未来をまもる子どもたちへ


Astronomy Picture of the Day Archive APOD: 2017 March 27 - Black Hole Accreting with Jet



M87銀河の中心(ブラックホール)から遷光速で吹き出すジェット

ハッブルスペース望遠鏡最新画像のページ


まずブラックホールとは何だろう。このことから話しを始めようね。太陽の質量の30倍以上もある

恒星が死に向うとき、それは赤色超巨星を経て超新星爆発を起こすんだ。この時、星の中心部は、

一瞬のうちに内側に向って縮み、光さえ抜け出せないほど想像を絶する重力に支配されてしまうん

だ。この重力がどれほどの凄いものか次のたとえで考えて見ようね。太陽や地球はブラックホール

になることは出来ないけれど、もし無理矢理ブラックホールにしようとすれば、地球を直径約2cmの

ボールに、太陽は直径3kmに押しつぶさなければならないんだ。ピンポン玉よりも小さいボールが

地球と同じ質量を持つことになるんだね。如何に想像を絶する世界か少しは理解できたかな。では

どうしてブラックホールであるかどうかがわかるのだろう。この光さえ抜け出すことが出来ない世界

の存在に何故天文学者は気づいてきたのか。それはブラックホールの近くにある星からの情報で

わかるんだ。ブラックホールの近くの星は、その巨大な重力により吸い込まれてしまう。実はこの時、

この恒星の外層のガスは円盤状に回転しながらブラックホールに落ち込んでゆくんだけど、このガス

はとてつもない高温になっており、独特のX線を出すんだね。この独特のX線を見つけるということ

は、即ちそこにブラックホールがあるという証拠になるんだ。ところで、私たちの銀河系の中心にも

ブラックホールがあるんだよ。太陽の質量の200万倍という巨大ブラックホールの存在は以前から

言われていたけれど、その正確な場所が特定されたんだ。場所は「射手座A」のすぐ近くだ。この

「射手座A」と呼ばれる電波源の近くにある3つの星の位置変化を4年間かけて観察した結果、これ

らの3つの星はブラックホールの周囲を周回しており、それらの速度の変化を精密に求めたところ、

これまで考えられていたブラックホールの位置と完全に一致し、改めてそれが証明されたんだ。さて

それでは上の画像を見ていこうね。


宇宙のサーチライトのような M87からはじき飛ばされているジェットの画像だよ。おとめ座に位置

するM87は、地球から6300万光年も離れている楕円銀河だけど、この銀河を約1000個の球状

星団が取り囲んでいるんだ。それがこの画像の中では黄色いもやに光る、星のように見えるものな

んだ。何十億もの星たちの輝きがこの画像に映っているけれど、何しろ6300万光年も離れている

から、詳しく分解することは出来ないんだよ。さて、左上にとても輝いている光はM87の中心を形

作るとても大きな球状星団なんだ。そしてこの中にはなんと、私たちの太陽の質量の30億倍程度の

超巨大なブラックホールが存在しているんだ。このブラックホールから光速に近い速度の宇宙ジェッ

トがはじき飛ばされている。このジェットの長さは5000光年と言われており、この銀河から延びる

奇妙な直線状の光に気付いたのが1918年のことなんだよ。その後電波天文学が発達するように

なって初めて、M87から電子や陽子がはじき飛ばされているものだとわかったんだよ。でも何故

ブラックホールからジェットが出ているのだろう。これは私にはとても難しすぎてさっぱりわからない。

科学者たちはブラックホールの周囲にはねじれた強力な磁気圏があり、高密度のプラズマ雲が渦

巻き、そのプラズマ雲内の電子などがブラックホールの磁気圏との干渉により加速され吹き出して

いると考えられている。このような現象の過程を「シンクロトロン放射」と言われているんだ。この

M87という銀河の中心部のガス全体が秒速550kmという高速度で回転しているんだけど、その

ガスの中に超巨大なブラックホールが存在している証拠が発見されおり、おとめ座Aという電波源

としても良く知られているものなんだ。さて、ここでとても有名な銀河ケンタウルス座Aを見てみよう

ね。下の画像がそれなんだけれど、左側がケンタウルス座Aで右側がその中心部を拡大したもの

だよ。このケンタウルス座Aは地球から1000万光年離れている銀河だけど、この中心部に巨大

なブラックホールがあることが明らかとなったんだ。暗黒帯の縁の青白い点は生まれたての青白

い恒星からなる星団だ。またこのケンタウルス座Aは、小型の渦巻き銀河と大型の楕円銀河が衝

突したものと考えられているんだ。


 






2012年12月7日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した写真です。



(大きな画像)

ベルセウス座銀河団(写真は他のサイトより引用)



ベルセウス座銀河団(Abell426)は、地球から2億2000万光年離れたところにありますが、この銀河団が

位置するペルセウス座は皆さんご存知のカシオペヤ座に近いところにあります。



以前も投稿しましたが、このペルセウス座にある裸眼でも見ることができる星・アルゴルは、明るさを変

える星だったため古代のアラビア人は「悪魔の星」と呼んでいました。



この「悪魔の星」を美しい物語に変えたのは、約220年前に22歳の若さでなくなったグッドリックでした。



ろうあ者だったグッドリックは、このアルゴルの変光を追い続け、暗い星がアルゴルを公転していると

推察したのです。



写真のペルセウス銀河団はこの「美しい星」アルゴルの近くにありますが、望遠鏡でしか見ることができ

ません。



ところで、写真中央に見える(私は何処だかわかりません)小さな銀河NGC1277に、この銀河全体の

14%にも及ぶ超大質量ブラックホールが見つかったそうです。



私たちの天の川銀河の10分の1しかないNGC1277なのですが、普通の銀河におけるブラックホールの

質量は0.1%だけに対し、この銀河は14%も占めてしまいます。



太陽170億個分の質量を持つNGC1277のブラックホールの吸い込み口は、太陽系にあてはめると海王

星の太陽周回軌道の11倍以上にも及びます。



米天文学者は、「本当に風変わりな銀河。ほとんど全てがブラックホールでできている。銀河系とブラック

ホールの新分類に属する最初の天体かもしれない」と話しましたが、ひょっとしたら史上最大のブラック

ホールかも知れないとも言われています。



しかしペルセウス座銀河団、その姿はまるで宝石をちりばめたような美しさですね。



☆☆☆☆




天空の果実 に戻る







双眼鏡で見る春の星空 双眼鏡で見る夏の星空

双眼鏡で見る秋の星空 双眼鏡で見る冬の星空

天体観測に適した小・中口径の双眼鏡

天体観測に適した大口径の双眼鏡

(映し出されるまで時間がかかる場合があります)

いい双眼鏡とはどんなもの

雑記帳(魅せられたもの)

神を待ちのぞむ

天空の果実


「天空の果実」に戻る