
女性棋士を紹介するにあたり、このヴェラ・メンチクの 存在は現在でも光り輝いている。チェコ人の父、イギリ ス人の母を持ったメンチクはモスクワで生れ、15歳の 時に家族と共にイギリスに移住する。 その強さは女性の中では圧倒的なもので、1927年か ら39年にかけての7回にわたる女性チェス世界選手権 では78勝し負けはたったの1局のみで、初代の女性 世界チェスチャンピオン並びにそのタイトルを生涯防衛 し続けた。 特筆すべきは1929年の大会において、わずか0.5ポイ ント差でカパブランカに次いで強豪ルービンスタインと 2位を分け合い、また世界チャンピオンのエイベや天才 レシェフスキーなど倒した真の実力者だった。 1944年という第2次世界大戦の中、38歳のメンチクは、 ドイツのV-1ロケット攻撃の空襲により亡くなるが、彼女 の偉業を称えて、チェスオリンピックで優勝した女性 チームに対して「ヴェラ・メンチク・カップ」が贈られるよう になっている。 彼女の存在がチェスをする女性にとってどれほどの 大きな希望と勇気になったであろう。メンチクが残した 遺産は偉大だったのである。 |
![]() ヴェラ・メンチクの名局 Vera Menchik vs Sonja Graf-Stevenson "It Was a Vera Good Year" (game of the day Jul-14-09) Semering 1937 · Semi-Slav Defense: Bogoljubow Variation (D46) · 1-0 |
![]() ヴェラ・メンチクとマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp) ヴェラ・メンチクの全棋譜 |
