「人類の進化 大図鑑」

アリス・ロバーツ・編著 馬場悠男・日本語版監修

河出書房新社










(内容紹介より引用)

人類700万年の壮大な旅をヴィジュアルでたどる世界初の図鑑。

とくに、初めて見るリアルな人類の復元模型たちは圧巻!

最新の発見と研究成果で解き明かす人類の秘密とは!?



私たちは何者なのか、いつ、どこから来たのか。

人類700万年の壮大な旅が始まる──



[人類はこんな顔をしていた! ]

驚異の超リアルな復元像!

息を飲むような再現の大迫力!

古人類学、人体解剖学、ゲノムなどの研究を駆使して生命を吹き込まれた正確な模型。



世界初の人類進化最新図鑑の決定版。最新の研究によって明かされる驚嘆の真実!

★ 世界初! ヴィジュアルで読む人類進化の科学ストーリー!

★ 人類の誕生から古代文明までの700万年を最新の発見と最前線の研究成果で克明に解説!

★ 驚くべき再現技術による正確な頭部復元模型13体!

★ 人類学、進化学、考古学



 



本書 日本語版序文 馬場悠男(日本語版監修) より引用


人類進化ストーリーの最新バージョンをご存知だろうか。およそ700万年前、最初の人類は、アフリカ

の森林で、直立二足歩行の能力を身につけ、家族に食料を運んだらしい。やがて、400万年前ほど

前から草原にも進出し、硬く粗末な食物を食べた。約250万年前からは、脳が大きくなり、道具を使

い、乾燥化が進む広い草原で多様な食物を探しはじめた。そして、180万年前には、長い脚と大きな

脳を持ったヒト属(ホモ属)が、アフリカからユーラシア大陸に広がっていった。私たちホモ・サピエンス

は、約20万年前にアフリカで誕生し、5万年ほど前から世界中に広がり、古くから各地に住んでいた

祖先たちを滅ぼしてしまった。



しかし、このような説明で、祖先たちがどのような姿形をして、いかに暮らしていたか、具体的なイメー

ジが湧くだろうか。私たち人類学の研究者は、自分が惚れ込んでいる悠久の人類進化ストーリーを、

一般の人々にわかってほしいと願っている。そして、それを、どのように伝えるか、どのようにすれば

容易かつ明瞭に理解してもらえるか、つねに悩んでいる。そのような悩みを解消してくれる有効な手段

が刊行された。まさに本書である。



本書で、オランダのケニス兄弟が科学的根拠に基づいて復元した精密モデルは、人類進化の物語に

登場する著名な主人公たち、つまり私たちの祖先の生きていたときの姿形を現代によみがえらせてく

れる。これから彼らの案内で、驚きに満ちた祖先たちの旅をだどってみよう。筆者は、国立科学博物

館に勤めていたときに、同じような意図を持って十数体の古代人復元モデルを作ったことがあり、それ

は今でもそこに展示されている。出来具合にはかなり自信を持っていたが、本書を見て、その豊かな

表現力に圧倒され、まいったというのが本音だ。



じつは、本書は図版が見事だけでなく、復元の根拠となる解剖学的特徴などを専門的レベルまで掘り

下げているのが見事だ。また、最新の重要な発見も解説している。たとえば、インドネシアのフローレス

島に、身長1m、脳容積400mlの人類が1万数千年前まで生きていたことや、私たちの身体の中には

ネアンデルタール人のDNAがわずかに含まれていることなどだ。



その意味で本書は、謎の多い人類の進化に関する最前線の研究をしっかり押えた、かつてない優れた

内容になっている。



 



本書 序文 アリス・ロバーツ より引用



私たちは自分を人間として認識しています。一人ひとりに固有の意識があり、そこから強い自意識が生ま

れています。そしてその自意識が、「私たちは何者か」「どこから来たのか」と考えさせているようです。自分

たちのことを知りたいという、ほかの動物には見られないこの思いは、私たち人間の奥深いところに根差し

ているようです。



人間は何千年にもわたって、人類の起源や自然界における位置、ほかの生命との関係、などという問いに

対する答えを探し求めてきました。宗教や哲学もこのことを考えるひとつの方法でしょう。しかし化学は、私

たちを取り巻く世界と私たち自身のなかに、証拠や答えを探すよう求めます。そのような観察に基づく科学

的アプローチの結果、現在ではこの昔ながらの問いについて、過去の驚くべき秘密が明らかになり、人類

の系統樹をはるか昔までさかのぼることや、太古の昔に亡くなった祖先に会うことができるようになりました。

進化という視点に立ってみると、私たち自身のことがよくわかり、人間をひとつの種として、生物学的、生態

学的な大きな流れのなかでとらえることができるようになります。



私たちは霊長類です。本書は、霊長類の現生近縁種を紹介するところからはじまります。次の章では人類の

系統樹をさかのぼって、私たちの祖先に会いに行きます。ケニス兄弟が、古代の親戚の復元立体肖像をた

くさん作ってくれました。彼らの芸術的な復元技術には、かねてから尊敬の念を抱いています。まるで生きて

いるかのような、すばらしい出来栄えです。次に初期人類や現生人類がアフリカを出て世界に広がっていった

ようすと、氷河時代の終りにかけて変化していく人類の生活を見ていきます。そして最後には世界各地で興っ

た古代文明の足跡をたどります。



本書は、「私たち人間は、当然の帰結として世界を制覇し、権力の座に君臨して、自然界のほかの生物を

支配するに至った」という物語を描いたものではありません。樹の上で生活していた私たちの祖先が偉大な

文明を築いていった道は、必然性に支えられた一本道ではなかったのです。自然選択を経た進化は、時間

の経過とともに、より多様で複雑になる傾向がありますが、それは「進化」と同じことではありません。進化の

方向は予測不可能で意外性に満ちています。ですから、私たちの種が地球上に誕生したのはまったくの偶然

だったということに気づくと、感激すると同時に謙虚な気持ちにもなります。私たちの文明の偉業は、思いがけ

ない幸運の上に成り立っているのです。



美に共鳴しあう生命



 



【目 次】



●過去を知る〈UNDERSTANDING OUR PAST〉

過去へ/地質記録/化石とは何か/祖先を探す/考古科学/骨片をつなぎ合わせる

/骨に生命を吹き込む/復元/行動を読み解く




●霊長類類〈PRIMATES〉

進化/分類/最古の霊長類/新世界ザル/初期類人猿と/旧世界ザル/現生類人猿/類人猿とヒト



●人類〈HOMININS〉

人類の進化/人類の系統樹/サヘラントロプス・チャデンシス/オロリン・トゥゲネンシス、

/アルディピテクス・カダバ/アルディピテクス・ラミダス/アウストラロピテクス・アナメンシス

/アウストラロピテクス・バールエルガザリ、ケニアントロプス・プラティオプス

/アウストラロピテクス・アファレンシス/アウストラロピテクス・アフリカヌス

/アウストラロピテクス・ガルヒ、パラントロプス・エチオピクス

/パラントロプス・ロブストス、アウストラロピテクス・セディバ/パラントロプス・ボイセイ

/ホモ・ハビリス/ホモ・ジョルジクス/ホモ・エルガスター/ホモ・エレクトス/ホモ・アンテセッソール

/ホモ・ハイデルベルゲンシス/ホモ・フロレシエンシス/ホモ・ネアンデルタレンシス

/ホモ・サピエンス/頭部の比較



●出アフリカ〈OUT OF AFRICA〉

人類の移動経路/遺伝学が解き明かす移動経路/初期人類の移動経路

/最後の古代人/新しい人類種の出現/東方への沿岸移動/ヨーロッパへの移住

/ヨーロッパのネアンデルタール人と/現生人類/北アジアと東アジア/新世界/オセアニア



●狩猟者から農民へ〈FROM HUNTERS TO FARMERS〉

後氷期/狩猟採集民/岩面美術/狩猟採集から食糧生産へ/西アジアと南アジアの農民

/ギョベクリ・テペ/アフリカの農民/東アジアの農民/ヨーロッパの農民/南北アメリカ大陸の農民

/動物の有効利用/工芸の発達/金属加工/交易/宗教/ニューグレンジ/最古の国家群

/メソポタミアとインダス/ウルのスタンダード/エジプト王朝時代/中国の商王朝/アメリカの諸文明




●用語解説/索引/出典





U-Th dating of carbonate crusts reveals Neandertal origin of Iberian cave art | Science

ネアンデルタール人が描いた6万4800年以上前の壁画



Neanderthals were artistic like modern humans, study indicates - Bintroo

1913年の論文に掲載されたスペインの洞窟壁画を写した絵=サイエンス誌提供





ネアンデルタール人が描いた? 世界最古の洞窟壁画:朝日新聞デジタル より以下引用。


スペイン北部の世界遺産のラパシエガ洞窟の壁画が世界最古の洞窟壁画であることが国際研究チームの調査でわかった。

現生人類は当時欧州におらず、絶滅した旧人類ネアンデルタール人が描いたものとみられる。22日付の米科学誌サイエンス

電子版に発表された。



研究チームはラパシエガ洞窟など3カ所で動物や手形などの線描の部分に含まれる天然の放射性物質を高精度な年代測定法

で調べた。三つとも6万4800年以上前に描かれたものだとわかった。



現生人類がアフリカから欧州にやってきたのは4万〜4万5千年前とされる。1万数千年前のアルタミラ洞窟(スペイン)や約2万

年前のラスコーの洞窟(フランス)など、これまでの洞窟壁画はすべて現生人類が描いたと考えられてきた。



4万年前に描かれたスペイン北部のエルカスティーヨ洞窟の壁画がこれまで最古とされてきたが、さらに2万年さかのぼる古い

洞窟壁画と確認されたことで、研究チームは「すでにいたネアンデルタール人が描いた洞窟壁画だ」としている。ネアンデルタール

人は現生人類に近い種で、約40万年前に出現し、4万年〜2万数千年前に絶滅した。



ラパシエガ洞窟の壁画には線を組み合わせたはしごのような図形もあった。抽象的な考えを具体的な形で表す「象徴表現」の

可能性がある。人類の進化に詳しい佐野勝宏・早稲田大准教授は「象徴表現は現生人類のみが生まれつき持つ固有の認知能力

という考えが多数派だった。今回の年代が正しければ、ネアンデルタール人にもこの能力があったことになる」と指摘している。





2012年8月12日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



過ちと回心



回心すること、新しく生まれ変わること、その真の意味を私は本当に理解できているの

だろうか。



私たちは先住民に対して、太古の時代から自然と環境に調和する人々と捉えているが、

1万3000年前のアメリカ大陸では現代の私たちがしてきたことと同じように、乱獲などで

31属の大型草食動物が絶滅されたと言われている。



これはアメリカ先住民に限らず、オーストラリアのアボリジニ(最近の研究で明らかに

なりつつある)など世界各地に共通することかも知れない。



過去と現代、同じ過ちを犯していたとしても、彼ら先住民と私たち現代人の決定的な

違いは、過去から学んだ「知の遺産の継承」(国立科学博物館の海部陽介氏が提唱し

ている進化の仮説)、この場合は「回心の継承」とも言うべきものがあるかどうかなの

かも知れない。



先住民は、過去の過ちから学んだ教訓、それが回心となって魂に刻まれたが故に、

1万年以上も渡って世代から世代へと受け継がれてきたのではないだろうか。



私たち現代人は、動植物の絶滅と共に戦争など多くの悲劇を目の当たりにしてきた

が、果してそこから得られた、揺らぐことのない教訓が1万年先の人類にまで共有さ

れたものになっていくのだろうか。またそこに回心と呼べるものが存在しているのだ

ろうか。



ホモ・サピエンス(現生人類)は1万3000年前に一時陸続きになったベーリング海峡

を渡ってアメリカ大陸に来たとされているが、アメリカ先住民の多くはそれを否定し、

「自分たちは天地創造の時に亀の島(アメリカ大陸)に置かれた」と主張している。



ミトコンドリアなどの遺伝子解析から見れば在り得ないことだが、真に回心し、新しく

生まれ変わったことを体感した人ならば「今、私たちは生まれ変わり、そして今、私

たちはここに立つ」と言えるのだと思う。



この回心、それはシャーマニズムアニミズムとも関わってくるが、私自身はシャー

マニズム・アニミズムは1万3000年前より遥か太古の時代に生まれたと思っている

し、その背景にはネアンデルタール人などの旧人と言われた人の存在があったの

ではと感じている。細々と、しかし脈々と受け継がれてきた精神が1万3000年前に

多くの人々に共有され花開いたのかも知れない。



話はそれてしまったが、回心、1万3000年前の現生人類が体感したこと、それは私

が想像するより遥か高い次元での回心であったと感じてならないし、次の世代へ

継承させるために、私たちはこの回心の真の意味を心に感じることから始めなけ

ればいけないのかも知れない。



(K.K)



 

 

2012年7月27日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。







原罪の神秘



キリスト教の原罪、先住民の精神文化を知るようになってから、この原罪の意味するところが

何か考えるようになってきた。



世界の先住民族にとって生は「喜びと感謝」であり、そこにキリスト教で言う罪の意識が入る

余地などない。



ただ、新約聖書に書かれてある2000年前の最初の殉教者、聖ステファノの腐敗していない

遺体、聖フランシスコと共に生きた聖クララの腐敗を免れている遺体を目の前にして、彼ら

の魂は何かに守られていると感じてならなかった。



宇宙、そして私たちが生きているこの世界は、未だ科学的に解明できない強大で神秘な力

に満ち溢れているのだろう。



その神秘の力は、光にも、そして闇にもなる特別な力として、宇宙に私たちの身近に横た

わっているのかも知れない。



世界最古の宗教と言われるシャーマニズムとその技法、私が感銘を受けたアマゾンのシャ

ーマン、パブロ・アマリンゴ(NHKでも詳しく紹介された)も光と闇の二つの力について言及し

ている。



世界中のシャーマンの技法の中で一例を上げれば、骨折した部分を一瞬にして分子化した

のちに再結晶させ治癒する光の技法があれば、病気や死に至らせる闇の技法もある。



これらの事象を踏まえて考えるとき、その神秘の力が遥か太古の時代にどのような形で人類

と接触してきたのか、そのことに想いを巡らすこともあるが、私の力の及ぶところではないし、

原罪との関わりもわからない。



将来、新たな遺跡発見や考古学・生物学などの各分野の科学的探究が進むことによって、

ミトコンドリア・イブを祖先とする私たち現生人類、そしてそれより先立って誕生した旧人

言われる人たちの精神文化の輪郭は見えてくるのだろう。



しかし私たちは、人類・宗教の歴史その如何にかかわらず、今を生きている。



原罪が何であれ、神秘の力が何であれ、人間に限らず他の生命もこの一瞬・一瞬を生きて

いる。



前にも同じ投稿をしたが、このことだけは宇宙誕生以来の不変の真実であり、これからも

それは変わらないのだと強く思う。



最後にアッシジの聖フランシスコが好きだった言葉を紹介しようと思います。尚、写真は

聖フランシスコの遺体の一部で大切に保存しているものです。



私の文章で不快に思われた方、お許しください。



☆☆☆☆



神よ、わたしをあなたの平和の使いにしてください。

憎しみのあるところに、愛をもたらすことができますように    

いさかいのあるところに、赦しを

分裂のあるところに、一致を

迷いのあるところに、信仰を

誤りのあるところに、真理を

絶望のあるところに、希望を

悲しみのあるところに、よろこびを

闇のあるところに、光を

もたらすことができますように、

助け、導いてください。



神よ、わたしに

慰められることよりも、慰めることを

理解されることよりも、理解することを

愛されることよりも、愛することを

望ませてください。



自分を捨てて初めて

自分を見出し

赦してこそゆるされ

死ぬことによってのみ

永遠の生命によみがえることを

深く悟らせてください。

☆☆☆☆




(K.K)



 

2012年6月28日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



(大きな画像)

氷河期の記憶(写真は岩田山公園にて撮影)



太陽の魂、暖かさを地上にもたらす鳥の伝説は2月5日に投稿した「ワタリガラスの伝説」があるが、

寒冷地に住む民族ほどこのような伝説を産みだしやすいのかも知れない。



このような伝説は、7万年前から1万年までの最終氷期を生き抜いた人類が子孫に伝える教訓とし

て伝説や神話の中に生きている。



自身の「死の自覚」から神(創造主)との接点、それが神話の誕生に繋がったのかも知れないし、

それらはほぼ同時期に産まれたのかも知れない。



世界屈指の古人類学者のフアン・ルイス・アルスアガは、「死の自覚」が今から40万〜35万年前の

ヒト族に芽生えたと言っているが、それは我々の祖先と言われてきたミトコンドリア・イブ(約16万年

前)よりも遥かに古い時代である。



エレクトゥス(100万〜5万年前)、ハイデルベルゲンシス(60万〜25万年前)、ネアンデルターレンシス

(35万〜3万年前)のヒト族は既にこの世界から絶滅しているが、もし彼らに「死の自覚」、神との接点、

神話があったとしたら、それはどのようなものだったのだろう。



そして現生人類(我々)の最古の宗教であるシャーマニズム、そして現存する多くの宗教はどのよう

に関わっているのだろう。



2010年に現生人類(我々)の遺伝子にはミトコンドリア・イブだけでなくネアンデルターレンシス(ネア

ンデルタール人)の遺伝子がある可能性が指摘されたが、今後の遺伝子研究や発掘により、彼らの

真実が明らかになってくることだろう。



ただどんなに過去や未来に想いを馳せようが、我々は今この瞬間を生きていることだけは確かな

ことかも知れない。



過去未来に関わらず、すべての生命がそうであった(ある)ように。




(K.K)



 


2012年1月20日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



写真は、デニソワ人(Denisova hominin)を想像したもの。

2008年、シャーマニズムの発祥の地ロシア・アルタイ地方のデニソワ洞窟において発見される。



☆概要(ウィキペデリアより要約)



デニソワ人の化石は約4万1千年前のものとされる。80万4千年前に現生人類であるホモ・サピエンス

の共通祖先から、ネアンデルタール人・デニソワ人の祖先が分岐。64万年前(35万年前の説もある)

にネアンデルタール人から分岐した人類で、現在のメラネシア人のゲノム(遺伝情報)の4〜6%が

デニソワ人固有のものと一致している。



つまり、40万〜30万年前にアフリカを出、中東を経てヨーロッパに拡がった集団がネアンデルタール

人に、中東を経てアジア内陸部に移動した集団がデニソワ人になった。それに遅れて6万〜5万年前

にアフリカを出た我々現生人類の祖先は、中東やアジア内陸部で先住者のネアンデルタール人や

デニソワ人と交雑しながら全世界に拡がり、現在に至った。



☆個人的感想



最初に書いたシャーマニズムの発祥の地と言われるロシア・アルタイ地方は、デニソワ人が約4万年

前まで生きていました。



実は不思議な文献があります。それは「ベロボディアの輪 シベリア・シャーマンの智慧」オルガ・カリ

ティディ著です。私にはこの文献の信憑性を確かめる術もないのですが、デニソワ人の存在が明確

になったのは2008年、この文献が出版されたのがそれより10年以上も前のことです。ただ以前から

このアルタイ地方はシャーマニズム発祥の地として知られていましたのでそれを加味しながら、この

文献の引用をお読みいただけたらと思います。正直私自身これをどのように解釈していいかまだわ

からないのです。



「以来、多くの集団がシベリアに彷徨いこみ、消滅した文明の神秘的なパワーに影響された。アルタ

イ地域は新しい文化誕生の沸騰する大釜となった。人々の流れがそこから分離し、多くの異なった

方向へと遠くまで広がっていったのだ。その流れの一つが現代のイランの領域へと辿りつき、そこで、

かれらが携えていった聖なる知識がゾロアスター教として誕生した。後にこれと同じな流れがその知

識の多くをキリスト教へと伝えた。別の流れは現在のインドやパキスタンへと移住し、その地での社会

の確立がヴェーダーンダの伝統の富を生み出した。最初の知識の場にシャンバラの名前を与えた

タントラ仏教は何世紀にも亘って、その知識と直接的な交流を果たした。西に赴いた人々は、ケルト

人として知られるようになり、ドルイド教の儀式を通して、共通の源に結びつけられた。このように、

アルタイに発するこの古代文明の神秘的遺産は世界中の多くの偉大な宗教の最初の源泉となった

のだ。これらのさまざまな伝統の内部には、それぞれベロボディアと直接触れたことのある人間が

つねに存在していた。」

引用終わり



先にも書きましたが、現在のメラネシア人のゲノムの4〜6%がデニソワ人固有のものと一致していま

すが、人種的にはオーストラロイドと混血したモンゴロイド系の民族です。東部のメラネシア人社会で

は超自然力(マナ)を信仰しており、すべて形あるものに精霊が宿ると信じられていましたが、ハワイ

先住民のカフナにも超自然力(マナ)が存在します。詳しくは最近の自己啓発ブームの中で突然現れ

てきた簡略版の「ホ・オポノポノ」ではなく、「原典 ホ・オポノポノ 癒しの秘法」マックス・F・ロング著を

お読みいただけたらと思います。



デニソワ人はネアンデルタール人から分岐したらしいですが、シャーマニズムと密接な関係と言いま

すか、シャーマニズムはデニソワ人から世界に広まったと思うのが妥当ではないかと感じています。

前に投稿したネアンデルタール人もそれに似た世界観を持っていたと推察していいのではと思いま

す。64万年〜35万年前に既に人類は、ロジャー・ウォルシュが「シャーマニズムの精神人類学」で言

うように、「この人類最古の宗教的・神秘的・医学的・心理学的伝統に関しては、まだまだ多くの謎が

残されている。シャーマニズムについて探求すればするほど、人間の体、心、魂について認知されて

いない側面や可能性があることがわかる。何千年もの長きにわたり、シャーマニズムの精神は、人類

を助け、癒し、導いてきた。それはこれからも、さらなるものを与えてくれるかもしれない」と感じてなり

ません。 



発掘などで得られた情報を基に太古の世界をいろいろ想像してしまいます。

次回は「ホピの予言」に戻りますが、整理したいのでしばらく時間をください。



(K.K)



参考文献

「アナザー人類興亡史 人間になれずに消滅した傍系人類の系譜」

「生物の進化 大図鑑」マイケル・J・ベントン他(監修)

「日本人はるかな旅 展」国立科学博物館 NHK



 


2012年1月18日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



写真は、DNA情報に基づき復元されたネアンデルタール人の女性です。

「存在を否定する人と存在を受け入れる人、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人」という題で

投稿します。



最初に今までわかっているネアンデルタール人に関する共有されている説の紹介と、それを根

拠にした私の妄想・暴論が続きます。



☆現在共有されている説



●約20万年前(ミトコンドリア・イブとほぼ同時期)に出現し、2万数千年前に絶滅した。

●ネアンデルタール人の脳容量は現生人類より大きく、現生人類と比較しても遜色のない知能

を有していた可能性がある。

●外見上では現生人類(ホモ・サピエンス)より顔が大きく、特に上顔部が前方に突出した突顎

であるが、写真で見てもわかるように大きな違いはない。

●何故絶滅したのか、はっきり特定は出来ていない。

●ネアンデルタール人の遺骨の近くには数種類の花粉があり、これは死者を悼む心があり、

副葬品として花を添える習慣があったと主張する人もいる。

●ヨーロッパの洞窟で発見されたフルート(人類最古の楽器)は年代的にネアンデルタール人

が作ったと主張する人もいる。

●2010年、現生人類には絶滅したネアンデルタール人の遺伝子が1-4%混入しているとの研

究結果が発表された。つまり単一起源説(ミトコンドリア・イブ)への疑問が浮上。



☆私の仮説(妄想・暴論)から先に書きます。



「ネアンデルタール人は今の先住民の特質(存在を受け入れる人)の原形であり、自然と共生

する世界観を有していた。また「人を殺すための武器を持ってはならない」ことを何らかの理由

で実践していた。一方、存在を否定する人(現生人類)は共生する世界観を否定する傾向を

特徴としていた。ネアンデルタール人の絶滅の原因はこの非暴力、並びに現生人類が持ち込

んだ感染症によるものだった。これは虐殺と共に白人が持ち込んだ天然痘などにより、免疫を

持たなかったインディアンの9割が死亡したことと共通する。



外見上、現生人類と大きな差がないネアンデルタール人と現生人類に交配があった可能性は

極めて高く、最近の研究でも裏づけられている。しかし、ネアンデルタール人は上記の理由で

ほぼ絶滅し、交配によって辛うじて現生人類の遺伝子の中にのみ刻まれた。このネアンデル

タール人の遺伝子を何らかの形で意識まで吸い上げたのが先住民族であり、その「存在を受

け入れる」先住民の世界観は世界各地で花開くこととなる。



しかし「存在を否定する」傾向の強い現生人類は自然・他者を支配しようとし、その憎悪の矛

先は自分自身へ向かい社会的・精神的な各種の病を生み出す。その混沌とした状況で生ま

れたのがイエスであり、「存在を否定する」傾向のある世界観を変えようとする。聖書が説く

「隣人愛」と「原罪」の意味はここにある。しかし現生人類は社会の安定のため外見上はキリ

スト教を容認するが、心の本質(原罪)は変わっておらず、2度目のネアンデルタール人への

虐殺(先住民虐殺)へと向かうことになる。



以上この仮説を通して私は、単一起源説(ミトコンドリア・イブ)に異を唱えるものであり、遺伝

子が消失或いは辛うじて残っている「存在を受け入れる」特質を有したネアンデルタール人も

同様に私たちの祖先として位置づけられることを願う。それはこの祖先が、私たちがどのよう

な未来を築くべきかの方向性を与える一つの座標として存在することをも意味しているからで

ある。」



☆後書き(仮説に至る経緯)



ここまで書いて自分が嫌になってきました。私の仮説はネアンデルタール人が善良な人々で

あったと美化しそれを前提としていますが、それを明確に証明するものは発掘されておりま

せんし、先住民という定義も曖昧であり他の宗教の生い立ちも省かれています。私よりも皆

さんの方が妄想と感じておられると思いますが、この妄想に至った出発点が二つあります。

科学的な側面では、ミトコンドリア・イブの子孫たちが、同時代に生きていたネアンデルタール

人などと交配することなく世界を席巻したと考えるのは余りにも不自然だからです。外見上

そう変わらないネアンデルタール人と現生人類に交配があったと考える方が極めて合理的

であり自然です。これはDNA解析技術が進歩していくと共に真実が明らかになってくるのか

も知れません。



精神的な側面では、キリスト教の言う「原罪」と先住民が共有していた「世界は美であり、私

たちは喜ぶために生きている」の大きな世界観の違いです。勿論、その土地の風土によっ

て宗教の形は変わってくるかもしれません。しかし両者には何か根本的な、というか根源的

な違いも感じるときがあります。この二つの疑問を通して、私はその答えを単にネアンデル

タール人に求め、軽薄に出した結論が上のものですが、いつかこの仮説とは異なるものを

見いだすかも知れません。



一人の馬鹿が導き出した妄想と捉えて頂けたら幸いです。またこの文章で不快な思いをさ

せてしまいましたら申し訳ありません。ただ、まだ全体像そして絶滅した原因が不明なネアン

デルタール人に少しでも関心を持っていただけたらと思い投稿しました。



今後の発掘調査によって私の想像とは180度異なったネアンデルタール人の実像が明らか

になる可能性もあると思いますが、どのような発掘であれ死者の魂を傷つけないような態度

で接することを願っています。



(K.K)



参考文献

「アナザー人類興亡史 人間になれずに消滅した傍系人類の系譜」

「生物の進化 大図鑑」マイケル・J・ベントン他(監修)

「日本人はるかな旅 展」国立科学博物館 NHK



 

2013年6月7日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した写真です。



(大きな画像)


バタフライ星雲(惑星状星雲 NGC6302)(写真はNASAより引用)



惑星状星雲は恒星が死の間際に膨張し、ガスを放出する姿のことですが、まるで宇宙空間を羽ばたく

蝶のようですね。



この星雲は「さそり座」の近く、地球から約3800光年離れたところにありますが、この恒星のガスの

放出は、2200年にわたり時速96万キロ以上の速さで広がりつつあるようです。



私たちの太陽も約63億年後に、赤色巨星から惑星状星雲になっていきますが、気が遠くなる未来ですね。



未来で思うのですが、現生人類(今の私たち)の寿命ってどのくらいなのかと考えたことがありました。



と言いますのも、現生人類が進化の最終段階であると断言することは誰もできないと思ったからです。



1万2000年前まで生きていたフロシエンシス(「指輪物語」で登場するホビットに例えられる)は約6万年、

現生人類が出現する前のネアンデルタレンシスは約30万年、ネアンデルタール人と現生人類の最後の

共通祖先ハイデルベルゲンシスは40万年の寿命を持っていました。



私たち現生人類がアフリカで誕生したのは約20万年前と言われていますが、たとえどの地点に現生人類

が置かれていても、私たちは今ここに生きている、ことは揺るぎない事実なのかも知れません。



地球上に生命が誕生して以来、多くの生命がそうであったように。



☆☆☆☆





美に共鳴しあう生命







双眼鏡で見る春の星空 双眼鏡で見る夏の星空

双眼鏡で見る秋の星空 双眼鏡で見る冬の星空

天体観測に適した小・中口径の双眼鏡

天体観測に適した大口径の双眼鏡

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いい双眼鏡とはどんなもの

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