
「実戦的スタディ集」
チェス・クラシックス2
ハンス・ボウメスター著
水野優 訳 チェストランス出版




「スタディとは、原則として白が先手で勝ち
かドローにする解答手順を求める終盤局面
問題である。作局家やファンにとって、スタ
ディは芸術作品でもあり、独創性の高いもの
ほど評価される」(本書より引用)
私自身正直この文献を読むまではスタディ
にあまり関心を示していなかったが、この
文献に登場する幾つかの作品を並べて、
その深遠さ、芸術性に感心させられてし
まった。そしてこの文献に収められたスタ
ディの実戦的な駒の配置は、著者の意図
する通り違和感なく取り組むことができる
し、実戦でも役立つものだと思う。
またチェス文献の造詣が深い水野氏の
サイト「チェストランス」は、チェスの文献
など豊富な紹介をしており、私ののページ
より遥かに充実しており勉強になるはず
だ。水野氏は今後も、有名な海外のチェス
本を翻訳する予定らしいが、非常に期待
しているし陰ながら応援したい。
(K.K)
水野優さんが訳されたチェスの文献
「チェックメイトの技法」 チェス・クラシックス1 ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版
「チェス 終盤の基礎知識」ユーリ・アヴェルバッハ 著 水野優 訳 チェストランス出版
「ボビー・フィッシャー 魂の60局」ボビー・フィッシャー著 水野優訳 評言社
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1955年11月 M.エーヴェ博士 チェスには高い芸術的価値があると主張されることは多いが、その実証や説明にはあまりお目に かかれない。ゲームに勝てば満足感を得られるが、サクリファイス含みのコンビネーションで勝利 したときでさえ、芸術に対する喜びのようなものは全くといって感じられない。喜びはあくまで自己 満足に基づいているからだ。現に、実戦では戦うことが第一であり、芸術性は二の次となる。 では、チェスの芸術的側面は何に求めればいいのだろう? それは当然ながら作局だが、プロブ レム(限手メイト作品)は実戦とかけ離れているので、スタディに求めることになる。可能なかぎり 広い意味で実戦家に美的満足を与えられる点においては、これ以上のものはない。 読者は、絵画を見るかショパンのソナタを聴くように、いすに座っているだけでいい。著者が75個の 作品を明瞭かつ簡潔に説明してくれる。読者がそれぞれの作品の趣旨を理解し、その妙味を十分 評価できるように。 本書をじっくりと存分に楽しむ機会を得た読者をうらやましく思う。読者は、トーナメントで9戦9勝す る選手よりチェスを高く評価するようになるだろう。そういう点で、本書にはチェスの芸術的価値を広 める役割もある。著者の方針の下で駒を動かした読者は、チェスのとりこになることが約束されたよ うなものである。 |
水野優 チェスのスタディだけを扱った和書は、本書が初めてでしょう。スタディは、かつて日本チェス協会の 故松本康司会長が、フランス語のエチュードとして国内に紹介しました。パズル的要素の強いプロブ レム(限手詰め)より実戦的で、チェス・クラシックスの1冊目で扱ったチェックメイトに比べても、ある 意味そういえます。 本書が『チェス 終盤の基礎知識』の実践書となれば幸いです。スタディをもっと知りたい方のために 代表的な洋書を紹介しておきます(比較的入手しやすいもの)。 ◎1234 Modern End Game Studies Sutherland 1968 ◎Leonid Kubbels's Chess Endgame Studies Whitworth 2004 ◎Domination in 2545 Endgame Studies Kasparyan 2007 ◎Collection of Chess Studies of A.A.Troitzky Triitzky 2007 チェスをしたくても周りに相手がいあにと言われたのは昔の話。今ではチェスクラブは敷居が高いと いう人でも、安くて強い対局ソフトで練習したり、ネット対局で世界中の人々とリアルタイムに対戦でき ます。しかし、初心者が入門書の次に読める日本語の本が少ないという状況は相変わらず続いてい ます。上達には実戦が欠かせませんが、概念的な学習は本で学ぶほうが効率的です。 チェストランス出版に多くのご支援をいただきましてありがとうございます。今後も古典書の翻訳を 数ヶ月に1冊のペースで発行していく予定ですので、どうぞご愛顧ください。 |
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Hans Bouwmeester のサクリファイスを集めたもの |
