未来をまもる子どもたちへ



天空の果実を旅するには



天体観望というと皆はどんなことを思い浮かべるだろう。大きな望遠鏡と北極星

を中心にして回すことが出来る赤道儀かな。確かに星雲や星団など詳しく見た

い人や写真撮影したい人はこのような装備が必要かもしれない。でも私がいつ

も使っているのは600グラムしかない小さな双眼鏡なんだ。確かに暗い天体を

見るにはあまりにも貧弱なのかもしれないね。でも、この双眼鏡が一番活躍して

いるんだよ。だって星を見るのになんの準備もいらないんだから。大きな望遠鏡

だとそうはいかない。機材も重く組み立てるのに多くの時間がかかってしまう。私

みたいな面倒なことが嫌いな人間にはうってつけのものなんだ。そして、大きな

望遠鏡にはない魅力があるんだよ。だって星をみたいなと思った時にすぐに、

何の準備もなく外に飛び出ることができるなんて、なんて素晴らしいことだろう。

そこには肉眼では見ることができない多くの星々が目に飛び込んでくる。確か

に暗い天体までは見えないけれど、宇宙の雄大さを感じるには双眼鏡が一番

だと感じているんだ。望遠鏡は片目で見るけれど、双眼鏡は両目で見るから

ひとつひとつの天体が立体感のある存在として感じることができるんだ。でもだ

からといってどんな双眼鏡でもいいとはいかないんだよ。天体観望に適したも

のでしっかりしたプリズムを採用しているものでないと実用にはならないんだ。

「いい双眼鏡とはどんなもの」という項目で、どのような双眼鏡を選べばいいの

か自分なりに書いてみたから読んで参考にしてごらん。そして肉眼で見ること

が出来ない多くの天空の果実を優しく教えてくれる文献を少しずつ紹介してい

くことにするね。







1998年11月18日、今年最大の注目と言われているしし座流星群がやってきたね。

皆は見たかな。実はこの流星群はちょっと期待外れなんて言われているね。もっと

雨が降るように見られるんじゃないかと期待されただけに残念と言えば残念かも

知れない。でも産まれて初めて流れ星を見た人も多いと思う。それだけ街の明か

りが強すぎることなんだね。小さな流れ星がかき消されてしまっている。でもね、

ちょっと足を運んで光害のないところに行って、寝転びながら星空を見ていたら見

えるかも知れないよ。そして天の川や美しい色をした星雲や銀河が目に飛び込ん

でくると思う。この前に富士山の五合目で一晩中星を見ていたら、天の川やオリオ

ン大星雲がはっきり見えたんだよ。このような暗いところを見つけるのは今となっ

ては難しくなってしまい悲しい気持ちにさせられてしまう。天空の果実の素晴らしさ

に常に触れられていた昔々の人びとがうらやましいなと思うことさえあるんだ。何か

ちょっと落ち込ませてしまったね。ごめんね。さて流星群の最大出現日の前日にも

多くの流れ星がふったことを知っているかい。テレビや新聞では最大出現日の18

日が大きく取り上げられていたけれど、実は前日にもあったんだ。朝の四時から

六時まで40個の流れ星がふったんだよ。私もこのような短い時間の間でこんなに

たくさんの流れ星を見たのは初めてなんだ。とても感動したよ。そしてますます

星空が大好きになったんだ。皆さんも晴れた星空のもと、宇宙からの多くの素晴

らしい贈り物をこれからも受け取ることができるといいね。




プトレマイオス48星座







天体観望に関する文献


さて、星に興味を持ったらその素晴らしさを味わわせてくれる文献などを読んで

みるのもいいかも知れません。あの星はなんという名前で、その星座の名はと

いうように、実際の星空を見たら知りたいことが一杯出てくると思うんだ。そう

なってくるとまた一段と星を見る楽しさが増えてくると思うよ。少しずつだけど、

この素晴らしい星空に案内してくれる文献を紹介してゆくことにしようね。


天文ソフト「ステラナビゲーター」
「星空散歩ができる本」北半球版
「星の地図館」
「星座を見つけよう」
「星を見に行く・はじめてのスターウォッチング」
「星空フィールド日記」
「スカイアトラス フィールド版」
「星雲星団ウォッチング エリア別ガイドマップ」 
「天体ガイドマップ Star Atlas 2000.0」
スターマップ―星空地図帖
月の本
「天文年鑑」
「NHK趣味悠々 親子のための星空観察」



ステラナビゲーター

プレネタリウムソフトでは最も有名である。美しくなおかつ豊富な機能を持つ

このソフトは天文愛好家にとって必需品だし、初めての方にとっても優しい

プラネタリウム番組など用意されている。





「星空散歩ができる本」 恒星社厚生閣

星座早見盤を用いても星座の位置がよくわからないという方や、これから星空

散歩をしてみたいという方には最適の文献の一つだと思います。その独特な

探索方法は見ていてとても参考になります。新たに星空散歩をする旅人の目

を楽しませてくれるこの文献は世界各国で出版されています。





「星の地図館」 小学館

とても美しい6.5等星までの全ての星の色を再現した画期的最新カラー星図

と、それぞれの星図に位置する星雲や星団をハッブル宇宙望遠鏡・すばる

望遠鏡などの壮麗な写真が私たちを宇宙の神秘さに浸らせる。本書ほど、

星図と写真集を見事に調和させたものは過去になく、その傑出した表現力

は、私たちの生命の起源を思い起こし、美のなかへといざなう。そして本書の

付録に「野外星図」や「北天・南天星座早見盤」があり、野外での星空観望に

とても役立つものとなるに違いない。初心者やベテランを問わず、星や宇宙

に想いを寄せる人、そしてそうでない人にとっても是非手にとってもらいたい

傑作であると僕は思う。





「星座を見つけよう」 福音館書店

初めて星空に興味を抱き、星座を見つけようとしたとき、この本ほど分りやすく

書かれた本はそう見当たらないかも。そして子供に語りかけているようなその語

り口には、宇宙の神秘の素晴らしさを感じさせないでおかないものがあるんだ。





「星を見に行く・はじめてのスターウォッチング」  誠文堂新光社

漫画を使って、誰にでも星空鑑賞の素晴らしさと簡単な方法を紹介している

本だよ。はじめて星空に接してみたい方には最適の文献であると思う。続編

の「星を見に行く・はじめての天体望遠鏡」も同じくらい役に立つ本だ。





「星空フィールド日記」  山と渓谷社

一台の小さな双眼鏡とこの本をもって外に飛び出してごらん。きっと今まで

気づかなかった多くの美しい星たちに触れることができると思う。星座の

生い立ちや神話の簡単な紹介とともに、それらの星座の中に見える星雲

星団などの位置や情報が満載しており、今まで気づかなかった星の違っ

た顔を見ることができると思うよ。





「スカイアトラス フィールド版」 丸善

この本は前述した「星空フィールド日記」のように、星座やその神話については

書かれてはいないけれど、多くの星雲・星団などが肉眼や双眼鏡・望遠鏡を使っ

て見つけられやすいような工夫をしている好著なんだ。分厚い星図帖を広げなが

ら見るのは大変だね。でもこの小さな本さえあれば有名な天体の情報や位置な

どが詳しく記号化されているので、初めてのかたでも役に立つと思うんだ。いつも

この本を手元に置いて肉眼はもちろんのこと双眼鏡などを使って星空を見ると

楽しくなると思うよ。





「星雲星団ウォッチング エリア別ガイドマップ」 地人書館

星雲・星団の位置を分かりやすい星図の中で紹介し、どの天体が望遠鏡や

双眼鏡などの観望機材に適しているのかが良く理解できる仕組みになって

いる本だよ。多くの写真や、詳しい星図などを使っており、初心者の方でも

容易に探索できる工夫がされているんだ。「星空フィールド日記」や「スカイ

アトラス フィールド版」よりも大きな本だけど、それだけ内容は非常に濃く、

天体観望をじっくりと取り組みたい方には最適のものかもしれない。





「天体ガイドマップ Star Atlas 2000.0」誠文堂新光社

これは実に画期的な本だよ。星座の形を知らない人が本格的な星図を

使えるように工夫した本で、最初は現在の星空を星座線が入った図で

紹介している。次に四季の代表星座を写真と星座線を使って説明し、

星座絵が入った星図でさらに理解を深めることが出来るんだ。そして最

後に、世界で始めてオールカラーの実用星座(8等星まで収録)がある。

この本の中核はこのオールカラーの美しい星座だと思うな。皆も早く天文

ファンが使っている星図を使いこなせるといいね。尚、主な重星が写真付

で紹介されたりしていて、実用にはもってこいの本だと思う。





「スターマップ―星空地図帖」誠文堂新光社

これ星図帖は前に紹介した「天体ガイドマップ Star Atlas 2000.0」の

オールカラーの星図を縮小して大きな一枚の紙に収めたものです。野

外で使うのもいいし、家で大きく広げて星達の世界をじっと眺めるのも

いいかも知れませんね。折りたたんでありますが、拡げると、見開いた

新聞紙よりも大きくなるんですよ。





「月の本」 光琳社出版

この美しい本は月だけに絞って、その文学、天文学、社会学、美術など

さまざまな角度から月の謎や魅力を豊富な写真や図を通して紹介してい

る素晴らしいものです。私たち地球に一番近い星である月。一番身近に

感じている月ですが、多くの謎がまだ沢山あるんですよ。そしてあなたの

知らない月の魅力をこの本の中に見つけ出すかも知れません。





「天文年鑑」 誠文堂新光社

天文に関する最新のデータを収録した天文愛好者には必携の書。本書があれば

今年に起こる天体の見所などがわかり、また各天体の詳しい情報で天体観望が

より楽しいものとなるに違いない。





「NHK趣味悠々 親子のための星空観察」 日本放送出版協会

NHK教育テレビで1999年2月から3月にかけて、初心者向きの星空観察の

番組が放映されましたが、この本はそのテキストととして出版されたものです。

如何に楽しく星空に親しむかを、多くの写真を交えて親切丁寧に解説しており、

星空観察の原点を再認識させてくれる優れた入門書です。







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