
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/41/
120億光年彼方の深宇宙
ハッブル宇宙望遠鏡が小マゼラン雲などがあるきょうしちょう座の一部を10日間かけて
観測した際に撮影した画像だよ。ここに写っているだ円銀河や渦巻き銀河、クエーサー
の距離は地球から光の速さで120億年かかるところにあるんだ。つまり今初めて鮮明
に捉えられたこの深宇宙は、120億年前の姿なんだ。勿論肉眼ではこの深宇宙の壮麗
な姿を見ることはできない。しかし、この遥か彼方からの宇宙の光はかすかに私たちの
瞳にも飛び込んできているんだ。ただ肉眼では感じることができないだけにすぎない。
このわずか80年ぐらいしか生きられない私たち人間の肉体。しかし、この宇宙の150
億年という息吹をこのちっぽけな肉体の細胞はこの遥かな宇宙の歴史の鼓動をしっか
り受け取っているんだ。このちっぽけな鼓動をインディアンなどの先住民族の方たちは
肌で感じていたんだよ。私たち文明人は快適さや便利さと引き換えにこの偉大な受信機
を次第に失っていったんだ。私たち一人ひとりがこの150億年という息吹の中に置か
れ、そのものの中に生きている。こんなことを想うと、生命の神秘さに打ち震えてしまう。
たった80年くらいしか生きられない私たち人間でさえも、遥か150億年の息吹きの中
に立っているんだ。そしてこの宇宙の鼓動を感じ取っていた先住民族の方たちの視点は
いつも七世代先の未来の世界に置かれていた。宇宙的な視野の広さを持っていたんだ
ね。さて、皆さんは宇宙の歴史は大体150億年と言われていることを知っていますか。
つまりどんなに遠くの天体でも地球から150億光年より先には存在していないことにな
るんだ。上の画像は120億年前の銀河の姿。こんな遠くの光速に近い速度で地球から
遠ざかっている銀河を捉えたことは、宇宙の初期に銀河や恒星がどのように形成され
ていったかを解明する貴重なデータとなるらしい。米宇宙望遠鏡研究所は「今回の観測
データは天文学の金鉱脈になるどろう」と言っているんだ。120億年と言ってもどんな
スケールなのかピンとこないよね。でもこんなことを考えてみたらいいと思う。実は私た
たちの母なる太陽が産まれて死ぬまでの時間が120億年なんだよ。原始太陽が産ま
れ、黒色わい星となって宇宙の暗闇に消えてしまうまでの時間。そう、この太陽の長い
一生の時間をかけて、この画像の銀河の光が今届いているんだ。だから、この画像は
まだまだ太陽系など存在していなかった遥か昔に旅たった光なんだよ。

巨大銀河団(Abell 2218)
りゅう座にあるこの巨大銀河団は、地球から20億年光年の彼方にあるんだ。銀河団と
いうのは、銀河群( 銀河が3個以上、数十個程度以下の銀河の集まりのことを指す)より
大規模な恒星の集団を呼ぶんだけれど、直径数千光年の空間に数百〜数千個の銀河
が集まっているんだよ。私たちの銀河系にもっとも近い銀河団は「おとめ座銀河団」と呼
ばれるもので1000個以上の銀河が集まっているんだ。さて上の画像の巨大銀河団は
とてつもなく巨大であるため、その背後から来た光をその巨大な重力により偏向させて
しまうんだ。この光学レンズによる屈折効果に似ている現象は、重力レンズ効果と呼ば
れ、はるか遠方の物体の像を拡大したり、集光したり、また歪めたりといった効果を生む
ことになるんだ。だから上の画像には、どんなに大きな望遠鏡でも捉えることが出来ない
遠くの銀河の姿も映っているんだ。