未来をまもる子どもたちへ




ESO Photo Release:
Orion in a New Light - VISTA exposes high-speed antics of young stars

上の2枚の写真は2010年2月、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の可視光・赤外線望遠鏡

「VISTA」が捉えたオリオン座大星雲(M42)の姿だよ。オリオン座大星雲は、地球から約

1350光年の距離にある、巨大な星のゆりかごなんだ。この画像は赤外線で撮影されたも

ので、2枚目の左上にはトラペジウムと呼ばれる4重星が写されており、2枚目右上には

トラペジウムの強い紫外線放射で周囲のガスが波立っている姿が見える。1枚目の上部

と2枚目の右下には、ちりの奥深くに隠されている多くの若い星が約70万kmという高速の

ジェットを放出し、それが周囲のガスにぶつかって赤外線で輝いている姿だよ。普通の

望遠鏡や双眼鏡を通しても美しいM42だけど、このように赤外線望遠鏡で見るM42も実に

華やかだね。下の画像はNASAの赤外線天文衛星スピッツァーが、2009年5月にM42に

存在する若い高温の星の集団を捉えたものだ。この集団の星の年齢は約100万歳で、太

陽のように成熟した星に比べて明るさが変わりやすく、自転の速度も速いのを特徴として

いるんだ。明るさが変動する理由の1つとして、太陽の黒点のような低温領域「コールドス

ポット」や、星を形成したガスの一部が星に降着する際に生じる衝撃波で温められた表面

の領域「ホットスポット」の存在、若い恒星を取り巻くちりの円盤の形が歪むと中心星から

の光が隠されるなどの理由で明るさに変化が起きる、などが考えられているんだ。

JPL News&Features: Colony of Young Stars Shines in New Spitzer Image






巨大銀河星雲 NGC3603



巨大銀河星雲 NGC3603


地球からこの巨大銀河星雲までの距離は約2万光年。そしてこの一枚の画像に星の誕生から死までの

姿が映し出されていると聞いたら皆は驚くかな。でもこの一枚の写真にはその全てが写っているんだよ。

では順番に星の誕生からその最後まで見ていこうね。上の画像の右上の角近くの雲の中に三つの黒い

斑点が見えるかな。これはボーク胞子(Bok globules)と呼ばれている暗黒星雲なんだ。この暗黒星雲は

星間物質が星に進化する過程で収縮したもので、星を生む材料のガスや塵が雲のように濃く集まってい

る所だよ。皆はこの暗黒星雲のあるところがぽっかりと穴を開けているように見えると思う。でも実際は

その逆で、濃いガスや塵が暗黒星雲の背後にある明るい星雲の光を遮ってしまっているんだ。画像では

とても小さく見える暗黒星雲だけど、その広がりは小さいものでも0.1光年、大きなものでは100光年

もあるんだよ。そして数千年から数万年後に、このガスと塵の中から星の卵(原始星)が光り出すことに

なるんだ。この原始星という生れたばかりの星が、まわりのガスを輝かせている姿が、画像の真ん中下

のやや左側にあるんだ。おたまじゃくしの形をした二つのオレンジ色の輝線星雲が見えるかな。画像で

は右半分を覆っている大きな星雲の切れ目近くにあるね。この原始星(グロビュール)の降着円盤から

ガスやダストが蒸発することによって、このように輝いていると考えられているんだよ。この原始星はその

後、自分の重力で縮み始めるようになる。そしてその発生した熱はどんどん高くなって、中心部の温度が

1000万℃に達すると核融合反応が起こり、一人前の恒星として輝き始めるんだ。この恒星が成長して

いった姿が、画面中央に青白く輝く星の集まりだよ。スターバースト・クラスターと呼ばれている照明弾

星団で、100個余りのこれらの星はとても若く高温で輝いている。この星団からの電離放射や高速で

流れ出す星間風が、冷たい水素の分子雲と衝突して巨大なガスの柱(シャープな境界で明るく光ってい

る領域)をつくっているんだ。この巨大なガスの柱として有名なのが、わし星雲として知られるM16なん

だね。このスターバースト・クラスターの左上に輝く青白いガス雲が三つ見えるかな。その真ん中の奇麗

な形をしたリング状のガス雲の中に、明るく輝いている星がある。これがSher 25と呼ばれている青色

超巨星なんだ。実はこの星は、進化の最終段階(超新星爆発)にさしかかっているんだよ。灰色や青色

をしたリング、そしてこれに垂直な方向に吹き出している双極流(星の右上、左下に見える二つのガス

塊)は、この星が近いうちに超新星爆発を起こすことを物語っているんだ。そしてこの超新星爆発によ

り、大きな分子雲が乱され分裂を繰返しながら濃いガスの塊となってゆく。これが最初に見たボーク

胞子(Bok globules)と呼ばれている暗黒星雲なんだね。このように星の誕生と死は繋がって循環して

いるんだ。超新星爆発という星の死がすべての終わりではなく、そこから新たな物語が始まっていく。

ひょっとしたら、人間の一生も星のように循環しているものかも知れないね。散文詩「時の彼方へ」

も、そのことへの想いを書いているから参考にしてください。2つめの画像は2010年1月に、赤外線

天文衛星WISEが捉えたものだ。






HubbleSite News Release: Star Cluster Bursts into Life in New Hubble Image

この画像も同じNGC 3603を捉えたものだ。高温の若い星から、高速の

恒星風や紫外線が放出されている。この放射は星雲中を伝わり、数光年

もの長さに伸びる巨大な濃いガスの柱を削っているんだ。




左に見えるのが南十字座(みなみじゅうじ座)で、英語名でサザンクロスと呼ばれて

いる有名な星座で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも出てくるんだ。この南十字座の

すぐ左下に黒い空間が広がっているのがわかるだろうか。これは石炭袋とかコール

サック星雲と呼ばれる暗黒星雲で、星雲が背後の光をさえぎっているため暗く見える

んだよ。右側に赤く広がっている星雲がイータ・カリーナ星雲でオリオン大星雲(M42)

のなんと1000倍の明るさを持つものなんだ。直ぐ下の画像二枚はハッブル宇宙望遠

鏡の擬似カラーで、恒星イータ・カリーナと、それを包む双極型の人形星雲が示されて

いる。ハッブルスペース望遠鏡最新画像のページ

そして一番下の二枚の画像もイータ・カリーナ星雲で、ガスとちりから成る柱状の構造

が見えるね。この柱の長さは約3光年もあるんだ。この星雲の中には生まれたばかり

の赤ちゃん星が多く存在しまさに「星の育児室」だね。この星雲は地球から7500光年

のところに位置している。

HubbleSite Newscenter: Hubble Opens New Eyes on the Universe

HubbleSite - NewsCenter - Starry-Eyed Hubble Celebrates 20 Years of Awe and Discovery (04-22-2010)






(大きな画像)







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