「実戦的スタディ集」 

チェス・クラシックス2

ハンス・ボウメスター著

水野優 訳 チェストランス出版








「スタディとは、原則として白が先手で勝ちかドローにする解答手順を求める終盤局面

問題である。作局家やファンにとって、スタディは芸術作品でもあり、独創性の高いもの

ほど評価される」(本書より引用)



私自身正直この文献を読むまではスタディにあまり関心を示していなかったが、この文献

に登場する幾つかの作品を並べて、その深遠さ、芸術性に感心させられてしまった。そし

てこの文献に収められたスタディの実戦的な駒の配置は、著者の意図する通り違和感な

く取り組むことができるし、実戦でも役立つものだと思う。



またチェス文献の造詣が深い水野氏のサイト「チェストランス」は、チェスの文献など豊富

な紹介をしており、私ののページより遥かに充実しており勉強になるはずだ。水野氏は

今後も、有名な海外のチェス本を翻訳する予定らしいが、非常に期待しているし陰ながら

応援したい。




(K.K)



水野さんが訳された外国の本



チェス文献「ミハイル・タリ 名局集」 ピーター・クラーク著 水野優・訳 チェストランス出版

「3手読んで勝つ戦術」アーヴィング・チェルネフ+フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「チェス上達の手引き」 I.A.ホロヴィッツ+フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」第2版 ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「グランドマスターのように考えよう」アレクサンダー・コトフ著 水野優・訳 チェストランス出版

「161 ミニチュア(短手数局)集」レナード・バーデン ヴォルフガング・ハイデンフェルト著 
水野優 訳 チェストランス出版


チェス文献「マスターの神局集」フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「チェス 終盤の基礎知識」ユーリ・アヴェルバッハ 著 水野優 訳 チェストランス出版

チェス文献「終盤の300題」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳 チェストランス出版

「いちばん学べる名局集」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳 チェストランス出版

「ボビー・フィッシャー 魂の60局」ボビー・フィッシャー著 水野優訳 評言社

「ポーンの力」ハンス・モック著 水野優訳 チェストランス出版


 




本書 「英語版への前書き」 より引用

ハンス・ボウメスター


まず初めに、本書は、すでにチェスのスタディに精通した読者のために書かれたものではない。

本書の目的は、スタディを全く知らないようなチェスファンにも関心を持ってもらうことである。特に、

東欧やロシアに比べてチェスの芸術的側面に関心が薄そうな西欧のファンに。




そこで、実戦と密接な関連を保つために、初期局面の配置に全く違和感のない作品を選別した。

グランドマスター同士の完璧な対局からの引用と見なせる作品もある。こうすることで、実戦の妙技

が最も見事に披露される。




目的は常に、最小の戦力によって見事な駆け引きを限界まで描くことである。駒にはそれぞれの

特徴があり、それは小品(ミニチュア)において最も顕著に表現される。




経験の浅い読者でもこの芸術を味わえるように、解答手順の注釈はわかりやすさを重視し、批評

も加えた。




最後に、本書のスタディ・・・すべてが最近50年間に出版された最高傑作・・・を学んだ誰もが、実戦

においても飛躍的に上達すると確信している。


 
 


本書 「オランダ語原書の序文」 より引用

1955年11月 M.エーヴェ博士




チェスには高い芸術的価値があると主張されることは多いが、その実証や説明にはあまりお目に

かかれない。ゲームに勝てば満足感を得られるが、サクリファイス含みのコンビネーションで勝利

したときでさえ、芸術に対する喜びのようなものは全くといって感じられない。喜びはあくまで自己

満足に基づいているからだ。現に、実戦では戦うことが第一であり、芸術性は二の次となる。




では、チェスの芸術的側面は何に求めればいいのだろう? それは当然ながら作局だが、プロブ

レム(限手メイト作品)は実戦とかけ離れているので、スタディに求めることになる。可能なかぎり

広い意味で実戦家に美的満足を与えられる点においては、これ以上のものはない。



読者は、絵画を見るかショパンのソナタを聴くように、いすに座っているだけでいい。著者が75個の

作品を明瞭かつ簡潔に説明してくれる。読者がそれぞれの作品の趣旨を理解し、その妙味を十分

評価できるように。



本書をじっくりと存分に楽しむ機会を得た読者をうらやましく思う。読者は、トーナメントで9戦9勝す

る選手よりチェスを高く評価するようになるだろう。そういう点で、本書にはチェスの芸術的価値を広

める役割もある。著者の方針の下で駒を動かした読者は、チェスのとりこになることが約束されたよ

うなものである。





 


本書 「訳者あとがき」 より引用

水野優



チェスのスタディだけを扱った和書は、本書が初めてでしょう。スタディは、かつて日本チェス協会の

松本康司会長が、フランス語のエチュードとして国内に紹介しました。パズル的要素の強いプロブ

レム(限手詰め)より実戦的で、チェス・クラシックスの1冊目で扱ったチェックメイトに比べても、ある

意味そういえます。




本書が『チェス 終盤の基礎知識』の実践書となれば幸いです。スタディをもっと知りたい方のために

代表的な洋書を紹介しておきます(比較的入手しやすいもの)。

◎1234 Modern End Game Studies   Sutherland 1968
◎Leonid Kubbels's Chess Endgame Studies   Whitworth 2004
◎Domination in 2545 Endgame Studies   Kasparyan 2007
◎Collection of Chess Studies of A.A.Troitzky
   Triitzky 2007




チェスをしたくても周りに相手がいあにと言われたのは昔の話。今ではチェスクラブは敷居が高いと

いう人でも、安くて強い対局ソフトで練習したり、ネット対局で世界中の人々とリアルタイムに対戦でき

ます。しかし、初心者が入門書の次に読める日本語の本が少ないという状況は相変わらず続いてい

ます。上達には実戦が欠かせませんが、概念的な学習は本で学ぶほうが効率的です。



チェストランス出版に多くのご支援をいただきましてありがとうございます。今後も古典書の翻訳を

数ヶ月に1冊のペースで発行していく予定ですので、どうぞご愛顧ください。








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Hans Bouwmeester (1929~) 1954年

 

Hans Bouwmeester のサクリファイスを集めたもの

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