
「アマゾンの白い酋長」
マイク・ティッドウェル著 吉嶺英美訳 翔泳社より引用



米国のジャーナリスト、マイク・ティッドウェルがエクアドル南部のアマゾンにおもむき、
コファン族と石油資本の闘争、コファンの人々との交流、そして米国人とコファンの間
を揺れ動き、ついにはコファンの酋長としての人生を選ぶ米国人、ランディ・ボーマン
の人間像を綴ったノンフィックション。 (本書より引用)
訳者あとがき 吉嶺英美 より抜粋引用
本書は、ノンフィックションでありながら、冒険小説のような展開を見せる。石油会社による
自然破壊の脅威、自分たちの生活の場を守るために闘うコファン・インディオ、彼らを率い
る白人酋長ランディと石油会社との攻防。このようなストーリー全体の物語としての面白さ
もさることながら、本書の魅力は著者の語り口によるところが大きい。この物語は「本当は
こんな問題に首を突っ込みたくなかったのに」と後悔しきりの著者のぼやきで幕を開ける。
インディオたちのやりとりや、西洋の現代人である自分がジャングルでいかに無力かを語
るときの抑制のきいた、時として皮肉まじりのユーモア。そして、インディオたちが失ってし
まった、または失いつつあるものに思いを馳せるときの感傷的な口調。訳者としては、スト
ーリー展開同様に雄弁な語り口をできる限り日本語に反映したいと願ったが、それが達成
されたかどうかは読者の判断に任せるよりほかはない。私がクスリと笑った場所で皆さん
が笑い、しんみりとした場面で同様に感じていただければこれほど嬉しいことはない。