線。
そして温かさ。「郊外のキリスト」「ヴェロニカ」「三人の裁判官」「ピエロ」
「逃亡」「深き淵より」など心に響く。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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Elio Ciol 写真 |
すべての写真が白黒のものだが、その表現力、視点が素晴らしく、
心から感動を覚える写真集。解説はイタリア語だがアッシジの写
真集としては、最高のものであると思う。・・・・・・・・・・
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原田泰治 素朴画集 講談社 |
郷愁をかもし出す原田泰治の世界は、一見「メルヘン」っぽく見えるが、失われつつある
人間の素朴さを思い出させてくれるものであり、作者の豊かな感性を垣間見させてくれる。
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倉本聡 作 ・与 勇輝 人形 ・ 大竹しのぶ 語り CD-ROM Polystar |
北海道の森に棲む森の民ニングルは、木の生命と同じように平均270年の生を持ち、身長は
15センチの小さな人間。ひとりのニングルの少年が山里に行き、開発の名の下に行われてい
る自然破壊に泣き叫ぶ。「人間ハ森ノ神様ニ断リモセズ、勝手ニ樹ヲ伐ッテモイイノカ!!」
倉本聡の作に、美しい人形達、そして感動的な大竹しのぶの語りは本当に素晴らしい。
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シルヴィ&アラン・ドゥグレ写真 日本ヴォーグ社 |
この写真集に出てくる不思議な少女ティッピは、アフリカのナミビアで生まれる。
野生の動物たちとすぐに仲良しになれる不思議な力を持ったティッピの姿を
追った写真集であるが、人間と動物の間に突き刺さる垣根をティッピは軽々
と飛び越える。ティッピの口から飛び出す言葉は現代文明の中で生きる我々
が、如何に多くの根源的なことを忘れてしまったかを想い出させてくれる。
「私も裸にならなければ、動物たちは心を開かないわ。」ティッピ
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アマゾン先住民からの伝言 写真・文 長倉洋海 福音館書店 |
この写真集はアメリカ・インディアンのものとは違い、アマゾン・インディオ
の大地の恵みに囲まれて生きる彼らの素朴な、そして雄弁で喜びに満ち
た表情を追いかけた素晴らしい写真集であるが、かつてアメリカ・インディ
アンもこのような生活を送っていたに違いない。この写真集には短いなが
らも先住民の方たちが持つ世界観・叡智が込められており、彼らの喜び
の表情そのものの中に限りなく深い精神の豊穣さを垣間見ることが出来
る。文明とは何か、人生とは何かをこの写真集は訴えかけて名写真集。
鳥のように 静かに地上におりたち
静かに 飛び去っていく
それが インディオの生きかた
アユトン・クレナック(アマゾン先住民)
「きみが微笑む時」子どもたちの微笑みがひらく、大地と地球の明日を参照されたし
「心に響く言葉」1998.5/08「人間が好き」を参照されたし
「アユトン・クレナックの言葉」を参照されたし
「鳥のように、川のように」森の哲人アユトンとの旅を参照されたし
「天空の果実」を参照されたし
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ワタリガラスの伝説を求めて 星野道夫 文・写真 世界文化社 |
「ぼくは、深い森と氷河に覆われた太古の昔と何も変わらぬこの世界を、
神話の時代に生きた人々と同じ視線で旅をしてみたかった。この世の
創造主であるというワタリガラスの神話の世界に近づいてみたかった」
アラスカに伝わる創世神話はなぜかワタリガラスを主人公とした物語が
多い。アラスカの写真家として知られる著者が、かねてより関心を抱い
ていた”ワタリガラスの神話”をテーマに、南東アラスカの自然を旅した。
神話を追い求める著者の旅は、一人のインディアンとの出会いに始ま
り、それはやがてモンゴロイドの偉大な旅へとつながっていく。苔むし
た森、蒼い氷河、ザトウクジラの海。太古の気配を残す南東アラスカ
にワタリガラスの神話を追い、シベリアへと人類の足跡をたどる星野
が遺した最後の物語。(本書・帯文より)
星野道夫という魂から紡ぎだされた言葉並びに写真に秘められた視点は、
私たち日本人が忘れかけている太古の魂の記憶を甦らせてくれる。そし
てこのような星野氏の魂の遍歴はある一人のインディアンの男との出会い
によって浄化され強められていく。星野氏の写真家としての作品にははっ
きりとした意志が込められており、彼の視点が現代文明に浸っている私た
ちの視点の座標軸をあるべき位置へと帰還させてくれる。この彼が残した
遺言に、そして先住民族の方たちが持つ世界観に、感謝と祈りと喜びが
存在していることを是非多くの方に知っていただけたらと思う。彼が残し
た遺言というべき数々の作品は、いつまでも私の心に生き続けるだろう。
星野氏の著作「イニュニック(生命)」、「Alaska 風のような物語」、「旅をする木」、「長い旅の途上」
「星野道夫の仕事 第1巻 カリブーの旅」、「星野道夫の仕事 第2巻 北極圏の生命」、
「星野道夫の仕事 第3巻 生きものたちの宇宙」、「星野道夫の仕事 第4巻 ワタリガラスの神話」
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星野道夫 写真・文 小学館 |
星野道夫氏が13年間におよぶアラスカ取材を通して見つめた大自然と、
そこに生きる先住民の方たちの視点。その深い思索の息吹と写真の中
の動物たちの力強く優しい鼓動が見事に調和した傑出した写真文集で
あり文字どおりの名著である。多くの方にこの息吹と鼓動を感じていた
だけることを願っている。それは私たち地球に生きるすべてのものへの
賛歌であり未来という世界へのメッセージでもある。
あらゆる生命は同じ場所にとどまってはいない
人も、カリブーも、星さえも、無窮の彼方へ旅を続けている
星野道夫(本書より)
星野氏の著作「森と氷河と鯨」、「イニュニック(生命)」、「旅をする木」、「長い旅の途上」
「星野道夫の仕事 第1巻 カリブーの旅」、「星野道夫の仕事 第2巻 北極圏の生命」、
「星野道夫の仕事 第3巻 生きものたちの宇宙」、「星野道夫の仕事 第4巻 ワタリガラスの神話」
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星野道夫 写真・文 池澤夏樹 解説 三村淳 構成 朝日新聞社 |
星野道夫氏がワタリガラスの神話を追いかけるそれぞれの旅先で出合った生き物
たちの、遥か太古の昔から途絶えることのない生命力に満ちた姿とその大地を記し
した感動的な写真集である。氷河、トーテムポールとそれを創ったクリンギッド族、
フクロウ、森、ザトウクジラ、ラッコ、セイウチ、アザラシ、ハクトウワシ、グリズリー、
ブラックベア、そしてアラスカ先住民。これら全ての生き物がこの大地と海に育まれ
てきた。そしてこれらの生命との一瞬の出会いの中においてさえも、太古から未来
へと限りなく続く時空の深遠さが横たわり、私の心までこの渦巻きに飲み込まれる。
星野の関心がアラスカからシベリアの方に向かったのは、ワタリガラスだけが理由
ではなかったと思うが、しかしアラスカとシベリアの両方に同じようにワタリガラスの
神話があることに彼は強い関心を寄せていた。アラスカはじめアメリカ大陸の先住
民はかつてベーリング海がまだ歩いて渡れたころに、アジアから渡った人々の子孫
である。それから数千年の間、彼らは二つの大陸にはなればなれになりながら、ほ
ぼ同じ神話を保持してきた。その点に星野は心を動かされる。数千年という長い
時間の腐食作用に神話がそこまで抗しえたことに意味を見出す。われわれが持っ
ているような短いせせこましい物差しではなく、千年をあっさり跨ぐような長い物差
しを持った人々を彼は敬意の目で見た。(本書より 池澤夏樹)
星野氏の著作「森と氷河と鯨」、「イニュニック(生命)」、「旅をする木」、「長い旅の途上」
「Alaska 風のような物語」、「星野道夫の仕事 第1巻 カリブーの旅」、
「星野道夫の仕事 第2巻 北極圏の生命」、「星野道夫の仕事 第3巻 生きものたちの宇宙」、
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稚児地蔵の世界 堀部幸男・作 斎藤陽一・写真 致知出版社 |
子どもは「天からの贈り物」だ。
そのあどけない笑顔に励まされ、私たちはがんばることができる。
その「天からの贈り物」を堀部幸男先生が作品にされた。
これ以上の天からの贈り物はない。
神渡良平(作家)
これら幼子の地蔵さんは、真に心を和ませ、生きているということの実感を呼び覚まして
くれる。稚児地蔵の作者と写真家の魂が融合し、見るものの魂を浄化させる傑作。
ところで、今回の写真集に収められている稚児地蔵は、こういう経緯から生まれている。
平成七年(1995)秋、期するところがあって夜も寝ないで彫り続けた聖観音菩薩が、自分
でもほれぼれするほどに、二十三年の仏師生活で最高の出来となって彫り上がった。この
台座を作るため、堀部さんはJR花園駅前にある法金剛院の庭にある池に蓮の花のデッ
サンに出掛け、それを参考に何枚かの花びらを彫った。ところがその中の一枚がいたく
気に入り、肌身離さず持ち歩き、いつも眺めていた。その夜も家人が寝静まった家で独り
酒を呑み、その花びらを眺め、いじっていた。すると真っ暗な虚空に、花びらに乗って遊
んでいる赤ん坊の姿が浮かんだのだ。 「あっ」 堀部さんは息を呑んで、赤ん坊の顔を
見詰めた。そこには嘘も衒いも無かった。まったく自然で、無邪気なのだ。見入っている
うちに、心が深く癒されるものを感じた。翌朝になっても、そのイメージははっきり残って
いた。堀部さんは何ものかに、「これを彫りなさい!」と言われたかのように、鉛筆を取
り、デッサンして、木を彫り出した。それは彫るというよりも、要らない木屑を彫刻刀で
取り除く作業だった。そして木の中から次第に地蔵菩薩が顕れて来るにつれ、彫り手の
堀部さん自身が大きく癒されていったのだ。彫り上がった稚児地蔵を床の間に安置して
いると、訪ねて来た人が見て涙をこぼし、ぜひ欲しいと求めていかれた。そしてそれを
見た人から、私も欲しいと注文があった。彫って差し上げるとまた注文が入り、とうとう
二年待たなければ順番が回ってこないほどに、注文が殺到するようになってしまった。
堀部さんはお寺に納める大きな仏像も彫っているので、稚児地蔵を彫るだけに掛かり
切りになることはできない。だから十日に一体の割でしか出来上がらないのだ。「でも、
何年待ってもいいと言ってくださるので、コツコツ、コツコツ彫っています」という堀部さん
は、二十数年間仏像を彫っている中で掴んだ言葉を、こんなふうに表現した。「これ以
上刀を入れると、仏さまの肌を傷付け、尊い血を流してしまわれます。そのギリギリのと
ころが仏師の醍醐味です」「集中していると、自分と木の境目が無くなっていくのです」
「木を削るのは、本当は我や執着を取り除く練習をしているのかもしれません」「どんな
仕事でも、それを通して最後は神仏に出会うものです。その仕事が例え一見必要の
ないもののように見えても、そうだと思います」 堀部さんにとって、仏像を彫ることが、
そのまま求道なのである。
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EDWARD S. CURTIS THE COMPLETE PORTFOLIOS TASCHEN |
100年以上前にインディアンの魂に魅せられたカーティスの素晴らしい
写真を集めたもの。770ページ近くの分厚い本だが、今では見られな
いインディアンの貴重な姿と共にその叫びまで聞こえてくる写真集。
エドワード・S・カーティスは、1868年ウィスコンシン州に生まれ、1900年、三二歳のときに、
北部モンタナ州の平原インディアン、ブラックフット族のサン・ダンス集会に招かれたのをきっ
かけに、インディアン写真家として本格的な活動を始めた。初めの九年間は資金自己負担で
なんとか賄っていたが、そのうち当時の大統領であったセオドア・ルーズベルト等の関心を獲
得し、援助を受けること三〇年を経て、写真と記述による民族誌「北米インディアン」全二〇巻
を完成させた。前世紀末からインディアンは、また新たなる過酷な運命にさらされていた。18
87年のドーズ法により、指定居住区内の土地が個個のインディアンに割り当てられ、部族共
同体の解体によって、生活と文化が破壊されたうえ、白人文化への同化が強制された。カー
ティスの写真は、インディアンの中にはいり、「滅びゆく民」の生活をとどめようというはっきり
とした目的意識のもとに撮られている。そのために、そうしたインディアンをめぐる状況の悲惨
さをえぐるということより、消えゆくものの美と哀感をたくみな構成でとらえることに重点がおか
れている。彼が撮影したどの肖像を見ても明らかなように、被写体はカーティスを深く信頼して
いる。まるで彼のロマンティシズムを、インディアンが共有しているかのようである。もちろん、
そこに、彼ら民族のエトスの永遠の記念碑を築くというカーティスの役割への期待を見てとる
こともできる。「内部記録者によって撮られるべき“滅びゆく”インディアンを、征服者である白
人の側の一人、カーティスが写真機を向けたという根本的な矛盾」(中上健次氏)を抱えつつ
も、あらゆる意味でただの記録ではなく、彼自身による北米インディアンの過去の再構築を
試みたという点において、「北米インディアン」は、インディアンを撮影したその他の写真家の
作品とは明確に区別されるだろう。
「ユリイカ・特集アメリカ・インディアン」1992年3月号 青土社より
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木下陽一写真集 日本カメラ社 |
1980年9月私が22歳の時、初めて長崎の西海の天主堂を巡った一人旅を思い出す。
浦上、大浦、中町という長崎市内の天主堂を出発点として、平戸、紐差、そして五島列島
の堂崎。天草の大江、崎津などを回った。泊まるところなどその場しのぎというもので、宿
がない時は教会の前で野宿した懐かしい旅の想い出は、今となっても色褪せないで心に
刻まれている。この旅を通して、さまざまな天主堂を見たが最も心に強くひかれてしまった
のが黒島の名切天主堂である。私の産まれた佐世保(3歳までしかおらず佐世保の記憶
は全くない、その後奄美大島に移る)から電車に乗り、そして小さな船で一時間ぐらいか
かる。当時ガイドブックにも載っていないところであったが、何故かこの離れ小島にどの
ような天主堂が建っているのかということに関心があった。そしてこの黒島の港からの道
を歩いてしばらくすると、目の前に堂々とした黒島天主堂が眼に入ってきた。この時の感
動の深さは口で言い表すことがとても難しい。そして何故そのように思ったのか自分自身
でもわからないが、将来結婚する人と必ずここを訪れようと強く思ったほどであった。この
夢は4年後に実現するのだが、その時の奇跡的な旅に、私たちは創造主の導きを肌で
感じ取っていた。カトリック教会から離れてしまった今でも、この黒島やさまざまな天主堂
の想い出は私に懐かしい安らぎ与えてくれている。紹介するこの写真集は西海の多くの
天主堂の神々しい姿を伝えてくれる素晴らしいものであるが、そこに秘められた迫害の
歴史と250年も絶えぬいた人々の熱い素朴な信仰をも感じてならない。
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ナショナル・ジオグラフィック写真集 ジョン・G・ミッチェル著 日経ナショナル・ジオグラフィック社 |
世界の一流動物写真家45人の撮った傑作175点を集めた貴重な
写真集であるが、この中には星野道夫、岩合光昭などの日本人写真
家の作品も含まれている。特に冒頭の数枚の写真には何かを感じず
にはいられない臨場感で迫ってくる傑作中の傑作である。
約100年の間、ナショナル・ジオグラフィック誌の誌面を飾ってきた優れた
野生動物の写真は、つねに高い評価を受け、多くの読者を獲得してきた。
新しい千年紀を迎えた今、それらの写真はこの輝かしい写真集にまとめら
れ、動物写真の新たな金字塔として打ち立てられた。現代を代表する写真
家による、動物写真の傑作を175点を収めたこの写真集は、おもわず息
をのむような映像美に満ちている。だが本書の魅力はそれだけにとどまら
ない。本書では、砂漠や海洋、森林、草原など、自然界の王国で、さまざま
な生き物が力強く美しい世界の中で依存し合いながら、なおかつ微妙なバ
ランスを保って暮らす様子を知ることができる。また、野生動物の写真撮影
の技法や、才能ある動物写真家たちのプロフィールも紹介されている。こう
した写真家たちはその鋭い目と卓越した技術を駆使して、あっというまに
姿をくらます動物でもフィルムに収めてしまう。本書に集められた数々の
美しい写真は、砂漠などの過酷な自然から、大小さまざまな生き物がうご
めく自然まで、生態系ごとに分類され、一つ一つの生態系の全体像を捉
え、驚嘆すべき多様性に満ちた地球の生き物の姿を、広い視野から眺め
ることができるように工夫されている。(本書より)
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高田宏・文 阿部幹雄・写真 飛鳥新社 |
木には個性があり長い歳月を生きた老木には存在感、風格があるのだ。
人間にとっての十年が樹木にとって一年、人間と樹木の時間の速さの比率
は十対一ではないか。百歳の人に風格が漂うのと同じく樹齢を千年も重ね
れば、個性的な存在感が滲み出る。ロシア人は「森は元気を与えてくれる。
疲れたら森へ行き大木を抱きしめなさい」と言う。老木と向き合ううちに力
が漲り“安らかなる心”を得たように思う。撮影が終わると拍手を打ち老木
に祈りを捧げる。自然に感謝し僕を支えてくれる家族の健康と幸せ、そして
生と死のはざま、山の世界で亡くなった友たちの霊安らかなこと、遺族の
行く末の平穏を祈るのが習慣だった。そうやって撮影した老大木の写真か
ら四十本を厳選し、高田宏さんが豊かな経験から味わい深い文章を書い
て下さり、飛鳥新社の笹浪真理子さんの尽力で一冊の本になった。僕は
嬉しく思う。(本書・おわりに 阿部幹雄 より引用)
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高田宏・文 阿部幹雄・写真 飛鳥新社 |
美しい自然に抱かれ、精霊や神々と響き合って暮らす島人たちの表情は
生気に満ちている。死や闇の世界が身近にあるからこそ、生はいっそう輝く
のだ。大島、加計呂麻島、与路島、徳之島・・・。失われた日本の原型が、
ここにある。(本書 帯文より)
奄美の美しい自然と、そこに生き、祈る人々を撮った素晴らしい写真集です。写真も
素晴らしいのですが、序文にある「奄美・・・現代と古代が同居する“すべてが美しい島”」
を書いた小林照幸さんの言葉がまた比類なき輝きを湛えています。この言葉を読んで
改めてこの写真の数々を見ると、よりその深みが肌を通して理解できるのではないで
しょうか。少し長くなりますが、この小林さんの文を掲載しましたのでお読みくだされば
幸いです。私の父は船乗りでしたので、ユタが真剣に海に祈りを捧げている姿が心に
残ります。この奄美で幼少の頃を過ごした大ばか者の私は、本当は幸せ者かもしれま
せん。多くの人にこの写真を、そして言葉を見て読んでもらいたいです。
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日経ナショナル ジオグラフィック社 |
ナショナル・ジオグラフィックという114年の長い歴史を持つ雑誌。その掲載された
数多くの写真の中から傑作を100枚選んだベスト版である。人間、動物、自然、魚、
あるいは海底で見つかったタイタニックなど、写真が見つめた対象物の奥行きの深
さは、心に突き刺さり、沈黙の中で何かが声を発して私に語りかけているという錯覚
に陥る。そしてそれは私自身もまた、ここに生きているということを実感させてくれる
ものである。
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日経ナショナル ジオグラフィック社 |
どんな動物でも、幼い子どもはいとおしくてかわいらしい。そして、母親と子どもを
結びつける深い愛情ほど、すばらしいものはない。だが幼い生命はとてもか弱い。
食うか食われるかの闘いや、飢え、寒さ、渇きなど、予測のつかない危険が子ども
たちを待ちかまえている。手助けしたくなるのも当然だが、どんなに無力であって
も、動物の子どもは、太古から続いてきた進化の結晶をしっかりとうけついでいる。
動物の子どもたちの生きものとしてのすばらしい潜在能力はすぐに開花して、空を
飛び、獲物をつかまえ、水中を泳ぎ、陸を走るようになる。動物の子どもははかりし
れない可能性を秘めていて、私たち人間もその気になれば、彼らから学ぶことが
たくさんある。この本は、さまざまな種類の動物の生態はもちろん、詩情あふれる
姿も描き出す。動物の子どもがくぐりぬける冒険や試練、そして成長の過程を通し
て、私たちは豊かな地球をつくりあげた自然の複雑さ、厳しさ、そして美しさに触れ
るはずだ。
(本書より引用)
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| 木下陽一写真集 海鳥社 |
木下陽一氏が自分のライフワークとして隠れキリシタンの里にある天主堂を
撮り続けたものですが、この「天主堂物語」はその集大成と言えるものだと思い
ます。木下氏は遠藤周作の「沈黙」を読んで、隠れキリシタンの歴史に関心を持
ち、迫害が終わった後に隠れキリシタン達が建てた天主堂を追い続けてきまし
写真の秀逸さは勿論のこと、その被写体を通して、祈りや長い苦難の歴史を感じ
させてくれるものです。長い迫害の歳月をじっと絶え忍んできた隠れキリシタン、
そして形は違う迫害に今も苦しめられ続けている世界各地の先住民の方たち。
迫害する側に共通しているのは、国家による独裁政治の秩序維持あるいは物質
的利益のため、人々の心の自由を奪い取ってきたということかも知れません。
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長倉洋海写真集 福音館書店 |
世界各地の紛争地で見た大地と地球の明日。それは子どもたちの微笑み、笑顔を通し
て垣間見ることができるのかも知れない。長倉洋海氏のこの写真集はこのことを雄弁に、
そして心の底からの安らぎと喜びを感じながら訴えかける。このような写真を撮ることが
できるのは、長倉洋海氏自身が子どものような純粋さを持っているからこそかも知れな
い。紛争地での苦しみ、悲しみの中で必死になって生きている子どもたち。そしてその
中においても微笑み、笑顔を忘れない子どもたち。彼らはきっと明るい未来への希望を
無意識の中で追い求めているのだと思う。しかしだからこそ、そのような子どもの眼か
ら大人たちは希望の光、微笑みを奪い取ってはいけないのだ。そのことを強く思う。
1980年以来、ぼくは世界のさまざまな紛争地を訪れてきた。戦争、破壊、虐殺、・・・・
目をそむけたくなるような悲惨なできごとが、数多くあった。が、今ぼくの心に強くよみが
えってくるのは、出会った子どもたちが見せてくれた笑顔----つらい現実に打ちのめさ
れた暗い表情ではなく、逆境をはねのける、たくさんの笑顔だ。どこか突きぬけたよう
な、明るい笑顔やおだやかな微笑みは、いつもぼくをふしぎな気持ちにさせた。1980
年、ソマリア・エチオピア国境の難民センター。路上のやせ細った少女を撮ろうと近づい
たとき、少女はぼくを見上げ、ニコッと微笑んだ。いかにも難民らしい悲しげな写真を撮
ろうとしていたぼくは、はっと虚をつかれる思いがし、自分が恥ずかしくなった。南アフリ
カでは、一年に三日だけの故郷で休暇を終え、仕事にもどる金鉱労働者の夫を送り出
す妻の、気丈な笑顔にも出会った。侵攻したソ連軍やイスラム原理主義勢力タリバーン
に抵抗した、アフガニスタンのイスラム戦士マスードが、詩に親しみ花を愛でるときに見
せた、やさしい笑顔も忘れられない。文化や言葉、住む環境がちがっていても、相手の
笑顔を見るとほっとした。同じ人間なんだと感じられたとき、おたがいをへだてていた
“壁”が、すぅーと消えていった。いくつもの笑顔に出会い、励まされ助けられるうちに、
カメラをかまえるぼくにも、笑みが自然に湧いていた。微笑みを交わすことは、国境や
民族などのちがいを一瞬で超える、最高のコミュニケーションだった。つらいからこそ、
笑顔をうかべてみる。深い悲しみをくぐったからこそ、笑顔をいとおしみ、ほかの人に
やさしくできる。困難をのりこえた笑顔が、微笑みが、人の胸にしみ入り、静かにひろ
がっていく。そこから生まれる心の平安が、いつしか世界のほんとうの平和につな
がっていく・・・・と、僕は思う。どんなときでも、まっすぐに相手を見つめ、微笑む子ど
もたち。その笑顔を失わないおとながカッコいい。ぼくもそんな大人になりたい----
と思いながら、これからも写真を撮っていく。少しぎこちないけど、精いっぱいの微笑
みとともに。 2004年11月 長倉洋海
(本書 あとがき より引用)
同じ著者による写真集「人間が好き」アマゾン先住民からの伝言を参照されたし。
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酋長シアトルからのメッセージ 絵 スーザン・ジェファーズ 訳 徳岡久生+中西敏夫 JULA出版 |
酋長シアトルの有名な演説は、部族の土地を手放すさいに、アメリカ政府と条約を
結ぶ場で行われたものである。人と自然との一体を説き、白人との平和を願うその
言葉は、年月を経るなかで何度も書きかえられ、また書き加えられたりもしている。
スーザン・ジェファーズの繊細だが力強い絵は、悲しみと希望を織りこんだ複雑な
情景をえがきだしていて、酋長シアトルの演説との組み合わせによってできあがっ
たこの絵本は、現代社会に生きるわたしたちにとって、あたかも警告と予言の言葉
のように鳴り響いき、時を得た説得力あるものとなっている。・・・・・・・・
(アメリカの書評誌「ホーン・ブック」より)
この感動的な絵本はアメリカ書店業協会賞(ABBY賞)を受賞したものですが、その
絵の素晴らしさは、首長シアトルの言葉と見事に共鳴しあって読者を「あるべき世界」
へと導くものです。是非多くの方に、そして未来を担う子供たちに読んであげて下さい。
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イエルク・シュタイナー 文 イエルク・ミュラー 絵 大島かおり訳 ほるぷ出版 |
傑作。物質文明の危機とその文明の名の下に搾取された人々の物語だが、人間の
暖かさと未来を感じさせる。構想力と絵が一体化しており、その表現力は胸を打つ。
この絵本はインディアンという特定の人々を主人公にして書かれていない。
世界各地の先住民族がもつ、大地に根をおろして生きることの大切さを切々
と訴えている。素晴らしい絵本であると共に、現代の人間優位の物質文明に
犯されている我々への警鐘の書でもある。是非読んでいただきたい。・・
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ジブュレ・フォン・オルファース著 生野幸吉 訳 福武書店 |
大地の母のはたらきや、土の匂いが女性らしい柔らかい絵の中に、生き生きと
表現されている。この本の著者は20代で修道院に入ったのちも絵の勉強を続
け、1916年第一次世界対戦の最中、肺をわずらい、34歳でこの世を去りました
が、アッシジの聖フランシスコと同じように大地からの贈りものに、畏敬と感謝
を持った方であったような気がします。大地に根をおろした作品。・・・・・
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トミー・デ・パオラ 作 湯浅フミエ訳ほるぷ出版 |
少年ジョバンニは、なんでもお手玉のように空中に投げ飛ばす特技を認められ、
旅芸人に加わる。その評判はイタリア中に広まるが、月日が流れ年老いてくる
と喜んでみてくれる人は少なくなり、ジョバンニは村を追われる。よその家の軒
下に眠り、パンをめぐんでもらいながらジョバンニは故郷ソレントへ帰るが、ある
教会にもぐりこみ寝入る。その日はクリスマス・イヴで多くの人が聖母に抱かれ
た御子イエスの像に、ささげものを持って長い行列を作っていた。そして時が過
ぎ、一人教会に残されたジョバンニは像の前に近づき悲しそうなイエスを見る。
教会に残されたジョバンニは像の前に近づき悲しそうなイエスを見る。ジョバンニ
は古い衣装をひっぱりだし、道化の化粧をすませると、あの昔多くの人が喜んで
見た芸を始める。それはこれまでにないほどの出来栄えで、いろいろな色の玉が
高く高く回り続ける。「あなたに、神の御子イエスさま、あなたにささげます」と
声をふりしぼって言い、年老いたジョバンニは息絶えてしまう。しかし、にっこり
ほほ笑んでいるイエスの手にはしっかりと金色の玉が抱かれていた。・・・・
トミー・デ・パオラはこの作品の他に、「ヘルガの持参金」「まほうつかいの
ノナばあさん」などがあり、その独特な絵のタッチは印象深いものがある。
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寮 美千子 編・訳 篠崎正喜 画 パロル舎 |
シアトル首長の手紙(”インディアンの言葉”参照されたし)に美しい篠崎さんの
絵が18枚、収められている。相模原で篠崎さんの原画展があったが、それは
それは新鮮な空気を肺一杯吸い込んだような爽やか気持ちだった。なお、シア
トル首長の手紙の言葉は人の手から手へと伝えられた為、いくつかの異なった
ものが出ているが、寮さんが訳したものも深い感動を覚える。またこの素晴らし
い絵本が、CD-ROM版として発売されたが、原画に近い発色をしており、実に
見事な出来栄えである。心にいつまでも残る言葉と絵画である。・・・・・
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バーナード・ベンソン著 寺家村 博 訳 ・ 寺家村 和子 監訳 YMCA出版 |
主役の子供が、平和とは何か、そして平和はどうすれば手に入れることが出来るのかを
探ろうとし、三人の大統領と話し合う物語。子供にも読めるやさしい文体だが、大人にも
是非読んでもらいたい作品である。本書は20か国以上の国々で翻訳出版されている。
子ども用の絵本の体裁をとってはいるが、大人が読んでも胸をゆさぶられるような迫力
がある。「自分たちも何かをしたい」という人たちの輪が広がり始めている。・・・天声人語
私は世界の人びとがひとりひとり、この「平和の本」の少年に心をひらくことを願ってやみ
ません。・・・・ヨハネ・パウロU世
これはとても読みやすい本です。文章はやさしいし、その上、たくさん絵が入っています。
どんな内容かというと、平和と、その平和をどうすれば手に入れることができるかが書
かれています。そして主役は子供たちです。「なんだ、それじゃ子供向けの夢物語か」
とおっしゃる方がいるでしょうが、それはとんでもない誤解です。これはむしろ大人にお
すすめしたい思想書です。深くて大切なことを、やさしく書いてあるのです。それからお
話がとてもおもしろい。主人公の少年が3人の大統領と交わす会話などは、思わず手
に汗をにぎってしまいます。そしてなによりもこれは祈りの本です。どのページからも地
球40億人の人間の切ない祈りが聞こえてきます。その声がひとつにまとまれば世界
はきっと変るでしょう。驚いたことに、この本はその方法まで書いてあるのです。
井上ひさし(作家)
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ジャン・ジオノ原作 フレデリック・バック絵 寺岡訳あすなろ書房 |
「人びとのことを広く深く思いやる、すぐれた人格者の行いは、長い年月をかけて
見定めて、はじめてそれと知られるもの。名誉も報酬ももとめない、まことにおく
ゆかしいその行いは、いつか必ず、見るもたしかなあかしを、地上にしるし、の
ちの世の人びとにあまねく恵みを施すもの。」 という言葉から、この魂の偉大さ
、寛大さ、不屈の精神に満ち溢れた物語が始まる。一人の男が、その肉体と
精神をぎりぎりに切りつめ、荒れはてた地を、幸いの地としてよみがえらせる。
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原作・宮沢賢治 影絵と文 藤城清治 講談社 |
私が影絵に最初に出会ったのがこの絵本「銀河鉄道の夜」を通してだった。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が大好きだった私は、ある本屋でこの本を見た
瞬間、今まで見たことがない光と影がかもしだす奥の深さに魅入られてしまっ
た。影絵とは言えないかもしれないが、昔、電灯の光を利用して手で壁に鳥
や動物を映し出されたのを見て、単純素朴ながら光と影の不思議な世界を見
た頃の思い出がよみがえってくるようだった。
【影絵劇「銀河鉄道の夜」受賞歴】
1956年度国際演劇参加読売児童演劇祭奨励賞、日本ユネスコ協会連盟賞受賞、
1982年文化庁芸術祭優秀賞受賞、影絵劇を撮影し、講談社より出版された絵本
「銀河鉄道の夜」(2006年12月時点で52刷)が1983年チェコスロバキアの国際絵本
原画展BIB金のリンゴ賞受賞
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葉 祥明・絵 / 柳瀬 房子・文 自由国民社 |
ボスニア・ヘルツェゴビナには今、推計300万個、旧ユーゴ全体では1000万個を超え
る地雷が埋められているといわれています。その地雷を全部撤去するのには膨大な時間と
費用がかかり、どこに埋められているかもはっきりしないのです。農作物も全く作れません
。そして、子供たちは遊び場を奪われ、危険に身をさらしているのです。特に困るのは、
お菓子やチョコレートに似せたような地雷がたくさんばらまかれていることです。卵型のチ
ョコレートの中に小さなおもちゃの入っている<キンダー・エッグ>というお菓子があるの
ですが、それにそっくりな地雷までまかれているのです。アイスクリームの形をした地雷、
ヘリコプターなどおもちゃの形をした地雷などもあるのです。旧ユーゴでの戦争は、「民族
浄化」などという恐ろしい言葉が使われるほど残虐な戦争でしたが、とりわけ、何の責任
もなく、何も抵抗できない子供をねらった地雷を私はとても許すことができません。・・・
同著「チョコレート地雷やぬいぐるみ爆弾も」 ユニセフ親善大使 黒柳徹子 本書より抜粋
地雷の悲惨さについて詳しく紹介しているサイト「天使になりたい」を是非ご覧ください。
「朝の光の中で St. FRANCIS OF ASSISI」葉祥明著 愛育社
「アッシジの光」」葉祥明 詩・絵 英仏訳 マリアの宣教者フランシスコ修道会 自由国民社
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ヴィンフリード・ヴォルフ 文 ナタリー・ドロシー 絵 永野ゆう子 訳 ほるぷ出版 |
ひとりぼっちのインディアンの男の子リトル・ムーンは、両親と生き別れ村の人々からも
相手にされません。それはリトル・ムーンがこの村の仲間ではなかったからです。ある日
村の人はリトル・ムーンを残して出発してしまいます。リトル・ムーンは旅の途中で一人
のおばあさんに会い、長い冬をこのおばあさんと過ごします。そして別れの最後の日に、
おばあさんはリトル・ムーンに歌を唄って聞かせました。それは強くて勇敢な、そして人
を大切にするリトル・ムーンを称える歌でした。リトル・ムーンはまたひとりぼっちになっ
てしまいましたが、その胸に明るく大きな力が湧いてくるのを感じたのでした。・・・
インディアンの人々が他の部族の出身の人に対しても、分け隔てなく自分たちの家族と
して受け入れる優しい人々であったことはよく知られていることですが、この絵本の中
の設定はその逆です。また「おおかみ」に関しても、その狂暴さを強調しすぎている(北
米の狼は人間を襲わないということ)きらいはありますが、全体的に見てリトル・ムーン
の清らかな視点に、静かな感動を覚えてしまいました。・・・・・・・・・・・・・・
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ポール・ゴーブル文・絵 北山耕平訳 河出書房新社 |
とても美しい男と女のラブ・フルートにまつわる愛の物語。そしてその中に
もインディアンの精神世界がちりばめられている素晴らしい絵本ですが、
この本のもととなっているのがサンテ・ダコタ族に伝わる伝承「求愛の笛の
起源」というものです。じつに心あたたまる物語です。
昔は、夏の晩ともなると、縦笛の調べが聞こえてきました。愛の歌です。
周囲の松におおわれた山々や、草の生い茂る丘のあいだから、円陣
をなして建てられているティピの輪の中に、それは、そよ風にのって運
ばれてきました。そこでは若者たちが、愛する娘を思いながら、ラブ・
フルートを奏でています。娘たちは、両親の目が光っているにもかか
わらず、ティピのなかで、それが自分のことをいとおしく思う若者の奏
でている旋律であることを、知っていました。でも、いくら愛しあってい
ても、夜、陽が落ちてからは、ふたりが、いっしょにいることはゆるされ
ません。だから、縦笛の調べのなかで、ふたりのスピリットはひとつに
溶けあうのです。 (本書より)
「ネイティブ・マインド」、「ローリング・サンダー」、「インディアン魂(レイム・ディア)」、
「シャイアン・インディアン 祈り」、「虹の戦士」など数多くのインディアンに関する文献
を書いておられる北山耕平さんと奥様によるホームページです。このページにはホピ族
の指導者であったダン・カチョンバの「生命の始まりから浄化の日まで ホピ物語」全文
が掲載されています。また「セイクリッド・ウエスト/ SACRED WEST」を通してインディアン
並びにそれを取り囲む世界を知ることが出来るでしょう。他に奥様によるアメリカの砂漠
と太平洋のロタ島の旅行記も興味深いものとなっています。私自身北山耕平さんから、
「リトル・トリー」の真実をはじめ、多くのことを教えていただいたことを感謝しています。
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トミー・アンゲラー作 いまえ よしともやく 偕成社 |
黒マントに黒い帽子をかぶった、泥棒の三人組。しかし、意地悪なおばさんの所へ
行く孤児の女の子を、唯一のえものとして連れ帰ってしまったときから始まる心暖
まる美しい物語と挿絵。
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豪華愛蔵版 シリーズ全6巻 絵馬師 殿村進 宙(おおぞら)出版 |
生きる勇気と希望が湧いてくる言葉が、素朴なお地蔵さんの絵と共に心に響いてやまない
素晴らしい本です。この六冊に収められている言葉は勿論のこと、その言葉に添えられて
いるお地蔵さんの絵と、優しく力強い書体には心を打たれてしまいます。つらく悲しく、苦し
い時、どうかこの本から生きる勇気と希望を見つけてください。
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エルズビエタ作 こやま峰子訳 朔北社 |
子供の視点から見た戦争とは一体何だろう。それはきっと敵をやっつけるもの
ではなく、本書に書いてあるように、戦争そのものがどこかにいってほしいと思う
ものなのかも知れない。子供の目から見た戦争を素朴な絵を通して語りかけて
くる本書は、平和と寛容の精神を描く世界の絵本展に出品され、世界12カ国で
翻訳されています。
フロンフロンは、おがわのむこうがわに くらす
ミュゼットと、とても なかよし。
あるひ せんそうが はじまり、
おがわのほうには、いばらのかきねがはられてしまいました。
もう ミュゼットに あうことができません。
(本書・帯文より)
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ベッテ・ウェステラ作 ハルメン・ファン・ストラーテン絵 野坂悦子訳 金の星社 |
2001年ブラティスラヴァ世界絵本原画展で「金のりんご賞」を受賞したこの
絵本は、生と死を見つめながらも、その素朴な物語と絵によって読後に爽や
かな感動をもたらしてくれる。たとえ体は無くなっても、その人が生きた記憶
は残された者たちの心の中に生きつづけることを改めて感じさせてくれる作
品である。