「パワー・オブ・ストーン 石の力と力の石」

北山耕平著 築地出版社 より引用








この本の中でわたしは何度も石が話をするというただそれだけのことをあなたに

伝えようとしてきた。石の声。それはとても親しみのある声だ。まるで自分のなか

の深いところにあるなにかが話しかけてきているような声である。わたしは石が

話すことを疑っていない。たとえようもなく美しい夕暮れ時の高原砂漠のあるとこ

ろで、わたしは石に話かけられた。「われわれはおまえさんの遠い遠い先祖なの

だ。おまえさんは石から生まれたのだ」 石はわたしにそう語りかけた。そのこと

があって以来、どんな石を見てもわたしは地球のことを考えるようになった。街で

も、自然のなかでも。それが夢だったのかどうかは、ここでは問題ではない。自分

が石の語る声を聞いたと確信できたことがわたしにとってはなににもまして重要な

ことなのだ。そして石の声を聞く人間がおそらくこの世界にはまだたくさんいるはず

だとこころの深いところで思いつづけている。本書「パワー・オブ・ストーン」は、前

の世紀が終わる直前に新人物往来社の「Az」という今はなくなってしまった物質

世界と精神世界の橋渡しを試みた雑誌に発表したものである。以後、若い世代の

石に対する関心の高まりもあって、何度かさまざまに編集されて、他の雑誌の別冊

や「パワー・ストーン」の特集などにかなりの部分が収録されたこともあった。今回、

これを書籍化するにあたって、すべてのオリジナルの原稿に手を加えて再録し、さ

らにひとつの章を書き加えた。

(本書 あとがき ストーン・ボーイから君へ 北山耕平 より引用)







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