「星の少年」

シャイアン・インディアンに残された物語 

 北山耕平 再話 菊地慶短 作画 星雲社より引用




アメリカ・インディアンと呼ばれる人たちに残されている「ストーリー・テリングの技術」

に魅せられたのは二十年以上も前のことです。たくさんのそうした物語を直接人に

会って聞いたり、古い資料から探し出して集めてきました。物語は生き物であり、語

る人や時代によってさまざまに形を変えていきます。もちろんその核をなしている部

分は、その物語を語る人のスピリットと激しく影響しあうことで、つねに再生されてい

ます。私はこれまでも再話という形でそうした物語を日本語に置き換える作業をつ

づけてきました。いままで学問的な民話研究のような形でネイティブ・アメリカンの

物語が紹介されたことはありますが、物語の持っている教育的な効果・・・・学校

では教えてくれない大切なことを伝える力・・・・を全面的に伝えようと試みたもの

はあまりありませんでした。現代ほど、その「学校では教えてくれない大切なこと」

が求められている時代はないでしょう。私が自分の人生の多くの部分を伝統的な

ネイティブ・アメリカンのストーリー・テリングを理解することに捧げてきた理由もそ

こにあります。つまり、われわれがネイティブであろうとなかろうと、自分のことを知

り、他人のことを知るために、地球のことを、自然のことを知るために、そうした話

から学ぶことがたくさんあると、私は信じるにいたったからです。日本人の多くが

いまでは大地との絆を喪失して生きています。日本人として生きることはどういう

ことか分かっていても、地球に生きる人間としての生き方となると、かいもく見当

もつかなくなっています。日本列島にも先住民として生き残っている人たちが現存

していますが、その人たちへの尊敬は私たちに残っているでしょうか。私たちにい

まほんとうに必要なのは、「人間として生きるとはどういうことか」を学びなおすこと

です。国家や国境線にとらわれているかぎり、地球そのものとの絆を失ったまま

生きていかなくてはなりません。大人になるときの物語は、大人になる前に知る

べき物語は、あなたをネイティブ・アメリカン・ピープルの不思議にみちた世界に

いざなうことだけを目的にしているのではありません。こうした物語を知ることで、

あなたのなかで眠りこけている人間の部分に刺激を与えたいのです。私は、これ

からもネイティブ・ピープル・・・・地球とつながって生きている人たちの・・・・たくさ

んのストーリーを皆さんと共有できることを願っています。ひとりの地球に生きる

人間として、どうか、よりよい人生を送ってください。

北山耕平


Native heart

「ネイティブ・マインド」「ローリング・サンダー」「インディアン魂(レイム・ディア)」

「シャイアン・インディアン 祈り」「虹の戦士」など数多くのインディアンに関する文献

を書いておられる北山耕平さんと奥様によるホームページです。このページにはホピ族

の指導者であったダン・カチョンバの「生命の始まりから浄化の日まで ホピ物語」全文

が掲載されています。また「セイクリッド・ウエスト/ SACRED WEST」を通してインディアン

並びにそれを取り囲む世界を知ることが出来るでしょう。他に奥様によるアメリカの砂漠

と太平洋のロタ島の旅行記も興味深いものとなっています。私自身北山耕平さんから、

「リトル・トリー」の真実をはじめ、多くのことを教えていただいたことを感謝しています。

北山さんの最近の文献として、「アシハヤ」「星の少年」「鷲と少年」「ますらお」

「アメリカ・インディアンに学ぶ子育ての原点」などがあります。







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