「アマゾンの呪術師(シャーマン)」

パブロ・アマリンゴ/語り 永武ひかる/構成・訳

地湧社より









呪術師とはどんな人か? 薬草やテレパシーなどさまざまな知識と技を

駆使して、人々を癒し、心身の健康をもたらす。だが、それだけではな

い。植物を煎じて飲んで精霊世界と交信したり、大地、火、水、樹木、

動物、大気、雨や太陽など自然を活用する仕方を心得ている。人間は

これらすべての恵みを活かしながら生きるようになっている。よい呪術師

は、自然やそこに存在する霊性を尊び、信仰や神話世界を敬いなが

ら、人々を守り、霊的な教えを施す。霊的な世界について、より理解を

深めるように、教えを説く人なのだ。霊性というものは、私たちに必然な

ものだ。人間は霊的な存在なんだ。霊的な人格が形成されて人間に

なったのだから、人は本当は霊的なものごとを知りたいものなのだ。霊

性は物質よりも先に、まず初めにあるもんだ。私たちに考える能力を

与え、私たちを活気づける力だ。あらゆる言葉も霊的な存在で、それ

によって、愛とは何か、意志とは何か、慈悲とは何かを知ることが出来

る。よい呪術師はよく練られた人物でなければならない。つらいことの

浮き沈みに耐え、悪いことがらにも善意をもって前向きに対処すること

だ。自らよいことをつかむように修練が必要だ。もし悪いことに手を染

めたら、悪い呪術師に落ちぶれてしまうからね。いつでも人間は、嘘

をついたり、盗んだり、騙しとったり、殺したりしてきた。また、しょっち

ゅう、妬んだり、恨んだり、人に意地悪をしたい、という気持ちが起き

る。だから、私たちはいつも、うずうずしている悪い気持ちにとらわれ

ないように、自らを解放しておくのがよい。よい呪術師にとって重要な

三つの要素は、まず第一に謙虚なこと、そして愛があること、それから

高い霊性を持っていることだ。呪術師は学ぶための謙虚さ、悦びをも

たらすための愛、よりよく生きるための霊性を備えなければならない。

さらに、勇気があって強くなくてはいけない。強いまなざし、感情の強

さ、肉体の強さを備えていなければ、悪い呪術師や精霊に一撃を食

らわされ、殺されてしまうからね。







ある時私は精霊に連れられて、天空へと飛んだ。すると、川の水が蒸気に

なって立ち昇り、雲になり、雨が降り、川になって、海に流れそそいでいた。

川は干上がることなく、水はめぐりめぐって、もとにかえる。その様子を見るこ

とができた。そして雲の上へ上へと、さらに遠くに行って、月や太陽があるあ

るあたりから地球を見下ろすと、天体が地球にずいぶんな影響を与えている

のがわかった。太陽の<天の石>が地球へ落ちて、植物に生気を与える。

でも、もし植物がなかったら、この<天の石>が地球にたまって、人類に有

害な空気をもたらす。砂漠で人間が安らかに暮らせないのは、植物がない

からだ。さらに宇宙の極みに行って、すべてがまわりまわっていることがわ

かった。すべてのものが互いを必要として、成り立っていた。惑星や星々、

あらゆる天体でいっぱいの銀河宇宙が調和のある振動をして反響していた。

地球は、まわりの惑星たちからの影響を受けながら太陽のまわりをめぐって

いる宇宙船で、人間の大事な家なのだ。その地球がひどいことになってい

るのを見た。とても悲しくなった。人は木を伐って大気を汚してばかりいる。

むかし、地球は天井のようなもので守られていた。その頃は、月や太陽や

ほかの惑星からの悪い影響が少なく、地球は穏やかで平和だった。でもこ

の天井が崩れた時、大きな海ができて、大地より水が増えて問題になった。

だが、私たちはどうすべきかを知る知性がある。植物が成長し、人の食べ物

になるだけでなく、大気を浄化する。自然はあらゆるところでつながり合って

いる。自然とともに生きれば、本来、人はより霊性が高まり、平和になるもの

なんだ。







シャーマニズム(シャーマン)に関する文献

世界各地の先住民族の文献