「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」

スーザン・小山著 三一書房 より

全国学校図書館推薦図書









さきにちょっと言及したディー・ブラウンの「我が魂を聖地に埋めよ」は米国内外で

大ベスト・セラーになったもので、アメリカン・インディアンに同情的であるその姿勢は

この忘れ去られた人人に主流社会の認識を向けるうえでおおいに役立った。だが、

その一方で、この本を読んだ人々は、インディアンはこの本に描写されている数々の

征服戦争によって完全に死に絶え、今はもういなくなったという錯覚と誤解を受ける

場合が少なくなかった。だが、それはあくまでも錯覚と誤解で、インディアンは今でも

立派に生きている。生きて、圧倒的な多数を誇る征服者白人の作りあげた国家の

なかで、自分の存在証明を樹立するために必死の格闘をしている。そこで私は、19

世紀に死に絶えたと一般に考えられているインディアン文化は今でも脈々と存続して

いるのみならず、いま盛んな復興を経験しているという事実を縦糸に、白人の政策

によって抹殺されそうになったその文化を見て行くことによって、米国原住民、特に

この広大無辺な草原に住んだ「平原インディアン」とはどういう人々なのかを知って

いただくことを目的にしてこの本を書いた。しかしそのためには1890年の「ウンデ

ッド・ニーの虐殺」に至った歴史を見て行くことも必要だと考え、後半は文化というよ

りも歴史の方面に主力を集中した。前半をしめるのが文化的側面の描写だが、そ

れらを調べて行くうえでどんどん深まって来た確信は、彼等と日本人のあいだには

さまざまな共通点がある、ということだった。日本からやって来てこの白人の国に

住むようになった自分としては、白人社会よりもインディアン文化のなかにさまざま

な共通点と親近感を見いだし、日々の暮らしのなかで、文化の違い対する緊張は

原住民文化によって癒されることに気づいたのだった。そこには日本人の信条(ま

たは心情)に通じた側面がある、という事実は新鮮な驚きと喜びだった。つまりそこ

には近代工業化によってどんどん失われてゆくもの、日本人が本来もっていた民族

の魂に共通するなにかが存在するのである。そこでこの部分は、そういう日本人と

の共通性を強調したい、という趣旨をもって描写して見た。対象としては、アメリカン・

インディアンとひとくちに呼ぶ人々だが、そこにはさまざまに異なる言語と文化社会

構造があることをかんがみ、そのなかでももっとも有名な部族、北米原住民の精髄

ともいうべき「平原部族」に焦点をあてて見た。共通点を見いだしていただければ

さいわいだと思う。 (本書・序章より)







スーザン小山の本場アメリカンインディアンホームページ

コロラド州在住の著作家、アメリカ・インディアン研究家、スーザン小山さんが新たにホーム

ページを創りました。スーザン小山さんは多くのインディアンに関する書籍を出版し日本に紹介

しておられる方で、「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」並びに「大草原の小さな旅」は全国

学校図書館推薦図書に選ばれた文献で、その他にも「インディアン・カントリー 心の紀行」

「白人の国、インディアンの国土」があります。特に「アメリカ・インディアン 死闘の歴史」は、

平原インディアン(ダコタ・シャイアン・アラバホ・クロウ族)の終焉の物語を描いた力作です。

また、西欧でベストセラーになり、来日し講演したこともあるインディアンのロス博士の著作

「我らみな同胞」をも翻訳されております。このスーザン小山さんの総合ホームページの中の

「アメリカインディアンの歴史と文化のページ」では、興味深い記事が掲載されており、「環境

破壊ページ」では、絶滅動物が写真と共に詳しく紹介されています。私自身スーザン小山さん

から多くのことを教えていただいたり、何度となく励ましを受けてきました。このホームページ

はスーザン小山さんのそのような飾ることのない、温かい人柄を感じさせてくれます。




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