Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)
Hopi maiden


ホピの預言(予言)














  
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太陽に祈りを捧げるホピ族の男性とホピの女性たち 







ホピのシールドマーク

全ての人種(黄、赤、白、黒)をひとつにして大地といのちを守り、
この地球のバランスをしっかりと保つ、という意味が込められている。



ホピの長老の祈り(映画「ホピの予言」より引用)


ホピの祈りが世界に届くことを

海をこえて たとえ自分たちを憎む人々のためにさえ

私たちは祈る

私たちが兄弟姉妹のように生きられる日が

いつの日にか来るように

世界のすべての人々に 私の愛と敬意が運ばれることを

ホピはその日のためにこそ

偉大なる精霊からホピというその名を与えられたのだ

ホピ それは平和という意味である











 
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長崎(左)と広島(右)に落とされた原子爆弾の雲




「ホピの太陽の下へ」より画像引用

この「ホピの太陽の下へ 女三人、アリゾナを行く」に協力したのは映画「ホピの予言」を

制作した故・宮田雪さんの奥様の辰巳玲子さんです。このロードプランに関しては文献

「テククワ・イカチ」、またホームページ「Techqua Ikachi 大地と生命」を参照されたし。




     

ドキュメンタリー映画「ホピの予言」
人類滅亡・核時代の最終予言 
アメリカ・インディアン最古の民に伝えられていた核時代の最終予言

DVD・VHS『ホピの予言 2004年版』 2004年 
ランド・アンド・ライフ制作本編 「ホピの予言」宮田雪監督 1986年作品 75分
付録 「浄化の時代を迎えて―ホピの伝統に生きるマーチン・ゲスリスウマ氏に聞く―」
2004年作品 25分 販売価格 10,000円 (送料390円)


ヒロシマ、ナガサキに投下された原子爆弾は、アメリカ・インディアン最古の民、

ホピ族の聖地から掘り出されたウランから造られたものだった。その彼らの間

には、数千年の昔から、偉大なる聖霊から与えられた謎の予言の石版がある。

そして、そこには驚くべきことに「灰のびっしりつまったヒョウタン」と呼ばれたヒロ

シマ、ナガサキの原爆投下を始め、第一次、第二次世界大戦、更には、来たる

べき人類とこの文明の破滅と再生が予言されているのだ。いま、彼らは、その

予言の中に告げられた人類存亡の最終的危機と、それを乗り越える道を、世界

の人達に映画を通して訴え始めたのだ。この映画は、監督の宮田雪が、ホピ族

を代表する予言のメッセンジャー、トーマス・バニヤッカに出会ったことによって

始まり、約七年の歳月を経て、完成した。第十二回のアメリカ・インディアン・フィ

ルム・フェスティバルで最優秀ドキュメンタリー大賞を受賞し、日本ばかりでなく、

アメリカ、ヨーロッパでも上映され大反響を呼んでいる。1986年作 75分

(ビデオの解説より引用)


〒657-0817 神戸市灘区上野通1-2-35-312
TEL/FAX:078-881-8163

ランド・アンド・ライフ・ジャパン
(辰巳玲子さん宛)


 






Infinitus Possibilis: Hopi.


 ホピの預言(予言)に関する文献

この文献の詳細ページへ「ホピ 神との契約 この惑星を救う テククワ・イカチ という生き方
この惑星を救う テククワ・イカチ という生き方
トーマス・E・マイルス+ホピ最長老 ダン・エヴェヘマ   
林陽訳 徳間書店 


この文献の詳細ページへ「インディアンの夢のあと」北米大陸に神話と遺跡を訪ねて 
徳井いつこ著 平凡社新書


この文献の詳細ページへ「ホピの太陽の下へ 女三人、アリゾナを行く」 
羽倉玖美子 著 辰巳玲子 協力 野草社

この文献の詳細ページへ「生命の始まりから浄化の日まで ホピ物語」 
ダン・カチョンバ(ホピ・太陽一族)
北山耕平訳 ランド・アンド・ライフ発行 非売品


この文献の詳細ページへ「ホピ ・ 宇宙からの予言」 
ルドルフ・カイザー著 林陽解説 木原悦子訳 徳間書店

この文献の詳細ページへ「ホピ・宇宙からの聖書」
フランク・ウォーターズ著 林陽訳 徳間書店

この文献の詳細ページへ「スピリットの器」
プエブロ・インディアンの大地から 
徳井いつこ著 地湧社


この文献の詳細ページへ「ホピ的感覚」
預言された「浄化の日」のメッセージ 
小原田泰久 著 KKベストセラーズ






ホピ族の長老トマス・バニヤッカ、マーティン・ガスウィスーマから日本人への伝言

雑記帳「魅せられたもの」1998.4/20「父は空、母は大地」を参照されたし

雑記帳「魅せられたもの」1997.6/20「霊的な戦士」を参照されたし

「心に響く言葉」1997.6/20「シアトル酋長の言葉」を参照されたし

デキストラ(ホピ族の著名な女性陶芸家)の言葉  

ホーク・フー・ハンツ・ウォーキングからの手紙





ホピに関する文献

この文献の詳細ページへ「蛇と太陽とコロンブス」
アメリカインディアンに学ぶ脱近代 
北澤方邦著 農文協 


この文献の詳細ページへ「ホピ・精霊たちの台地」
アメリカ・インディアンからのメッセージ 
青木やよい著 PHP研究所


この文献の詳細ページへ「子どもの神秘生活」 
生と死、神・宇宙をめぐる証言 
ロバート・コールズ著  
桜内篤子訳 工作舎 


この文献の詳細ページへ「ホピの聖地へ」
知られざる「インディアンの国」 
北沢方邦 著 東京書籍



この文献の詳細ページへ「ホピ銀細工」 
マーガレット・ライト著 
岡山徹・監訳 仁井田重雄・訳 バベル・プレス


この文献の詳細ページへ「ホピの国へ」
アメリカインディアンに学ぶ 
青木やよい著 廣済堂文庫 


この写真集の詳細ページへ「ホピ語辞典」
アメリカ・インディアン ホピ族の言語 
戸部実之 泰流社


この文献の詳細ページへ「蛇儀礼」 
北アメリカ、プエブロ・インディアン居住地域からのイメージ 
アビ・ヴァールブルク著
加藤哲弘訳 ありな書房


「輝く星」 
ホピ・インディアンの少年の物語 
ジョアン・プライス著 北山耕平訳 地湧社










Goldwater Master Photographer Becoming is Superior to Being

(大きな画像)

ホピ平和宣言
HOPI DECLARATION OF PEACE
New Japanese Translate Version 2.9 (Last updated Friday, September 12, 2008)
起草者 トーマス・バニヤッカ *1 伝統派ホピ一族通詞
Land and Life ∴ ランド・アンド・ライフ&映画『ホピの予言』公式サイト ∴ Hopilandより引用



この地球において、真の平和を求めるすべてのひとびとの、頭とスピリットとをひとつに

まとめるものが、ほんとうのホピの力のなかにはある・・・



「ホピ」とは「平和なひとびと」を意味する・・・そして、最も純粋かつ偉大な力とは平和の

力である・・・なぜなら平和は「偉大なる精霊のご意志」なのだから・・・



だが、それをたんに、偉大なる精霊がけして武器を取らないようにといわれたからだと

か・・・ほんとうのホピは争はないだからだとか・・・われわれがいのちの正しい道として

知っているもののために死ぬこともいとわないのだとか、考えたりしてはならない。



ほんとうのホピは、殺すことも、傷つけることもなく、闘うすべを知っている・・・

ほんとうのホピは、偉大なる精霊の御光のなか、真理と良き力とを用いて、闘うすべを

知っている・・・



ほんとうのホピは、明晰な思考と・・・良い絵や写真・・・そして厳密に選ばれた言葉と

によって、いかに教育すればよいのかを知っている・・・



ほんとうのホピは、質素でスピリチュアルないのちの道を――生き残るであろうただ

ひとつのいのちの道を――真に探し求める人たちひとりひとりの頭と心に届くように

働きかけ、伝えていくことで、いかに世界のすべての子どもたちに、ほんとうのいのち

の道の手本をみせるかを知っている・・・



ほんとうのホピが、地球で生きるための聖なる知識を絶やさないでいる理由は、地球

が、ひとりの生きて成長しつつある人であること・・・そしてそのうえにあるいっさいのも

のが、彼女の子どもたちであることを・・・ほんとうのホピが知っているからだ・・・



ほんとうのホピは、聞く耳をもち・・・見る目をもち・・・そうしたことを理解するハートを

もつ世界のすべてのひとびとに・・・正しいいのちの道を示してみせるそのやり方を

知っている・・・



ほんとうのホピは、真の地球の子供たち全員の頭とスピリットの勢いをひとつにまと

めあわせるにたる力を、いかにすれば呼び覚ませるか・・・いかにすればその人たち

を偉大なる精霊の良き力とつなぎあわせることができるか・・・その結果この世界の

苦しめるすべての場所において、苦痛と迫害に終止符を打つことができるかを知って

いる・・・



ほんとうのホピは、ここに、ホピの力こそが、世界に変化をもたらす原動力であること

を、宣言するものである。



われわれは、すべてのものが生きており、われわれの声を聞き、われわれを理解し

ていると信じる。



ホピは不毛の大地に暮らしてはいるが、われわれは、われわれが「マーサウ」と呼ぶ

スピリットによってこの地に導かれたことを信じる。われわれの役割は、ある種の知識

を、全人類のために絶やさないようにすることであり、この種の知識は、すべての(先

住民の)国々を理解し存続させ続けるために必要不可欠なものである。









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本当のバハンナ・・・・映画「ホピの予言・浄化の日」製作の途上から 宮田雪

「夜明けへの道 はじまりの500年に寄せて アメリカ先住民は語る」より引用


映画「ホピの予言」の続編ともなる「浄化の日」という記録映画の製作を始めて4年になります。

浄化の日は、ホピの予言の最後のステージと言われているもので、撮影は今ホテヴィラという

伝統派の最後の砦と言われる村を中心に、進められています。アメリカという外国からの、絶え

間ない圧力の結果、それまでホピの最も古い村オライビ村の中で、白人の生き方を受け入れる

人と伝統に従う人たちの間に分裂が生じ、ユキウマという一人の指導者が、ホピの予言に従う

人達を引き連れて、現在サード・メサと呼ばれている砂岩台地の上に、新しい村としてホテヴィラ

を作ったのです。今からおよそ86年前の1906年の事です。


ユキウマは、アメリカ政府がホテヴィラに移住した人々の子供を政府の学校に通わせる事や、

政府の方針に従う事を強要する宣誓書にサインを命じた時も、敢然とそれを拒否し村人全員と

投獄され、足に鉄の球をつけられてハイウェー建設の強制労働を強いられ、アルカトラス刑務所

を始め生涯の多くを牢獄で過ごしましたが、それでも決して政府の要求に従わなかったと言われ

ています。その非暴力、不服従の精神は、インドのマハトマ・ガンジー翁を思い起こさせます。


ユキウマは、グレイト・スピリットの教えの上に立ち、この世界の始まりにグレイト・スピリット(マー

サウ)から与えられた予言を実現させるのを目的として、ホテヴィラ村を創設しました。しかし現在、

そのユキウマの意志を受け継ぐ、伝等派の人々の数はめっきり少なくなりました。多くの人々は、

アメリカの主流的な生き方を受け入れ、毎月の儀式の多くも破壊されました。電気も引かれ、子供

達は政府の作った学校に通い、若者たちの間にはアルコール中毒が蔓延しています。しかしそれ

でも、ほんのひと握りになりましたが、依然としてアメリカという外国の支配に徹底して不服従を貫

き、予言の実行のために働いている人がいます。


88年に亡くなったデヴィッド・マニャンギ翁もその一人でしたが、彼は国連へ予言を伝える事をひと

つの使命としました。マーサウは、いつの日にかホピ族の土地から東の方向に高い「雲母の家」が

作られ、そこに世界中の指導者達が様々な問題を解決するために集まる日が来るだろう、という事

を伝えてきました。雲母というのはガラスのように透明な鉱物で、昔はホピの人々の家にはこの雲

母が使われていましたが、この「雲母の家」というのは建物の全面にガラスが使われているニュー

ヨークの国連の事を意味しています。予言に従ってきたデヴィッド翁らホテヴィラの長老達は、「灰

のびっしりつまったヒョウタン」(原爆)がヒロシマとナガサキに投下された事を知った時に、予言を外

の世界に伝える事と同時に、「雲母の家」にメッセージを伝えに行く、ひとつの警告として受けとめま

した。


マーサウは、ホピはそこに4回足を運び、4度その建物の扉を叩くだろう、と告げていました。です

から過去40年にわたり、ホテヴィラ村の伝統派の長老達は、ニューヨークへ旅をしその扉を叩き、

またホピ独立国からの公式文書を国連に送り続けてきました。国連は、第1次世界大戦後、白人、

黒人、黄色人種を代表するそれぞれの独立国により結成されたものですが、しかしながら赤い人々、

つまりアメリカ先住民はこの連合の扉の中には入れられませんでした。とりわけホテヴィラ村の伝統

派の人々は、ホピ族がアメリカという外国と一度も条約を交わした事のない歴史をもとに、独立国と

して、国連の中で一国として発言する事を主張してきました。1848年に、アメリカとメキシコの間で

締結された「グアダルビ・ヒダルゴ条約」でも、ホピ族は独立した主権国家として、大地の所有権も

認められているのです。ですから、アメリカ合衆国がその主権を侵害している事は明らかなのです

が、今日まで国連はホピを独立国として認める事を拒否し続け、その扉は閉じられたままできました。


しかし90年の湾岸戦争の直前、長老達の通訳者でトーマス・バニヤッカ氏と国連の副事務総長との

会見により、その扉が徐々に開かれ始めました。92年7月、国連からの正式の要請状が、トーマス氏

のもとに送られてきました。それによれば、93年の「国連国際先住民族年」の始まりの儀式を、ホピ族

の祈りにより始めたいというもので、もしこれが実現すれば、予言された国連の扉は開かれたことにな

るでしょう。


ホピ族は、予言に従い二つの大きな目的を携えて、国連の扉を叩き続けてきました。そのひとつは

「本当の白い兄弟」を探す事であり、国連に集う世界の指導者達に浄化の日の予言を警告する事で

あり、更にはホピ族のみならず全てのアメリカ先住民の大地で起こっている破壊を正す事にあります。


ホピ族の言葉で、白い兄弟つまり白人は「バハンナ」と呼ばれています。これはひとつには、甘い言葉

でホピを誘惑する二つの舌をもつ欲の深い兄弟であり、今日ホピの伝統を破壊し、石炭の採掘などの

大地の破壊を推し進める人々の事ですが、ホピ族は長い間、「本当のバハンナ」が帰ってくるのを待ち

続けてきました。「本当のバハンナ」は、予言によれば「浄化の日」に初めて、ホピに浄化をもたらすも

のとして帰ってくると言われており、しかも彼が帰ってくる時には、一枚の聖なる石版を携えてくる、と

伝えられています。


現在、ホテヴィラ村とオライビ村に、それぞれ四枚の石版が管理されています。この石版は、いずれも

古代にマーサウから彼らの祖先に授けられたもので、本当のバハンナが帰ってくると言われている石

版は、これらと共通しているものだと信じられています。


90年の12月、その石版の内ホテヴィラ村で管理されていた石版が、外の世界に示されるという出来事

が起こりました。この石版は、火氏族(ファイアー=コーコップ・クラン)が保持していたもので、ホテヴィラ

村の創設者であるユキウマが、いつも腰に巻きつけた袋の中に入れ、投獄された時さえも身体から離そ

うとはしなかった、と言われるものです。この石版はこれまでに三度、ホテヴィラ村から外の世界に公式

に示された事があります。


1911年にユキウマが、ワシントンにタフト大統領を訪ね、石版がコロンブスがやってくる以前からホピ

に存在するもので、ホピの大地に対してマーサウから与えられた権利の証である、と大統領に伝えた

時が最初です。


二度目にこの石版が示されたのは、1941年、第2次世界大戦の最中でした。石版は、ユキウマの子供

にあたる太陽氏族のダン・カチョンヴァに受け継がれていました。第2次世界大戦で、多くのインディアン

達が徴兵されましたが、ホピの若者の中から徴兵登録を拒否する者達が現れ、連邦裁判所で刑の申し

渡しを受ける事になり、ダン・カチョンヴァは、なぜ若者達が徴兵を拒否するのかという疑問に応えるため

に、この石版を公開したのです。当時の「アリゾナ・リパブリック紙」がその時の模様を「ホピの予言は何

世代も前に石版に記されたもので、白人には解読する事はできない。ホピの長老達は白人達が互いに

敵対して闘うようになる事をずっと以前から知っていた。予言は、ホピが武器を持ってこの白人の闘いに

加わる事を、厳重に戒めている」と伝えています。実際にもホピの若者達の中には、徴兵拒否者として何

年も刑務所に服役する事になった者もいて、トーマス・バニヤッカ氏もその一人であり、彼は懲役7年の刑

を受けニューメキシコの刑務所で刑に服しました。


そして90年に石版が示されたのが、三度目になります。石版は、ユキウマの甥にあたる火氏族のマーティン・

ゲスリスウマ氏が管理していましたが、その年の冬、湾岸戦争が始まる直前に彼は、畑で蛇や蛙や冬には決

して咲かない花を発見し、それらの一連の出来事が、石版に告げられていた浄化の日の前兆であったために

石版を外の世界に公開したのです。公開した場所はニューメキシコ州のサンタフェ州庁舎で、彼がサンタフェを

選んだ理由は、そこがスペインによって最初にできたヨーロッパの首都であり、そこにオリジナルな原住民の

大地に対する権利をはっきりと証明する記録があるはずだと考えたからです。


かつてホピの土地にやってきた最初のバハンナは、スペイン人でした。彼らの目的は伝説上の七つの黄金

の都市を探す事にありましたが、彼らはホピの人達の痩せた土地と質素な生活振りを見るとガッカリして、

一度はメキシコに戻ります。しかし、1581年以降、再びホピの土地を支配しにやってきます。ホピ族ばかりで

はなく、現在のアリゾナ州からニューメキシコ州にかけて、スペインによる恐怖時代が続いたために、ホピを

含むプエブロ達が団結して一大蜂起し、スペインを追い出すという時代がありました。その時にスペイン人が、

ホピ族の石版や土地に対する権利に関して記録していったと伝えられていて、その記録が最初の首都であ

るサンタフェに管理されているはずだと考えたからです。


マーティン氏は、現在地球上の生命を脅かしている様々な問題の根本的な原因は、権力によってもたらさ

れる大地に対する概念にあると述べました。スペインの侵略に始まる近代文明は、大地に対する所有の概念

に基づいています。しかしマーティン氏ら伝統派のホピ族は、グレイト・スピリットからの許可に基づいて、大地

の世話人としてホピに植えつけられた者達であり、大地は保護され、管理されるものと考えています。ホピ族

のようなオリジナルな先住民族達はいずれも同じような理由により、地球上のそれぞれの大地に住まわされ、

グレイト・スピリットにより、それぞれの生命のバランスを保つ事に対する特別な役割を担ってきました。マー

ティン氏は、サンタフェ州庁舎で「この石版は、コロンブスがアメリカ大陸にやってくるずっと以前からホピに

存在し、彼らが決して放棄する事のなかった、大地に対する古来からの権利の証である」と語ったのです。


彼はその記者会見の中で、ホピ族が古代にグレイト・スピリットから授けられた、この石版と同じ石版を持って

いる兄弟(本当のバハンナ)が、世界のどこかにいるはずであり、もしその人達と力を合わせる事ができれば

世界の浄化の大きな力となる、とも述べました。石版を公開した目的のひとつは、このもうひとつの石版を探す

ためでもありました。


予言によれば、昔ホピの弓氏族に二つの石版を持つ双子の兄弟がいました。兄弟は話し合い、弟がマーサウ

を探す旅をしてマーサウを発見したらその場所に留まり、兄が来るのを待つ約束をし、兄の方は弟と別れた後、

東に向かい太陽の昇ってくる所まで旅をし、そこで弟からの連絡を待つ約束になっていました。


ダン・カチョンヴァは、この二人の約束について、こう語っています。「その時弟は、兄が帰ってきて自分を助け

てくれるのを、心待ちにしているかもしれない。というのも、生活の型の変化が、やがて弟の率いる人々の生き

る道、ウェイ・オブ・ライフそのものを崩壊させてしまう事は明らかだったからだ。もしその時に兄が帰ってこなけ

れば、彼らは間違いなくこの地球の表面から消し去られてしまうに違いない。わしらが未だにグレイト・スピリット

の教えの上にしっかりと立っているのは、そのためなのだ。未だにわしらは遠く東の方を望んでは、なるべく早く

そのお方が帰ってきてくれるように祈り続けている。弟は兄にあらかじめこう言ってあった。『大地も変わり、人も

変わるでしょう』と。『しかし』と弟は続けた。『しかしたとえ、そうなっていたとしても、決して心を迷わせたりしない

で下さい。兄さんなら私達を見つける事ができるはずです。たくさんの人達が、やがてマーサウの与えられた

生き方から離れていくでしょう。しかし、たとえほんのひと握りになったとしても、あのお方の教えに誠を誓う私達

は、この家に留まります。昔から変わらないこの髪の形、家々の造り方、村の作られ方とその村がのっている

大地の形、そして何よりもこの生き方、全てが今のまま、きちんとしている事でしょう。あなたはそれによって、

私を見つけるのです』」


このホピの地に留まっている弟を助けるために、石版を携え帰ってくる本当のバハンナと呼ばれる兄は、赤い

帽子か赤い衣を身につけているとも伝えられています。彼は、携えてきた石版とホピに管理されていた弟の

石版を並べて世界中の人々に示し、彼らが互いにグレイト・スピリット、マーサウから使命を受けた兄弟である

事を示す、と言われています。そしてこの本当にバハンナは、ホピである弟を助け、コロンブスがアメリカ大陸

に上陸して以来、過酷な扱いを受けてきた全てのアメリカ先住民の兄弟達に、真実の正義をもたらすのです。

それにより、コロンブスというバハンナがアメリカ大陸に上陸して以来続いてきた不正に対して、グレイト・スピ

リットによる偉大な浄化がもたらされる、とも言われています。


赤い帽子か赤い衣を着た「本当のバハンナ」とは、一体誰の事なのでしょうか。第14世ダライ・ラマ貌下を法王

と仰ぐ、チベットの人達の中から現れる、と言う人達もいます。76年にチベットのベン・ゴマリング・リンポチェ師が

ホテヴィラ村を訪れ、デヴィッド・マニャンギ翁ら伝統派の長老達と長時間にわたり、その互いの精神世界や予言

について会談したのを始めとして、79年にはダライ・ラマ貌下との会見や、チベット仏教界の指導者達との交流も

たびたび行なわれるようになりました。近くには92年11月、マーティン氏とラマクンガ・リンポチェ師、ラマ・タイシ・

リンポチェとの会見も行なわれる予定です。


現在、撮影が進められている記録映画「ホピの予言・浄化の日」は、この世界のどこかにいる本当のバハンナに

あてた、ホピへの帰還を告げるメッセージ、といえるのかもしれません。


 






Hopi mother
Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)



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2012年1月28日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。




ホピ族の少女ナタリー(10歳)の言葉 1975年

出典は、「子どもの神秘生活」生と死、神・宇宙をめぐる証言
ロバート・コールズ著 桜内篤子訳 工作舎 からです。

背景の映像は「StarGaze」及び「Starry Night」から一部を
使っています。





空がわたしたちのことを見ていて、わたしたちの言うことを聞いてくれる。

空はわたしたちに話しかける。そしてわたしたちの返事を待っているの。

空には白人の神様が住んでいるって先生が言っていた。あなたたちの神

様はどこに住んでいるのでしょうって先生が聞くから、わたしは知りません

って答えた。だって本当に知らないんだもの! わたしたちの神様は空。

だから空のあるところには必ずいる。太陽も月もわたしたちの神様。それ

にホピ族の人たちも。わたしたちはここに住んでいなければならないの。

ここからはなれたら、神様もきえてしまうから。(中略) でも、白人はわた

したちの言うことに耳をかさない、自分たちの言うことしか耳に入らないっ

て、四六時中白人とつきあっているお父さんが言ってた(父親はトラックの

運転手であった)。おばあちゃんはね、白人は空をせいふくしようとしてい

るけど、わたしたちは空に祈りをささげるために生きているって。せいふく

しようとする人に話してもむだだから、白人の分もいのるしかないって。

だからわたしたちはただニヤニヤして白人に《イエス》ばかり言うのよ。

そしてあの人たちのためにいのるだけ」



ブラッキー(少女の愛犬)と散歩していたとき、空にけむりのすじを見たの。

ひこうき雲。いったいだれがのっているのかなって思った。わたし、ひこう場に

行ったことないんだ。学校で写真は見せてもらったことはあるけど。ブラッキー

と二人でひこうきにのっているところをそうぞうした、太陽にむかってどんどん

とぶところをね! そんなことしたらひこうきがとけちゃうって知っているよ。

太陽に近づくと、なんだってとけちゃうって学校で習ったもの。でもたましいま

ではとかせないよ! わたしたちはお日様やお星様に手をふるんだ。光を

おくってありがとうって。ずっとずっと前のおくりものを、いまわたしたちがうけ

とっているんだよね。わたしって空想するのがとくいなんだ! ホピ族のご

先祖様たちに会って、先のことを話したい。みんながまたいっしょになれる

ときのことを。川には水がたっぷり流れていて、お日様が地球のさむいとこ

ろをあたためて、すっごくあついところは少しのあいだあまりてりつけないよう

にする。そして世界の人が大きな輪にすわる。みんな、きょうだいってわけ! 

そのとき世界中の霊が出てきておどりくるう。星もお日様も月もよ。鳥たちも

地面にまい下りておどる。人間たちがそこらじゅうでおどったり、またすわって

輪をつくったり。輪はすっごく大きいから、メサの上に立って地平線のほうを

見ても、どこまでつづいているかわからない。でもみんなうれしそう。けんか

なんかしない。けんかするのは、まいごになって、先祖のことをわすれて、

わるいことをしでかすから。いつか、みんなが大きい輪になって手をつなげる

ときがくる。ホピ族だけじゃなくて、みんなよ。そうなったらほんとうに《いい》

んだよね。先生が良いこと、良いものの例をあげなさいって言ったことがあ

るの。ブラッキーはいいよ。だってだれもきずつけないもん。この世界もみん

なが大きな輪をつくれるようになったらいいね。ぐるぐる回りながら、世界中

の人がその輪に入ってきたらさ。



(K.K)



 





2012年1月25日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。

画像省略

「ホピの太陽の下へ 女三人、アリゾナを行く」羽倉玖美子著



本書は映画「ホピの予言」を製作した故・宮田雪さんを通して出会った女性2人と子どもが、過去

の自分を見つめながら、新たな旅立ちの意味をかみ締める旅の記録です。



私自身何故もっと早くこの文献を読まなかったかと後悔しています。この文献の軽妙な語り口は

読者を一気に引きずり込ませる巧みさを持ち、そして何より人生や自分の心に対しての誠実さを

言葉の一つ一つに感じてならなかったからです。



この文献を書いたのはイラストレーターとして活躍する羽倉玖美子さんで、映画「ホピの予言」を

通して故・宮田雪さんと知り合います。この宮田雪さんの奥様がこの文献の協力者である辰巳

玲子さんで、「浄化の時代を迎えて―ホピの伝統に生きるマーチン・ゲスリスウマ氏に聞く―」を

収録した新しい「ホピの予言」DVDを出しました。マーチン・ゲスリスウマ氏は1995年、「神戸地震

について、日本の人たちへ伝えたいこと」というメッセージを「ホピ的感覚」で残しています。



この辰巳さんのお嬢さんを含めて女性3人でホピに向かいます。ホピではホピの予言を守る長老

たちとの旧知の出会いや、それを陰で支えてきた女性たちの姿、儀式、遺跡が語られますが、ま

るで読者もその場に居合わせたような錯覚を覚えるのは、イラストレーターという職業を通して、

真剣に表現方法を模索してきたからでしょう。



また辰巳玲子さんも、ご主人(宮田雪さん)が倒られてからその介護に長年関わってきましたが、

結婚される前にも映画「ホピの予言」製作過程でも宮田雪さんを支えてこられました。あるがまま

の着飾ることのない二人の女性の生き様がここに描かれており、心に残る素晴らしい文献でした。



(K.K)



 

 


2012年1月23日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。





ホピの祈り(予言)です。



背景に流れる映像は「イブ ボディー・アンド・アース」(2003年作 76分)

から引用させていただきました。



この「イブ ボディー・アンド・アース」はカナダの映像作家ニ-ル・セント・

クレアが、カナダ、アメリカ、カリブ海をはじめ60ヵ所以上を3年以上の

撮影で完成させたものです。



映像詩の主人公「イブ EVE」は、アメリカ・インディアンが残した岩絵(ペト

ログリフ)を背景に魂の伴侶を求めて旅に出るという構成になっています。

また、それぞれの章には、バイロンからチベット「死者の書」、ワーズワース、

シェリー、ディキンソン、道教、マザー・テレサ、ブッダ、ガンジーなどの意味

深な9つの言葉(詩)が紹介されているとても感銘深い作品でした。



この映像詩の一部を背景映像とし、私の心に残ったホピの祈りと予言を紹介

します。



予言と聞くと多くの人が恐怖を煽り立てるものと感じるのも当然かと思います。

しかし、1000年の長きに渡りこの予言を守るために、祈りを捧げてきた民のこ

とを、その意味を少しでも多くの方に知ってもらいたく作りました。



「ホピの予言」について詳しくは他のサイトを見ていただけたらと思います。



(K.K)



 

 


2012年1月16日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。

画像省略

ホピ・インディアンの長老で、アメリカ先住民族運動の精神的リーダーのひとりであるトマス・

バニヤッカ
(Thomas Benyacya 1999年他界) の紹介と言葉を書きます。

写真では左側に写っている方がトマス・バニヤッカです。



「ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと」ウォール&アーデン著 築地書館から引用します



☆☆☆



1948年、第3メサの長老たちは、トーマス・バニヤッカを含む4人の若者を、自分たちの

「耳と舌」となるように選んだ。この4人の若者の役目は、ホピの予言に伝えられている恐

ろしく深刻な警告を外の世界に広めることだった。



ホピの予言には、「ハウス・オブ・マイカ(国連の意)」と、「灰のつまったヒョウタン(原子爆

弾)」が登場しており、人間が破壊的な生き方を変えない限り、避けることのできない大火

災--- 清め ---が起きるであろうとのメッセージがこめられている。



この予言を伝える4人の使者のうち現在生きているのは80代半ばのトーマス・バニヤッカ

ただ一人であり、彼はまた伝統派のインディアン運動におけるスポークスマンの一人でも

ある。(中略) 



「この土地で起こっている問題の原因は、鉱業界の連中がこの地に眠る石炭が欲しいた

め、いやそれ以上に、核兵器の原料、ウラニウムを手に入れたいからなのだ。ホピの予

言には、核兵器のことが伝えられている。それは灰の詰まったヒョウタンと呼ばれ、白人

があちらこちらへと飛ばし合い、そのうち誰にも消すことのできない炎を空一面に広げて

しまうものだ。



もしおまえさんたちが今やっている行いを正さなければ、自然そのものが手を下すことに

なるだろう。どうすることもできない強力な“力”が現れるのだ。ホピの予言に伝えられて

いる“最終段階”が今なのだ。近年各地で起こっている地震、噴火、火災、ハリケーンの

数々 ---これは最後のしるし、最後の警告なんだ。地球はすでに最終段階に入っている。



ホピの予言によると、最終段階では白人がインディアンの土地を盗むことになるらしい。

予言に伝えられたことは、すべて現実となっている。私たちは祈りと瞑想を通して、この

世界をあと少しの間、破壊しないでくださいと偉大なる精霊に頼んでいるのだ。だが、白

人への罰はすでに下されつつある。浄化はもう始まっているのだ。(中略) 



平和で調和のとれた暮らしを、この大地とすべての生命との調和を保てる暮らしをさせ

てくれ。世界の調和を保つには、祈りと瞑想しかないのだ。



ホピの予言では白人について、こう伝えられている。もともと白人は私たちの兄弟であり、

東の方角へ旅立っていったのだ。白人はそこで発明について学び、みんなの生活を向上

させるためにそれを持ち帰るはずだった。そうすれば、白人は私たちの精神の輪を完成

させられるはずだったんだ。しかし、白人は輪のシンボルを持ち帰りはせず、代わりに

十字架を持ち帰った。



輪は人々を引き寄せ、十字架は人々を引き離す。十字架は分裂を引き起こすものだ。

白人はインディアンたちを十字架のように引き離してしまいたいのだよ。奴らは私たち

をつるしたいのだ--- ウラニウムでできた十字架に!」



☆☆☆☆



僕はマルコス政権下のフィリピンを訪れたことがある。この旅で未だに忘れられない言

葉がある。先の大戦中、両親を日本兵に殺されたその男性はこう言った。「私はずっと

日本人を憎んできました。でもあなた達がここに来ることを聞いて、私は許すことができ

るよう一生懸命神に祈って、やっと来ることができました」



彼の目には憎しみはなかった。先の大戦は僕たち世代が関与したわけではない。しか

し、同じ日本人が起こしたことと、それに苦しめられてきた人のことを無関係と呼ぶこと

は僕には出来ない。



これはキリスト教にもあてはまると思う。何故この悲劇が起こったのか、必死になって

その原因を探り感じなければならないと思う。



トマス・バニヤッカ氏の心の叫びを僕がどれほど汲めるのか甚だ疑問だ。しかし彼の

言葉が自分とは無関係だと思いたくはない。



(K.K)


 
 


2012年1月15日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。

画像省略

写真はホピ族に与えられた予言の岩絵です。この岩絵が何を意味しているのか、ドキュメンタリー

「ホピの予言」と「生命の始まりから浄化の日まで ホピ物語」から引用します。最初に言っておき

ますが、今後起こる悲劇を避けるべくホピは長年に渡って警告し行動してきました。過去から現在

に至るまで沢山の予言があると思いますが、自分達に与えられた使命を900年も守ってきた方た

ちの言葉には重みがあると感じられてなりません。



ドキュメンタリー映画「ホピの予言」
人類滅亡・核時代の最終予言
アメリカ・インディアン最古の民に伝えられていた核時代の最終予言より引用



☆☆☆



ヒロシマ、ナガサキに投下された原子爆弾は、アメリカ・インディアン最古の民、ホピ族の聖地から

掘り出されたウランから造られたものだった。



その彼らの間には、数千年の昔から、偉大なる聖霊から与えられた謎の予言の石版がある。そし

て、そこには驚くべきことに「灰のびっしりつまったヒョウタン」と呼ばれたヒロシマ、ナガサキの原爆

投下を始め、第一次、第二次世界大戦、更には、来たるべき人類とこの文明の破滅と再生が予言

されているのだ。



いま、彼らは、その予言の中に告げられた人類存亡の最終的危機と、それを乗り越える道を、世界

の人達に映画を通して訴え始めたのだ。



この映画は、監督の宮田雪が、ホピ族を代表する予言のメッセンジャー、トーマス・バニヤッカに出

会ったことによって始まり、約七年の歳月を経て、完成した。第十二回のアメリカ・インディアン・フィ

ルム・フェスティバルで最優秀ドキュメンタリー大賞を受賞し、日本ばかりでなく、アメリカ、ヨーロッパ

でも上映され大反響を呼んでいる。1986年作



☆☆☆☆



「生命の始まりから浄化の日まで ホピ物語」 ランド・アンド・ライフより引用



☆☆☆☆



この絵は西暦1100年にホピに最初に与えられ、オライビ近くの岩に描かれた有名なロードプラン

である。このとき以来、オライビとホテヴィラの指導者たちは、絵を定期的に参照してきた。



左下の人物は、右手にたいまつをもつマサウである。左手には、数千年昔、ホピが地上に出るの

に通った「アシ」を握っている。



アシの右に見える円は第四周期を示している。



長方形は地上世界への脱出口、「シパプ」。長方形から伸びる上の線は多くの人が従う物質的な

道である。手をつないでいるのは、彼らが物質的な生き方で結束していることを表わす。波線の

示す「混沌」がその結末である。



ホピが従うように命じられている道が、下線に示されている。それは伝統派の歩む狭い道で、トウ

モロコシ畑に立つ長老で終わっている。彼は、忠実な者たちに約束されている平和と繁栄の象徴だ。



この線沿いに、三つの円と縦線が見える。三つの円は預言された大きな世界戦争である。最初の

ふたつはすでに終わり、最後のひとつはまだ来ていない。最初のふたつの円に続いて、上下の線

を結ぶ縦線がある。それは誘惑にはまって進歩派になり、古来の信仰を捨てる人々の分離を預言

している。それが三つ目の円の前に来ていることに注目したい。



ロードプランは、警告と希望の前兆、両方の意味を持つもので、計画すべきことを告げるものだ。

ロードプランは、オライビでの記念すべき最初の会合において、マサウみずからシンボルを刻んだ、

小道の石とも関係している。これらのシンボルを調べる際には、いずれも大量の情報を含んでい

ること、そして、ホピの指導者たちは象徴を指しながら、長く完全な話を民に伝えられることを知る

必要がある。



☆☆☆☆



★★★★
前回も書きましたが、「予言」と書くと恐怖を煽り立てるものと不審に思われるのは当然かと思い

ます。ですから、Facebookで私と友達であっても遠慮なく削除してください。また今後、皆様へご

迷惑をおかけしたくないので、私のほうから皆様の投稿に対してコメント、そして「イイネ」はしま

せん。
★★★★



(K.K)


 
 


2012年1月14日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。

画像省略

デキストラ(ホピ族の著名な女性陶芸家)の作品です。

これから暫く太古の昔からインディアン・ホピ族が守ってきた予言に関する投稿をします。多くの

人が「予言」と聞くと恐怖を煽り立てるものと不審に思われるのは当然かと思います。ですから、

Facebookで私と友達であっても遠慮なく削除してください。また今後、皆様へご迷惑をおかけした

くないので、私のほうから皆様の投稿に対してコメント、そして「イイネ」はしません。私としては、

今後もホピの予言を軸に、キリスト教(前の投稿を読まれてください)や星空・チェスなど関心ある

ことをジョークを交えながらありのままの自分で書いていきます。



デキストラ(ホピ族の著名な女性陶芸家)の言葉

「インディアンの夢のあと」北米大陸に神話と遺跡を訪ねて

徳井いつこ著 平凡社新書 より引用



☆☆☆



巡礼というのかしら、ホピではいまでも定期的に遺跡を訪ねて捧げものをしているでしょう。「そう。

自分自身をきれいに拭うために。そして“思いだす”ために。記憶を新たにするために。われわれ

がどこから来たか? 誰であるのか? 自分自身を霊的に新しくする作業なのよ。・・・・本当は、

遺跡だけではない。地球上のどこであれ、神聖な場所。どこにいても、あなたがひとりでいて静か

であれば、創造主と話をすることができる。いつでも、どこでも、創造主の助けが必要なときは。

だって、あなたが何を感じているかを知っているのは、彼ひとりだけ。創造主、グレイト・スピリット。

彼を見た人はいない。それでも、どこにいても直接話ができる。われわれは創造主のことを“イタナ”

と呼びます。“お父さん”という意味」 (中略) 「そう。ずっとずっと昔、何百年も前からホピの先祖

は言い続けてきたのよ。<何もかも失うときが来るだろう。白い人たちがやってきて、すべてが根こ

そぎにされてしまうだろう。そのときあなたにできることは、ただひつつ。“思いだす”こと。自分が誰

であるのか、どこから来たのか、いつも心に留めていること>と」 自分が誰であるかなど、知ること

ができるでしょうか。私は、自分が何者であるかを知りません。デキストラは知っていますか? 「自

分が何者であるかを知るということは、自分自身をいつも油断なく見張っている、ということ。<周囲

で起こっていることのなかに没入してしまわないように注意しなさい!>と先祖は言った。<起こって

いることから距離をとって、ひとりで歩むこと>と。先祖はずっと昔から、来るべき時代のことを知って

いたのよ。<カップのような物体がもの凄い速さでそこらじゅうを走りまわるだろう。光がついて中に

は人間が乗っている>。これは車のこと。<われわれの頭上、空一面に、たくさんの蜘蛛の巣が張

りめぐらされるだろう>。これは飛行機のこと。<われわれの世界は、ふたつの黒い板に挟まれた

白い物体によってまったく変わったものになってしまうだろう>。バイブルのことよ」 予言の一部です

ね 「そう。<子どもたちは親や年よりを二度と敬わなくなるだろう>。知ってのとおり。若い人たちは、

ホピにおいてさえ、まったく過去を敬おうとしない。私にとって過去は、かけがえのないもの。価値あ

るもの。古い時代の古い人々の生き方のなかには、多くの真実が含まれている。昔から人々は、

<大地のめんどうを見るように>と言いえてきた。<自然を壊すことがあれば、必ず何かが起こる>

と。それがいま起こっている」 「ホピに来るたびいつも感じるのは、地球、自然の古さということ。風

に磨かれた岩の魂ひとつ、水に削られた渓谷ひとつ・・・・・・・・どれをとっても人間がつくったどんな

遺跡よりもずっと古い。多くの神話や物語は、そうした“古きもの”と人間とのつながりについて語って

いる。プエブロには昔からストーリーテラーと呼ばれる役目の人がいて、物語を続けることで、“古き

もの”に結びつけられた人間の姿を繰り返し確認するという機能を果たしてきた。物語を失ったわれ

われは、自然との絆、過去と未来との絆を失って、風のまにまに漂っているわけです」 「私が子ども

のころ、まわりにいる大人は誰でも物語を話してくれた。冬は暖炉のまわりで、夏は屋根の上に寝そ

べって。土の家は蒸し暑いから、みんな屋根に上がって眠るの。ブランケットもなし。ただ寝転がるだ

け。落ちていきそうに深い夜空を覗きこみながら、たくさんの話を聴いた。この世界のありとあらゆる

ものについての物語。太陽、月、鹿、蛇、蟻、鷲、・・・・悲しくて泣いてしまう物語もあった」 (中略) 

ホピ居留地内には小学校が六つと、中学、高校が一つずつありましたね。昨日、ホピ・カルチャーセ

ンターで見かけた高校生の卒業パーティーはずいぶん華やかだった。みんなタキシードとかドレスを

着て、酔っぱらっている子もいたみたい 「そう、高校生はひどい。煙草は吸うし、マリファナもやる。

サンタフェとか都市の学校に通っていた子が戻ってきて、そういうことの中心になる。若い子がそんな

だから、儀式に参加する人がどんどん減ってくる。カチーナ・ダンスを続けていくのも大変なのよ」 

将来に絶望している? 「絶望はできない、あきらめることはできないのよ。われわれは子どもたちに

伝え続けなければならない。しかるべき年齢になれば、たぶん、気づくときがくる。われわれにできる

のは、話すことだけ。人生をつくるのはお前たち。お前たち自身の選択なんだよと」



☆☆☆



(K.K)


 
 


2012年2月26日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。




ホピ族カチナ



カチナとは精霊のことであるが、今から20年前に聞いた奇妙な話が心に残っている。当時

カトリック信者の掲示板があり、名前は失念したが、大学の講師の方も書き込みをしていた。

その方は哲学が専門で、一時デンマークだったか北欧に留学していたとき、その国のおばあ

ちゃん達が全く不思議そうな顔も見せず、当たり前のように「妖精を見たことがある」と話す

のを聞いて驚いてしまったと書き込んでいた。



私はまさかそんなことがあるわけがない、と最初に思ったが、その方がでたらめを書き込む

ような人でないことはそれ以前の書き込みなどなどから知っていたし、カトリック信者でもある

彼がそんな話を敢えて持ち出すわけがないと思い真剣に聞いていた。



私は妖精に限らず精霊を見たことはないのだが、それから何か違う世界がこの世にあるの

ではないかと漠然と感じたりもしていた。正直今でもこの話をどう捉えていいのか私にはわか

らないが、北欧のおばあちゃん達が見たものを否定することは、そのおばあちゃんの存在

自体を否定することに繋がることは確かなことだ。



自分の経験や価値観で、人の存在を否定することほど傲慢なことはない。相手の視点と同じ

目で見ることは不可能だが、自分が相手の視点まで降りていく(見下すという意味ではありま

せん)努力なしには自分との接点は見つからないだろうし、他者の存在という重みを自分の

心に感じることもない。



偉そうに書いてしまったが、過去に白人達がインディアンに自分たちの文化や宗教を強要

たのと同じように、私も他者に対して日常の生活の中で同じことをしているのではないかと

いつも思う。ただ相手の視点が他者を抹殺するようなものである場合は、戦うことを恐れては

いけないのかも知れない。



☆☆☆☆



トウモロコシ畑の片隅で、

鳥たちが歌声をあげ、

ひとつになった幸せを歌いあげるだろう。

彼らは、宇宙の力と、

あらゆるものの創造者との調和に合わせて

歌声をあげるだろう。

鳥が歌い、そして人々も歌い、

やがて命の歌がひとつになる。



ロングヘヤー・カチナの歌(ホピ族)

「風のささやきを聴け」より引用

☆☆☆☆



(K.K)



 

 


2012年3月22日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。

画像省略

奄美にいたときの私。

長崎・佐世保で生まれ、3歳の時に私たち家族は奄美に移り住んだ。



佐世保の近くに黒島という隠れキリシタンが住んだ島がある。成人してからこの島と黒島天主堂

訪れたときの衝撃とそこで与えられた意味は私の大切な自己基盤の一部になっている。



そして奄美大島、そこはシャーマニズム・アニミズムの世界観が残る地であった。幼少の頃はそん

なことなどわかるはずもなく、青く澄んだ海、赤い蘇鉄の実、さとうきび、そして怖い毒蛇ハブが住む

森を身近に感じていた。



「一人で森に入ってはいけない」と何度も言われた。それ程ハブが棲む森は子供にとって恐ろしい

場であった。逆に言うとハブがいたからこそ、昔の奄美の森は人間によって荒らされずに生き残っ

てきたのかも知れない。



ホピ族の有名な踊りに「蛇踊り」がある。砂漠に住む猛毒をもつガラガラヘビなどを多く集め、儀式

するのだが、その儀式の前に長老達は一つの部屋にこれらの蛇を置いて数日間共に過ごすので

ある。そして儀式が済むと蛇たちは丁重に元の砂漠に帰される。



確かに日本でも蛇信仰はあったと思う。母の実家・久留米の家では白蛇がおり家の人たちは大切に

その蛇を扱っていた。私は白蛇を見たことはないのだが何度もその話を聞いて育った。



創世記で蛇がイブを誘惑したことから生じてきたずる賢い悪魔の存在としての意味、そして蛇信仰が

残る地や奄美、両者には決定的な自然観・世界観の違いが横たわっていると感じていた。



前者からは人間だけによる地球支配の夜明けが始まり、自然に対しての畏敬を失い森を切り開い

た姿が、後者からは脱皮を繰り返す蛇に、森の再生のシンボルとしての意味を見い出せるかも知

れない。



良くキリスト教は一神教と言われるが、私はそうは思わない。父・子・聖霊の3つの姿が互いに与え

尽くしている姿、三位一体はそのことを指し示しているのではないかと思う。



言葉では偉そうに「与え尽くす」と簡単に言うことは出来るが、それを肌で知り、示すことは私には

出来ない。インディアンの「ポトラッチ」縄文時代での社会的緊張を緩和するために呪術的儀礼や

祭を通して平和で安定した平等主義、「与え尽くし」の社会。



ある意味でキリスト教の真実の姿を体現しているのが先住民族たちなのかも知れないと思うことが

ある。



まだまだ多くの疑問が私の中に横たわっているのだが、長崎・奄美から旅立った私の魂は、ブーメ

ランのように再びこれらの地に戻ろうとしているのかも知れない。



☆☆☆☆



「ガラガラ蛇からサイドワインダー、ヤマカガシまであらゆる種類の蛇がおった。

六〇匹はいたじゃろう。あちこちに動き回って、囲んでいる男たちの顔を見上げ

ていた。男たちは動かず、優しい顔つきで歌っているだけじゃ。すると、大きな

ガラガラ蛇が一人の老人の方に向かい、足をはい登り、そこで眠り始めた。

それから次々と蛇がこの老人に集まり、優しそうな顔をのぞき込んでは眠り始

めたのじゃ。蛇はこうやって心の清い人間を見分けるのじゃよ。」



コアウィマ(太陽を反射する毛皮)の言葉

「ホピ・宇宙からの聖書」フランク・ウォーターズ著より引用



☆☆☆☆



(K.K)



 



APOD: 2012 May 19 - Annular Solar Eclipse

(大きな画像)



 


2012年5月24日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



私がインディアンに関心を持った頃に、インディアンのことについて日本人の方が書いている本に出会った。

その方からは、メールを通していろいろ教えてもらったこともある。



その方はブログの中で、日食に関してインディアンのメディスン・マンから決して見てはいけないことを言われ、

世界中のシャーマン達が決して日食を見ない事例を紹介しながら、家にこもり内なるビジョンを見ることを訴

えておられた。



私は日頃から星空に関心があり、時々山にこもって星を見るのだが、日食も一つの天文現象であると浅は

かに思っていた。



確かに太陽が死んでいくことは古代の人々にとって恐怖であり、喪に服す意味で家にこもったのだろう。私

たち現代人は太陽が隠れても、直ぐに復活することを知っているため、彼ら古代の人のこの恐怖は決して

理解することは出来ないと思う。



この意味で、先のブログは私に新たな視点を与えてくれたように思う。



ただ、私自身の中で、違う見方をした古代の人もいたのではないかという疑問が湧いてきて、5月21日にそ

の思いを投稿した。



私はギリシャ神話は好きではなく、以前から古代の人が星空にどんな姿を投影してきたのか関心があった。

また自分なりに星を繋ぎあわせ星座を創ったほうが意味あることだと思っていた。



今日のことだったがアイヌの日食についての伝承に出会った。私自身まだ読んではいないが、これは『人間

達(アイヌタリ)のみた星座と伝承』末岡外美夫氏著に書かれている話だった。



アイヌの文献は何冊か読んで感じていたことではあるが、アイヌの方と神(創造主)はまるで同じ次元でもあ

るかのような親密感をもって接していながら、畏敬の心を持っている。私は彼らの世界観が大好きだった。



下にこの文献からの引用とアイヌの方が日食を歌った祈りを紹介しようと思うが、これは一つの視点であり

絶対こうでなければならないという意味ではない。



私たちは日食に対する様々な見方を受け止めなければならないのだろうと思う。



☆☆☆☆



太陽が隠れるということは、人びとにとって恐怖でした。



日食のことを次のように言いました。



チュパンコイキ(cup・ankoyki 太陽・をわれわれが叱る)
チュプ・ライ(cup・ray 太陽・が死ぬ)
チュプ・サンペ・ウェン(cup・sanpe・wen 太陽・の心臓・が病む)
トカム・シリクンネ(tokam・sirkunne, tokap・sirkunne 日(太陽)・が暗くなる)
チュプ・チルキ(cup・ciruki 太陽・が呑まれた)
トカプ・チュプ・ライ(tokap・cup・ray 日中の・太陽・が死ぬ)  
チュプ・カシ・クルカム(cup・kasi・kur・kam 太陽・の上を・魔者・がかぶさる)



日食の際の儀式を紹介します。



男性は、欠けていく太陽をめがけてノイヤ(蓬(よもぎ))で作った矢を放ちました。



女性は、身近にある器物を打ち鳴らし声を合わせて、次のように叫びました。



チュプカムイ      太陽のカムイよ
エ・ライ ナー   あなたは重態だ
ヤイヌー パー    よみがえれよー
ホーイ オーイ    ホーイ オーイ



日食は、太陽を魔者が呑み込むために起こったと考えました。その魔者を倒すために、蓬の矢が効果が

あったのです。



太陽を呑み込む魔者は、オキナ(oki・na 鯨・の化け物)、シト゜ンペ(situ・un・pe 山奥・にいる・もの 黒狐)。

オキナは、上顎(うわあご)が天空まで届き、空に浮かんでいる太陽をひと呑みにしたと伝えられています。



闘病記/定年退職後の星日記/プラネタリウム より引用



☆☆☆☆







(K.K)



 

 


2012年5月21日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。

画像省略

厚木市から見た金環日食



僕は毎日起きてすぐに太陽に祈っている。



人びとに安らぎが訪れるようにと。



今日は金環日食だった。



昔の人は急に太陽が隠されるのを見て、恐れおののいたことだろう。



でも、僕は違う人々のことも想像してみた。



インディアンホピの方たちが日食をどのように見ていたかはわからないが、

日の出と共に太陽に祈りを捧げている人々のこと。



もしこの人たちが太陽が隠され死んでいくのを見た時、こう願い叫んだかも知れない。



「太陽、生きてくれ!!!」と。



僕は肌を通してその感覚を理解しているとはとても言えない。



しかし太陽と心が通じていた民の中には、死にゆく太陽を見ながらこう願ったかも

知れない。



日々、太陽が昇ることを当たり前の出来事と受け取らず、日々感謝の心を持って

生きてきた人たち。



勿論これは僕の勝手な想像で、そのような先住民族がいたかどうかはわからない。



でも、僕は彼らのような民がいたことを、そして現代でも生きていることを信じたい。



(K.K)



 




A Koskimo house

Edward S. Curtis's North American Indian (American Memory, Library of Congress)


ワタリガラスの伝説

「森と氷河と鯨」星野道夫 文・写真 世界文化社 より引用。


今から話すことは、わたしたちにとって、とても大切な物語だ。だから、しっかりと

聞くのだ。たましいのことを語るのを決してためらってはならない。ずっと昔の

話だ。どのようにわたしたちがたましいを得たか。ワタリガラスがこの世界に森

をつくった時、生き物たちはまだたましいをもってはいなかった。人々は森の

中に座り、どうしていいのかわからなかった。木は生長せず、動物たちも魚た

ちもじっと動くことはなかったのだ。ワタリガラスが浜辺を歩いていると海の中

から大きな火の玉が上がってきた。ワタリガラスはじっと見つめていた。すると

一人の若者が浜辺の向こうからやって来た。彼の嘴は素晴らしく長く、それは

一羽のタカだった。タカは実に速く飛ぶ。「力を貸してくれ」 通り過ぎてゆく

タカにワタリガラスは聞いた。あの火の玉が消えぬうちにその炎を手に入れ

なければならなかった。「力を貸してくれ」 三度目にワタリガラスが聞いた

時、タカはやっと振り向いた。「何をしたらいいの」 「あの炎をとってきて欲し

いのだ」 「どうやって?」 ワタリガラスは森の中から一本の枝を運んでくる

と、それをタカの自慢の嘴に結びつけた。「あの火の玉に近づいたなら、

頭を傾けて、枝の先を炎の中に突っ込むのだ」 若者は地上を離れ、ワタ

リガラスに言われた通りに炎を手に入れると、ものすごい速さで飛び続け

た。炎が嘴を焼き、すでに顔まで迫っていて、若者はその熱さに泣き叫

んでいたのだ。ワタリガラスは言った。「人々のために苦しむのだ。この世

を救うために炎を持ち帰るのだ」 やがて若者の顔は炎に包まれ始めた

が、ついに戻ってくると、その炎を、地上へ、崖へ、川の中へ投げ入れ

た。その時、すべての動物たち、鳥たち、魚たちはたましいを得て動き

だし、森の木々も伸びていった。それがわたしがおまえたちに残したい

物語だ。木も、岩も、風も、あらゆるものがたましいをもってわたしたちを

見つめている。そのことを忘れるな。これからの時代が大きく変わってゆ

くだろう。だが、森だけは守ってゆかなければならない。森はわたしたち

にあらゆることを教えてくれるからだ。わたしがこの世を去る日がもうすぐ

やって来る、だからしっかり聞いておくのだ。これはわたしたちにとって

とても大切な物語なのだから。


(クリンギットインディアンの古老、オースティン・ハモンドが1989年、死ぬ

数日前に、クリンギット族の物語を伝承してゆくボブをはじめとする何人

かの若者たちに託した神話だった。この古老の最後の声を、ボブはテー

プレコーダーに記録したのだ。








アメリカ・インディアン(アメリカ先住民)に関する文献

夜明けの詩(厚木市からの光景)

アメリカ・インディアン(アメリカ先住民)

美に共鳴しあう生命

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オオカミの肖像

天空の果実