未来をまもる子どもたちへ




上の画像は双眼鏡(倍率7倍の実視界約7°)で見る夏の星空 M4とM80(球状星団)・さそり座 ρ星(二重星)・へびつかい座。

距離・・・M4(1万光年)、M80(3万6000光年)、ρ星(395光年)



上の画像は光害のない、そして透明感ある最高の星空を再現したものです

ので、光害などが残るところでは実際にはこのように見えない場合があります。


 




今から3万6000年前の世界とは?(2011年基点)

遠い昔に船出した星の光は、今それを見ている人の瞳に
映し出され、そしてその心には何が刻まれるのでしょう。


 


約3万年前  ネアンデルタール人がこの頃絶滅。最古の洞窟壁画。
        現在知られている古いものでは、南フランスのショーヴェ洞窟壁画(約3万年前?)
        がある。また、ラスコー(約1万8000年?1万6000年前)、アルタミラ(約1万4000年
        〜1万3000年前)など多くの洞窟壁画がある。

約3万?2万年以前 モンゴロイドがアメリカ大陸に渡る。氷河期の時代にベーリング海峡は地
            続きになっていた。この頃、ユーラシア大陸から無人のアメリカ大陸に人類
            が移り住んだと考えられている。約1万年前頃までには、南アメリカ大陸の
            南端地域まで到達した。→ アメリカの先住民



 

今から1万年前の世界とは?


 


約1万年前 この頃、最後の氷期(最終氷期)が終わったとされる。

約1万年前 この頃、ヨーロッパ中部の火山活動が終息へ。
      アイフェル高地(ドイツベルギー)や中央高地(フランス)の火山活動がおおむね終息。
      ピュイ=ド=ドームは約8.000年前まで活動を続けた。

      農耕革命(農耕の開始)人類史上、重大な事件の1つとされる。この時期より主に磨製
      石器が使われたことから新石器革命(新石器時代)とも。

      日本、縄文時代へ。



 

今から395年前の世界とは?


 


1609 ガリレイが天体望遠鏡を発明

   ドイツのケプラーが天体の三法則を発見

1616 清、成立(〜1912)

1615 (日本)豊臣氏が滅びる

1618 三十年戦争が始まる(〜1648)

1620 イギリスの清教徒がメイフラワー号で北米に移住

1621 オランダが西インド会社を設立

1624 オランダが台湾を占領(〜1661)

1628 イギリスで「権利の請願」成立








M4 球状星団・・・白色矮星が多数見つかっている星団・・・さそり座のα星・アンタレスのすぐ

西側にあり、望遠鏡、双眼鏡でも容易に見つけることができる。近い距離にあり、夜空が暗けれ

ば肉眼でも天の川の中にその存在を確認することができるくらい明るい球状星団であるが、周辺

の星々がだいぶまばらに見える。また、黄色みがかって見えるのも特徴である。1995年のハッブ

ル宇宙望遠鏡による観測で、多くの白色矮星が発見されている。また、M4にあるパルサーの周

期のずれから、これと連星を系をなす大きな惑星の存在が発見された。この惑星の年齢は130億

年と推測され、これまでに発見したうちの最古の惑星として話題になった。



M80 球状星団・・・双眼鏡でM4と同じ視野に見える球状星団・・・双眼鏡では球状星団M4と

同じ視野に見えるが、M4のほうが圧倒的に大きく明るい。小さくまとまって中心部が明るく、彗星

によく似たみかけをしているとメシエ自身も記述している。1999年のハッブル宇宙望遠鏡の観測

により、通常の球状星団の2倍にあたる多くの「ブルー・ストラグラー」という種類の星が発見され

ている。星団中心部で起こる星どうしの接近・衝突の際に、星の外周部のガスがはぎとられた

結果、本来は赤く見えるはずの星が青く明るく見えているのだと考えられている。



「Newton ニュートン別冊 メシエ天体のすべて」より引用



 


「春の夜空にかかる球状星団M4は、詮索好きのアマチュアが視力の限界にいどんで

視線を向けてくれるのを待っている。この星団の意味深さを知りたいと思ったら、直径

70光年、およそ100億歳という天の川銀河の老齢のメンバーを見ているということを心

にとめておこう。M4のすぐ近く(西に1.5°)では明るい赤色超巨星、さそり座のアンタ

レスが1等の光を放っているので、M2やM3よりも明るいにもかかわらず肉眼では

M4をはっきり見ることはできない。双眼鏡では、星団が明るくて円形をしているのが

わかる。M80・・・M79のように、M80は非常に密度の高いコアと球状のハローをも

つ小さい球状星団である。広視野の望遠鏡をもっている人は、天の川の真ん中できわ

だって光るM80の7等の光を見て、その能力を知るだろう。4インチ望遠鏡の23倍で

は、中心はぼんやりした黄色に見え、外周部に向かって徐々に銀色に色あせていくよ

うに思える。」

「メシエ天体カタログ」ステファン・ジェームズ・オメーラ著 より抜粋引用


「M4・・・まず、アンタレスの真西にある大型の球状星団M4に目をむけてごらんになる

とよいでしょう。かなりまばらな球状星団なので、5cm7倍の双眼鏡でも、星雲状のぼうと

ひろがった像の周辺がいくらか不規則に凹凸しているのが見えてきます。そして6cm50

倍くらいの倍率でながめると、このようすがさらにはっきりして、周囲に枝がのびて、そ

の上にいくつかの星が散らばっているように見えてきます。M80・・・アンタレスからσ

星をたどってσ星からさらに1.5°北西に延長すると、双眼鏡でも中心核のよく輝く小じ

んまりした姿を見つけることができます。ρ星・・・これはアンタレスの近くにある星です

が、写真ではこの星の周囲に大きな散光星雲がとりまいていることで知られています。

5.2等と5.9等の似たような明るさの星が3.15″離れて並んでいるようすは5cmでもわか

ります。」

「星座ガイドブック 春夏編」藤井旭著 より抜粋引用


「M4は、アンタレスの西1°にある明るい球状星団なので、楽に見つけることができます。

かなりまばらな球状星団で、4.2cm10倍の双眼鏡でも周辺部がなにやら星にわかれそうな

気がします。普通の球状星団は黄色味をおびていますが、M4は赤味をおびています。

(中略) アンタレスからο星のほうへ1.5倍のばすとM80という6.8等級のかわいらしい球状

星団があり、4.2cmの双眼鏡では恒星のように見えます。」

「双眼鏡で星空ウォッチング」白尾元理著 より抜粋引用


「M4・・・さそり座の1等星アンタレスの西1.5°に位置するので見つけるのは簡単。双眼鏡

では星雲状で周囲が球状ではなく凹凸しているのがわかる。8p50倍でボーッとした中心部

から微光星が枝のように連なって伸びているようすがわかる。明るい球状星団だが、空の

条件によって見え方が大幅に変わるので注意。M80・・・さそり座のσ星の北約3°にあ

る球状星団。明るいが密集度が高く小さいので、双眼鏡で恒星状、8p60倍では、輝きのあ

る円形の星雲状に見えるが、星には分解しない。すぐそばの球状星団M4とは対照的だ。」

「エリア別ガイドマップ 星雲星団ウォッチング」浅田英夫著 より抜粋引用


「M4・・・アンタレス(α)とσとM4で小さな三角形ができるあたり(αの1.5°西)をさがして

みよう。双眼鏡でみると、淡い光のシミにみえるだろう。口径5cm×30倍でみると、周辺のい

くつかの星がみえてくるほど、球状星団としてはまばらだ。口径10cmではボーッと明るい中

心から、まわりに、星のつらなったえだがいくつもでているようすもみられるだろう。M80・・・

アンタレス→σ→οとたどり、οからωにむかって約1.5°先にある。M4とは対照的で、中心

部に星が集中したとてもかわいい球状星団だ。双眼鏡では小さくて恒星状、口径5cmなら

その光点を中心にぼんやりした光がつつむのがみとめられる。口径10cmでも星には分解

できず、みかけの姿はあまりかわらないだろう。タイプのちがったM4とみくらべてみよう。」

「ほしぞらの探訪 肉眼・双眼鏡・小望遠鏡による」山田卓著 より抜粋引用


「さそり座で目を引くのは、なんといっても真っ赤に輝く1等星アンタレスですが、双眼鏡を向

けると西側にある球状星団M4が同じ視野内に見えてきて驚かされることでしょう。」

「双眼鏡で星空を楽しむ本」藤井旭著 より抜粋引用


「M4・・・光度6.2等、径23'の明るい球状星団で、アンタレスの真西1°.3のところにあり、肉眼

でも暗夜ぼんやりとした光斑にみえますが、7×50双眼鏡ではまるく星雲状の光の中に、微星

がぽつぽつうかんでいるのがよくわかります。密集度の低い星団だけに中心部が凝集してい

るわけでなく8cm100倍ぐらいで、ゆがんだまるい姿でまわりに微星がそろそろみえはじめ、10

cmでは中心部に星のながれまでみえてきます。みつけるのはたやすく、すこしぐらい空の条件

がわるくてもわかります。 M80・・・球状星団で光度7.3等、径3'.3です。7×50双眼鏡でよく晴

れた夜、ο・ωのあいだでο寄り三分の一のところに、小さくまるくみえます。ある人は彗星の

ようだという人もいます。星の等級は14〜15等で、M4とちがってコンパクトな星団です。8cm級

でみると中心部が明るくまわりがぼんやりとうすれてみえます。」

「四季の天体観測 肉眼・双眼鏡・小望遠鏡で」中野繁著 誠文堂新光社 より抜粋引用


 


M4 Messier 4, NGC 6121, GCL 41


APOD: 2010 May 24 - Rho Ophiuchi Wide Field

アンタレスとそこに広がる素晴らしい星雲の数々を写した画像です。先ずアンタレスが

画像右上の黄色の星雲内に明るく光っています。その下の青い領域がRho Ophiuchiと

呼ばれているところで、ここでは新しい星が誕生しています。アンタレスの左側には球状

星団M4が見えます。写真の下にある馬の頭のような星雲は「青い馬頭星雲(IC4592)」と

いう反射星雲です。画像の左上にあるのは「Sharpless 1」と呼ばれている反射星雲です。

本当に素晴らしい眺めですね。 

大きな画像    

APOD: 2018 April 23 - The Blue Horsehead Nebula in Infrared

青い馬頭星雲(IC4592 を赤外線カメラで捉えたもの。(大きな画像)


下の画像は上の画像を180度回転したものですが、アンタレスは黄色の星雲内で輝き、

M4はその右側にあります。Rho Ophiuchiは青白く上部に位置しています。2017年5月に

撮られたこの映像には、緑色をしたクラーク彗星(71P)が左端中央に写っています。

APOD: 2017 May 27 - Comet Clark is near the Edge.

(大きな画像)

APOD: 2016 September 8 - Mars in the Clouds

左上の明るい星は火星、中央下に光るのがアンタレスとM4 (大きな画像)


APOD: 2007 September 11 - A Scorpius Sky Spectacular

画像中央やや右下に黄色く輝くのがアンタレス、その上に明るく輝いているのが木星です。

(大きな画像)


APOD: 2012 April 17 - Antares and Clouds

画像上に明るく光る星がアンタレスで、中央左にM4が映っています。

(大きな画像)


2012年4月17日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。

画像省略

さそり座のアンタレスと球状星団M4 (写真はNASAより引用)



宮沢賢治が好きだった、さそり座のアンタレス。「銀河鉄道の夜」にはこの焼け死んだ

さそりの物語が登場してきます。



さそり座はこの時期、午前2時ごろに南の空から昇ってきますが、一等星のアンタレス

は日本では「赤星」と呼ばれています。



賢治は「ルビーよりも赤くすきとおり、リチウムよりもうつくしく酔ったようになって、その

火は燃えているのでした」と書いていますが、画像でも黄色い星雲の中でひときわ明る

く輝いています。



アンタレスの下、画像中央やや左に見えるのが球状星団M4で、地球からこの星団まで

の距離は約1万光年です。



日本で1万年前というと縄文時代が花開いていた時代でした。この縄文時代の光が今

ようやく地球に到達しているんですね。



画像は長時間撮影したもので、肉眼や望遠鏡ではこのような美しい星雲は見えません。

双眼鏡ですと、同じ視界にアンタレスとぼんやりした姿のM4が映ります。



(K.K)



 


「フラムスチード 天球図譜」恒星社編 より引用







双眼鏡で見る春の星空 双眼鏡で見る夏の星空

双眼鏡で見る秋の星空 双眼鏡で見る冬の星空

天体観測に適した小・中口径の双眼鏡

天体観測に適した大口径の双眼鏡

(映し出されるまで時間がかかる場合があります)

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