「いちばん学べる名局集」
Most Instructive Games of Chess Ever Played:
62 Masterpieces of Chess Strategy

Irving Chernev アーヴィング・チェルネフ著 水野優 訳 チェストランス出版







1965年に発行されたチェルネフの「Most Instructive Games of Chess Ever Played」

は現在でも名著としての高い評価を得ているが、その日本語版がこの文献である。

過去から1965年までに指された名人たちの名局の中からチェルネフが選んだ教訓的

な試合62局が紹介されている。



水野さんが訳された外国の本



チェス文献「ミハイル・タリ 名局集」 ピーター・クラーク著 水野優・訳 チェストランス出版

「3手読んで勝つ戦術」アーヴィング・チェルネフ+フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「実戦的スタディ集」 チェス・クラシックス2 ハンス・ボウメスター著 水野優 訳 チェストランス出版

「チェス上達の手引き」 I.A.ホロヴィッツ+フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」第2版 ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「チェックメイトの技法」ジョルジュ・ルノー&ヴィクトル・カーン著 水野優 訳 チェストランス出版

「グランドマスターのように考えよう」アレクサンダー・コトフ著 水野優・訳 チェストランス出版

「161 ミニチュア(短手数局)集」レナード・バーデン ヴォルフガング・ハイデンフェルト著 
水野優 訳 チェストランス出版


チェス文献「マスターの神局集」フレッド・ラインフェルド著 水野優訳 チェストランス出版

「チェス 終盤の基礎知識」ユーリ・アヴェルバッハ 著 水野優 訳 チェストランス出版

チェス文献「終盤の300題」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳 チェストランス出版

「ボビー・フィッシャー 魂の60局」ボビー・フィッシャー著 水野優訳 評言社

「ポーンの力」ハンス・モック著 水野優訳 チェストランス出版

 




本書より引用 アーヴィング・チェルネフ


愛しの我が妻へ



チェスは、愛のように年齢に関係なく広まっていく ・・・ フロール



序文



チェスのマスターは、勝つために対戦する。しかし、そうしながらも名局を生み出したい。華麗な

コンビネーションを披露し、皆を驚かせて称賛を得たいと思っている。しかし、何よりもまず、勝

つために対戦する。早く楽に勝つために。



マスターは、有利な局面がどういうものかを理解しているから、そういう局面に持ち込もうとする。

味方のピースは、最も威力を発揮でき、相手ピースの自由な動きを妨げられるマスに置かねば

ならない。ルークは、開いたファイルを支配し、7段目への侵入に備えなければならない。ビショ

ップは、a1-h8 か h1-a8 のダイアゴナルを支配するか、相手のナイトをピンして動けなくすべ

きだ。ナイトは、周囲を強力に制圧できるマスに置くべきだ。マスターは、タルタコーワの警句「ナ

イトをe5の拠点に置けば、後は寝ててもいい。自然にチェックメイトになる」の真意はわかってい

る。要するに、マスターは勝ち方の戦略を知っているのだ。



本書には、あらゆる文献の中から、勝ち方の戦略に関していちばん学べる実例を収録したと自負

している。例えば、7段目に侵入したルークの威力に関しては、カパブランカがタルタコーワに対し

てそれを明快に実証したゲーム1を見れば、懐疑的でいられるだろうか。ゲーム4のタラッシュVS

ソロルド戦を並べても、ルークとポーンの終盤戦(チェスで最も重要な終盤)の指し方をあまり学べ

ないだろうか。黒マスを支配することで敵陣を麻痺させる実例なら、ゲーム38のベルンシュテイン

VSミーゼス戦以上のものがあるだろうか。ビショップとポーンの終盤戦なら、ゲーム32、33のブラ

ックバーンVSヴァイス戦より楽しくためになる実例があるだろうか。



これらを始めとする収録ゲームは、勝ち方の基本戦略を見事に実証している。そういうわけで、本

書にふさわしいタイトルを『いちばん学べる名局集』とした。

しかし、本書は『いちばん見事な名局集』と呼んでもいいかもしれない。



パリ 1965 ニューヨーク 1965 アーヴィング・チェルネフ


 


本書 訳者あとがき  水野優 より引用



チェスにかぎらず、ボードゲームは皆そうでしょうが、上達の早道は名局の棋譜を並べること

です。しかし、大人になってからチェスを始めると、定跡やセオリーを学んでもっと効率よく上達

したいと考える人が多いのではないでしょうか。私もその一人でした。今でこそインターネットや

対局ソフトなど、相手には困りませんが、実戦不足を補う意味でも、強いマスターの名局を並べ

ることには意義があります。漫然と実戦を積み重ねることはできても、そこから独力で学んだり

反省することは困難です。指導してくれる強い相手がいなければ、あまり効果は望めないでしょ

う。



名局の棋譜自体は、めぼしいものならネット上で探し出せます。当然、本書に収録された62局も

あります。しかし、これを日本語の解説(注釈)で読みながら並べられることが、この本訳書のメ

リットです。英語が難なくできる方でも、原書は古い英米式記譜表記で書かれているので、言語

の違い以上にやっかいでしょう。棋譜を並べると、序盤→中盤→終盤を流れの中で学べる点で

も有意義です。これは、次ぎの一手問題を解くような戦術よりも、一局を貫く戦略に重点を置いた

学習法です。邦題に出さなかった原書の副題 62 Masterpieces of Chess Strategy が示す通り

です。



私事ですが、今年(2012年)の初めから、松戸チェスサークルで「水野チェス学習会」と題した初

心者向けのレクチャーを、月1回のペースで行っていますが、出版の販促も兼ねているので、『終

盤の基礎知識』等を教材に使っていますが、参加者がチェス歴1年未満の方々ばかりなので、レ

ベルはともかく、定跡や終盤のような個々のテーマを専門的に扱うのが得策とは思えなくなってき

ました。本書はもちろん独習も可能ですが、レクチャーの素材にも適しています。戦略を軸としな

がらも、総合的にチェスを学べます。今後の学習会に使うかもしれません。お近くにお住まいの方

の参加をお待ちしております。


 


本書で紹介されている62局

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