
「神曲」
原作 ダンテ 挿画 ギュスターブ・ドレ 訳・構成 谷口江里也 JICC




文学史上に輝く古典「神曲」に、ドレの独特な才能をすべて投入した傑作。
ドレは「ドン・キホーテ」「失楽園」にも挿画を書いているが、この「神曲」
は、彼が最初に書いたものである。
(K.K)
「神曲」はドレ以前にももちろん、例えばルネッサンスの画家であるボッティチェルリを
はじめとして、多くの画家によって描かれたが、ドレのように全編を通し、しかも重要な
シーンを全て網羅した例は外に無く、これはドレの豊かなイマジネーションと、対象に
対する情熱をもって始めてなしえた偉業であると言って良い。ともあれこうして「神曲」
はダンテの死後五百年を経て、思想や文化が近代のルネッサンスともいうべき一大
興隆を見せ始めた十九世紀、ミケランジェロの再来とまで言われたドレの才能を得て、
新たな輝きをもって甦った。十四世紀初頭の詩人ダンテと、十九世紀中期の版画家
ドレ、この時空を超えたスーパースターの競演は、その両者のスケールの大きさ、その
緻密さにおいて私たちを圧倒するものがある。・・・本書「甦える古典」谷口江里也より


ギュスターブ・ドレ画「ドン・キホーテ」より
