未来をまもる子どもたちへ


地球の上空から見た牡牛座とプレアデス




地球の上空から見た牡牛座とプレアデス




地球の上空から見た牡牛座とプレアデス

(地球に映る丸い影は月の影です)




牡牛座とプレアデスは冬の星座なんだ。オリオン座さえ位置がわかれば

簡単に見つけられるよ。上が牡牛座の星座絵で、下が位置を確かめる

もの。ちょうどオリオン座が地球の陰に隠れてしまっているので参考に

ならないかな。じゃーえーと地球のすぐ左下に明るく輝いているのがシリ

ウスで、この前に不思議な話をしたよね。牡牛座の星座絵の牛の目の

あたりに明るい星が見えるかな。これはアルデバランという赤色巨星なん

だ。光の速さで60年かかるところにあるんだけど、太陽の40倍も大きな

星なんだよ。この牡牛座はすでにバビロニア時代には、牡牛の星として

知られていたんだ。ギリシャ神話によると、この牛は、フェニキアの王女

エウロパをさらうためにゼウスが変身した姿であるとされている。牛になっ

たゼウスはエウロパを背中に乗せて海を渡り、クレタ島へ行ったと伝え

られているんだ。ヨーロッパの語源はこのエウロパにあるんだよ。さて、

アルデバランは牛の右目にあたり、アルデバランのまわりには、淡い星

たちがVの字のように連なっているのが見えると思う。この星の群れは

ヒアデス星団という散開星団で、牛の顔を表わしているんだ。そして

その右側に多くの星が寄り添って見えるのがプレアデス星団だよ。



この牡牛座という星座の位置は、インディアンにとっても重要な意味を持って

いるんだよ。インディアンの有名な伝説のなかに「白いバッファローの女」と

いうものがあるんだ。「白いバッファローの女」は、初め、人間の姿で登場す

るんだが、同時にバッファローでもあり、人々が生きてゆけるように自らの肉

を与えるインディアンの兄弟だったんだよ。だから、今でもすべての大平原

部族にとって「白いバッファロー」は聖なる存在なんだ。メディスン・マンの

クロウ・ドッグは次のように言っている。「この聖なる女性がスー族に聖なる

バッファローの子牛のパイプをもたらした。このパイプをもたないインディアン

などいるはずがない。その女性が来る以前、人々はどうやって暮らすか知ら

なかった。人々は何も知らなかった。<バッファローの女>が人々の頭に

聖なる知識を植えつけたのだ」。そしてサンダンスの儀式の際には、部族の

人々に尊敬されている一人の女性に<バッファローの女>という名誉ある

役が与えられるんだよ。同じ星の並び方に一方は「牡牛座」と名づけ、イン

ディアンは太古の昔から「白いバッファロー」を描いてきた。この共通性は

どこから来たんだろうか。とっても不思議だね。ところで、ここまで来たら、

もう少し踏み込んでインディアンの哲学を一緒に見ていきたいと思うんだ。







「我らみな同胞・インディアン宗教の深層世界」

A・C・ロス著 スーザン・小山訳 三一書房より



ダ/ラコタ哲学は、森羅万象は、対立する二つのもの、つまり善と悪、光と闇、

というふうに対になって出来ているとしている。その対になっているものの一方

が欠けることは不均衡を生み出すものだというのである。そこでひとびとは儀式

を、その平衡の保持のために維持する。儀式のなかでひとは苦しみ(悪)を経

験し、それによって祈りを聞き届けてもらう(善)のである。伝統のダ/ラコタ族

は、ひとがこの地上に生きる目的は、いつか宇宙の中心に帰ることができるよ

うになるためで、それが可能になる方法は赤い道を歩む(均衡のとれた生き

方をする)ことであると信じている。さて本書においてすでに述べているように、

儀式が行われるひにちと場所は、白いバッファローの星座の位置によって決

められる。もっとも主要なダ/ラコタ思想は、グレイト・スピリットはすべてのもの

の創造主であるが、それでいながらその創造されたことがらの一部だ、という

包括的な考えにある。また、宿命というものはそのひとのこの世における目的、

または計画のなかにあるというふうに考える。そこで夢の探求を行ってその目

的がなんであるかを捜すことが、そのひとの任務になるわけである。だがラコタ

の両親が子供にその任務を行わせるようにするとき、そこでは子供の自由意志

というものが非常に優先される。子供はその任務なり仕事なりをどのようにする

かということは、親から教えて貰うというよりも、それを実際にやっているところ

だけ見せられ、あとは自分でやってみるようそれとなく諭されるわけである。

この考えはじつはダ/ラコタのすべて、つまり文化、教育、狩猟、宗教、要する

に人生すべての局面に及ぶ、基本概念である。





さらにダ/ラコタの伝統の考えでは、霊魂は誕生したその瞬間にその体に

入る。そこで良い霊魂が体に入ってくれるよう偉大なる神秘に、儀式を催し

て祈るのである。ひとが死ぬとその霊魂は銀河に行って、それを南に向か

う。その南の終りに年老いた女性が座っていて、あなたの地上の生活を審

判する。あなたが赤い道を歩き、またひとびとに寛大で、他を助け、すべて

のものと調和のなかに生きたのであったならば、その老いた女性はあなた

に、長い方の道、つまり宇宙の中央にいたる左の道を取ることを許す。もし

あなたが黒い道を歩み、どん欲で自己中心的であったなら、彼女は右の

道を示し、あなたを突き落とす。そこであなたの霊魂はふたたび地上に落

ち、新しい肉体に宿ってこの世に誕生するのである。それはあなたがふた

たびすべてのものと調和に生きるため、新しい機会を与えられたということ

なのである。もしひとが非常に若いうちに、そのような機会もなく死んだ場合

は、長老が選ばれ、その霊魂を一年間守護する。この間その長老はその

若い魂が銀河の左の道を行き、進化の旅を完成して、宇宙の中心に帰る

ことが出来るよう毎日祈るのである。







サンダンスで捧げる祈り



われらが父なる大霊よ。

わたしたちを真実の道へ導き給え。

わたしと、わたしの家族と、わたしの部族をあなたの摂理の道へと導き、

心とからだを健全なる状態に保ち給え。

子なるわたしたちを教え導き給え。

地球上のすべてに平和を導き給え。

太陽と、その恵みに感謝します。

今年も動物たちには豊かなる草を、

わたしたち人間には豊かなる実りをもらし給え。




「レッドマンのこころ」

シートン著 近藤千雄 訳 北沢図書出版より




アメリカ・インディアン(アメリカ先住民)







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