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M87銀河の中心(ブラックホール)から遷光速で吹き出すジェット

ハッブルスペース望遠鏡最新画像のページ


まずブラックホールとは何だろう。このことから話しを始めようね。太陽の質量の30倍以上もある

恒星が死に向うとき、それは赤色超巨星を経て超新星爆発を起こすんだ。この時、星の中心部は、

一瞬のうちに内側に向って縮み、光さえ抜け出せないほど想像を絶する重力に支配されてしまうん

だ。この重力がどれほどの凄いものか次のたとえで考えて見ようね。太陽や地球はブラックホール

になることは出来ないけれど、もし無理矢理ブラックホールにしようとすれば、地球を直径約2cmの

ボールに、太陽は直径3kmに押しつぶさなければならないんだ。ピンポン玉よりも小さいボールが

地球と同じ質量を持つことになるんだね。如何に想像を絶する世界か少しは理解できたかな。では

どうしてブラックホールであるかどうかがわかるのだろう。この光さえ抜け出すことが出来ない世界

の存在に何故天文学者は気づいてきたのか。それはブラックホールの近くにある星からの情報で

わかるんだ。ブラックホールの近くの星は、その巨大な重力により吸い込まれてしまう。実はこの時、

この恒星の外層のガスは円盤状に回転しながらブラックホールに落ち込んでゆくんだけど、このガス

はとてつもない高温になっており、独特のX線を出すんだね。この独特のX線を見つけるということ

は、即ちそこにブラックホールがあるという証拠になるんだ。ところで、私たちの銀河系の中心にも

ブラックホールがあるんだよ。太陽の質量の200万倍という巨大ブラックホールの存在は以前から

言われていたけれど、その正確な場所が特定されたんだ。場所は「射手座A」のすぐ近くだ。この

「射手座A」と呼ばれる電波源の近くにある3つの星の位置変化を4年間かけて観察した結果、これ

らの3つの星はブラックホールの周囲を周回しており、それらの速度の変化を精密に求めたところ、

これまで考えられていたブラックホールの位置と完全に一致し、改めてそれが証明されたんだ。さて

それでは上の画像を見ていこうね。


宇宙のサーチライトのような M87からはじき飛ばされているジェットの画像だよ。おとめ座に位置

するM87は、地球から6300万光年も離れている楕円銀河だけど、この銀河を約1000個の球状

星団が取り囲んでいるんだ。それがこの画像の中では黄色いもやに光る、星のように見えるものな

んだ。何十億もの星たちの輝きがこの画像に映っているけれど、何しろ6300万光年も離れている

から、詳しく分解することは出来ないんだよ。さて、左上にとても輝いている光はM87の中心を形

作るとても大きな球状星団なんだ。そしてこの中にはなんと、私たちの太陽の質量の30億倍程度の

超巨大なブラックホールが存在しているんだ。このブラックホールから光速に近い速度の宇宙ジェッ

トがはじき飛ばされている。このジェットの長さは5000光年と言われており、この銀河から延びる

奇妙な直線状の光に気付いたのが1918年のことなんだよ。その後電波天文学が発達するように

なって初めて、M87から電子や陽子がはじき飛ばされているものだとわかったんだよ。でも何故

ブラックホールからジェットが出ているのだろう。これは私にはとても難しすぎてさっぱりわからない。

科学者たちはブラックホールの周囲にはねじれた強力な磁気圏があり、高密度のプラズマ雲が渦

巻き、そのプラズマ雲内の電子などがブラックホールの磁気圏との干渉により加速され吹き出して

いると考えられている。このような現象の過程を「シンクロトロン放射」と言われているんだ。この

M87という銀河の中心部のガス全体が秒速550kmという高速度で回転しているんだけど、その

ガスの中に超巨大なブラックホールが存在している証拠が発見されおり、おとめ座Aという電波源

としても良く知られているものなんだ。さて、ここでとても有名な銀河ケンタウルス座Aを見てみよう

ね。下の画像がそれなんだけれど、左側がケンタウルス座Aで右側がその中心部を拡大したもの

だよ。このケンタウルス座Aは地球から1000万光年離れている銀河だけど、この中心部に巨大

なブラックホールがあることが明らかとなったんだ。暗黒帯の縁の青白い点は生まれたての青白

い恒星からなる星団だ。またこのケンタウルス座Aは、小型の渦巻き銀河と大型の楕円銀河が衝

突したものと考えられているんだ。





下の画像は、電波望遠鏡で観測したジェット流と可視光を合成したもので、ジェット流が

左上から右下に広がっているのがわかるよね。そしてこの中央に太陽の10億倍の質量

もの巨大ブラックホールがあると考えられているんだけど、その正確な質量はブラック

ホール近くのガスの速度を測定しなければならないんだ。





下の画像はケンタウルス座Aの巨大ブラックホールの模式図だよ。この図を見ると、

巨大なガス円盤の中央のブラックホールから強力なX線が放射されているのが良く

わかると思うし、ケンタウルス座A(NGC5128)の全体の構造も理解できるね。









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